巻原子力発電所計画の撤回について

平成15年12月24日

 当社は、本日開催の取締役会において、巻原子力発電所の計画を撤回することといたしました。

 巻原子力発電所の計画については、昭和46年5月に立地候補地点として公表して以降、巻町議会・岩室村議会および巻町長の建設同意、関係漁協との漁業補償協定の締結、さらには新潟県知事の建設同意を経て、昭和56年11月に国の電源開発調整審議会で了承されており、国、県のご指導、巻町・岩室村ほか周辺町村および地元推進団体をはじめとする多くの関係者のご支援のもと、約30年間に亘って立地の推進に取り組んでまいりました。
 この間、巻町において原子力発電所建設に関する住民投票等がありましたが、当社は、その結果も踏まえ、より多くの方々からご理解が得られるよう、これまで理解活動に取り組んでまいりました。

 こうした中、平成11年8月に巻町長が、発電所建設予定地内の町有地の一部を建設に反対されている方々に売却されました。
 これに関して、地元町民の方々が町有地への原状回復を求め、住民監査請求を経て住民訴訟に取り組んでおられましたが、去る平成15年12月18日に最高裁判所において上告受理申立が不受理と決定され、原告側の敗訴が確定いたしました。
 この結果、当該土地の取得については、事実上不可能な事態となりました。

 当社といたしましては、この裁判結果および地元状況等を踏まえ、今後の対応策について総合的に検討した結果、計画を推進していくことは極めて困難であると判断し、巻原子力発電所の計画を撤回せざるを得ないとの結論に至ったものです。

 この決定につきましては、本日、国、新潟県、地元巻町、岩室村に報告しております。

 当社としては、巻原子力発電所の計画については撤回することとなりましたが、原子力発電については、エネルギー資源の乏しいわが国にとって、将来にわたる電力の安定供給、エネルギーセキュリティ、また地球環境問題への対応から必要不可欠な電源であるとの認識のもと、安全性の確保を大前提として、今後とも積極的な情報公開に努めながら、理解活動に取り組んでまいります。

 なお、巻原子力発電所計画の概要・経緯については別紙のとおりです。

以上