10月定例社長記者会見概要 |
平成15年10月28日 本日、私からは、「平成15年度上半期の電力需給実績」の概要、ならびに経営効率化の一環として、このほど導入いたしました「インターネットによる海外炭購買競争入札システム」につきまして、ご説明させていただきます。 ○平成15年度上半期の電力需給実績 まず初めに、平成15年度上半期の電力需給実績につきまして、私からはポイントとなる点を中心にご説明いたします。 今年度上半期の販売電力量は、電灯・電力合計で359億1,100万kWh、対前年比で100.2%と、上半期としては昨年に引き続き前年度を上回る実績となりました。 この内、電灯・業務用電力など民生用需要につきましては、昨年の春先の気温が高かったことの影響や業務用電力での新増設の増加による影響がありましたが、一方では、個人消費や住宅・ビル着工の低迷に加え、今年の夏の記録的な低温の影響により冷房需要が減少したことなどから、前年を下回る実績となりました。 一方、産業用について見ますと、夏場に空調機器や冷却機器などの稼動率が低下したことにより需要が減少しましたが、大口電力におきまして、鉄鋼で海外向け生産が高水準を維持したこと、また、東北の主力産業である機械でデジタル製品向け部品や輸送用部品などの生産が引き続き堅調であったこと、さらに 非鉄で電気機械向け素材が好調な生産を持続したことなどから、前年を上回る実績となりました。 この結果、大口電力全体では、対前年比で102.0%と、9電力中第1位の伸び率となりました。こちらも上半期としては2年連続で前年度を上回る実績となりました。 このように、記録的な冷夏にもかかわらず、大口電力が9電力中第1位の伸び率を示しましたことは、東北地域において景気回復への基盤が全国に先駆けて、いち早く整いつつあるものと期待して、その後の推移を見守っているところです。 今年度の下半期につきましては、電灯・業務用電力で、昨年の厳冬の反動減が予想されるものの、産業用の大口電力において、当面は現在の生産水準が継続すると予想していることから、電灯・電力合計では、ほぼ前年並みの実績になると見込んでおります。 しかしながら、最近の円高傾向による輸出産業への影響が懸念されることなどから、決して楽観視はできない状況にあり、当社としては、企業の生産活動を含めまして、今後の需要動向を引き続き注視してまいりたいと考えております。 ○インターネットによる海外炭購買競争入札システムの導入について それでは続いて、インターネットによる海外炭購買競争入札システムの導入につきまして、その概要をご説明いたします。 当社は、海外から年間約1,000万トンの石炭を購入しており、国内の電力会社の中でも最大級の海外炭の調達を行っております。 このような膨大な量の海外炭の調達にあたりましては、長いものでは10年におよぶ「長期契約」や、1年を単位とする「年度契約」があります。 この2つをベースに、競争入札による「スポット契約」を効果的に組み合わせながら、供給安定性と経済性のバランスをとりながら計画的に調達しております。 とりわけ、競争入札によるスポット契約につきましては、平成12年度から、石炭調達専門のウェブサイトを利用した電子商取引を活用し、最も安い価格を提示した売り手と契約を行う「逆オークション方式」をこれまで導入しております。 また、平成13年度からは、石炭の銘柄にこだわらず、当社の石炭火力発電所で使用可能な石炭の品位、例えば発熱量や石炭中の水分、灰分などの品位のみを指定する「スペック調達」を実施しております。 この二つの調達方法は、当社が国内の電力会社としては初めて導入した方法であり、これまで海外炭の経済的な調達に相当大きな成果をあげてきたところです。 以上のような、これまでの海外炭調達のスポット契約に関するいろいろな取り組みを踏まえ、当社は、このほど、独自に開発した海外炭購買競争入札システムを導入することといたしました。 今回新たに導入するシステムは、当社が保有するEDIサーバーから、インターネットを通して直接海外の取引先とデータのやりとりを行うもので、取引先に対する見積り依頼から、応札、社内決定、発注手続き、実績管理にいたるまでの一連の業務処理を、自社のシステムで一元的に管理出来る点が特徴であります。 これまで、海外炭の競争入札によるスポット契約につきましては、石炭調達専門のウェブサイトを利用した電子商取引を行ってまいりましたが、今回開発したシステムの導入により、新たに、調達コスト面での効果と、石炭価格面での効果が期待されることとなります。 まず、海外炭購入にあたっての調達コスト面での効果につきましては、このシステムの導入と併せて、本システムから調達する海外炭を対象に、新たに国内の商社等を介さない直接取引を実施することとしていることなどから、従来、商社等に支払っていた諸経費である通関業務や輸入業務に係る手数料等を低減することが可能となります。 また、石炭価格面での効果につきましては、これまで石炭調達専門のウェブサイトの利用者に取引先の範囲は限定されていましたが、広く全世界の石炭供給会社へ拡大することが可能となるため、従来以上に幅広くいろいろな提案を受けることができ、より値段の安い石炭を調達できるという経済的な効果も期待できることとなります。 こうした、直接、海外の取引先を対象とする競争入札システムの導入は、電力会社として初めての取り組みとなります。 当社としては、こうした取り組みをとおして、経営効率化を一層進め、価格競争力を一層強化してまいりたいと考えております。 なお、本システムにつきましては、次回の競争入札から活用したいと考えており、なるべく早い時期に全面的に実施したいと考えております。 また、本システムにつきましては、当社で活用するにとどまらず、導入を希望する企業に対して、ソフトを販売することも検討していくこととしています。 ○自己株式の市場買付について 最後に、本日の取締役会で報告されました「自己株式の市場買付」につきまして、簡単にご説明いたします。 自己株式の取得枠設定につきましては、既に今年5月にお知らせしておりますが、当社は、6月の株主総会におきまして、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策のひとつとして、1,000万株、金額にして200億円を上限とする自己株式の取得枠設定を決議しております。 これにもとづき、このほど、市場買付による自己株式の取得を実施したものです。 具体的な内容としては、 また、買付は東京証券取引所における市場買付という方法で実施しております。 なお、取得した自己株式は、当面金庫株として保有することとし、具体的な活用策につきましては、今後、検討していくこととしております。 本日、私からは以上です。 |