インターネットによる海外炭購買競争入札システムの
導入について
〜自社入札システムによる海外炭国際入札は電力業界初〜

平成15年10月28日

 当社は、このほど、国際競争入札による海外炭調達において、インターネットによる海外炭購買競争入札システムを導入いたしました。

 これは、海外をはじめとする取引先との競争入札に当社のEDI(電子データ交換)※1 サーバーを活用するもので、海外炭国際入札において自社入札システムを導入するのは電力業界で初めてとなります。

 当社では、海外炭の調達にあたっては、供給安定性と経済性のバランスを考慮しながら、長期契約、単年度契約をベースに、平成8年度からは競争入札によるスポット契約も効果的に組み合わせて実施しております。特に、この競争入札によるスポット契約については、平成12年度からは、石炭調達専門のウェブサイトを活用した逆オークション方式※2 を、また平成13年度にはスペック調達※3 をそれぞれ国内の電力会社として初めて導入し、海外炭の経済的な調達に大きな成果をあげております。

 今回導入するシステムは、競争入札における取引先への見積り依頼から、応札、社内決定、発注、実績管理にいたるまでの一連の業務処理について、自社のシステムにより一元管理する点に、大きな特徴があります。この結果、迅速かつタイムリーな競争入札や入札業務効率の更なる向上が可能になります。

 これまで、海外炭のスポット契約につきましては、石炭調達専門の商業ウェブサイトを利用して実施してきましたが、今回開発したシステムの導入により、新たに、調達コスト面での効果と、石炭価格面での効果も期待されることとなります。
 まず、海外炭購入にあたっての調達コスト面での効果につきましては、自社のシステムを導入することによりウェブサイト使用料の削減に繋がります。さらに、今回のシステム導入と併せて、本システムから調達する海外炭を対象に、新たに国内の商社等を介さない直接取り引きを実施することとしていることなどから、従来、商社等に支払っていた通関業務や輸入業務に係る手数料を低減することが可能となります。

 また、石炭価格面での効果につきましては、これまで石炭調達専門のウェブサイトの利用者に限定されていた取引先の範囲を、広く全世界の石炭供給会社へ拡大することが可能となるため、従来以上に幅広く様々な提案を受けることができ、より一層経済的な調達が期待できることとなります。

 なお、本システムでは、当社EDIサーバーに電子認証システムを導入しているため、当社発行の認証証明書(ソフト)を有する取引先のパソコンだけがアクセス可能となり、取引内容の機密性についても保持される仕組みとなっております。

 本システムは、当社が次回実施する海外炭国際入札より活用する予定ですが、具体的な実施時期については、今後の石炭スポット価格や需給動向を見極めながら検討していくこととしております。また、本システムの導入を希望する国内外企業に対しては、本システムを販売することも検討しております。

 本システムの概要については別紙のとおりです。

以 上

※1 EDI(Electronic Data Interchange)
 企業間の商取引などをコンピュータ化し、見積、受発注、出荷指示等のデータをコンピュータ処理することで大量の書類が不要となり、業務効率化が可能となる。

※2 逆オークション方式
 競り合いにより、最も安い価格を提示した売手が買手と契約できる形態の入札方式。

※3 スペック調達
 石炭銘柄にこだわらず、当社の石炭火力発電所で使用可能なスペック(石炭の品位:発熱量や石炭中の水分・灰分等)のみを指定する海外炭の調達方法。