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新技術・新工法の概要


油圧ショベルアタッチメント式砕石機の採用
   東通村の老部川から金津山にかけての山間部は、軟岩、硬岩等が広く分布しており、これら地盤を掘削した際に生じる岩塊は、10〜30cmの大きさとなり、通常では埋め戻し土としては使用できません。
 今回、油圧ショベルアタッチメント式砕石機の採用により、岩塊を4cm程度に砕石処理することで、適正な埋め戻し土として活用できることから、搬出あるいは客土等をする必要がなくなったことで、工期短縮、基礎工事費低減を図りました。

埋設型床板型枠の採用
   地盤の軟弱な水田等に構築する鉄塔基礎(一体基礎、一体杭基礎、逆T字杭基礎)におけるコンクリート打設の際に使用している鋼製型枠(メタルフォーム)に替え、基礎の掘削が少なく(余堀幅が縮小できる)、支保工数量や運搬費も低減できる『埋設型床板型枠』を採用し、施工の省力化、工事費低減を図りました。

プレハブ架線工法の採用
   従来工法では、電線を鉄塔間に延線した後、所定の「弛み」が出来るように鉄塔上で調整・切断・引留クランプ圧縮を行い、がいし装置へ取付けていました。
 本工法ではあらかじめ必要電線長を算出し、電線工場において電線の切断・引留クランプ圧縮までを行い、現地に搬入後、がいし装置へ取付ける工法を採用し、塔上作業の削減による安全性の向上、施工の省力化および工期短縮を図りました。


金車通過型短尺きんしゃつうかがたたんじゃくクランプの採用
   超高圧送電線工事に広く採用されているプレハブ架線工法では、延線時にクランプが延線車や鉄塔上の金車を通過する際、クランプの変形を防ぐため鋼製のプロテクターを取付ける必要がありましたが、この工法ではプロテクターが通過できる特殊な延線車が必要なほか、延線後の電線の弛みを調整する緊線時には、重量物のプロテクターを宙乗り状態で取り外す必要がありました。
 これらを解消するための『金車通過型短尺クランプ』は、従来のクランプに比べて、金車通過時などにおけるクランプの変形防止や曲げに対する強度を高めるため特殊なアルミ合金を採用し、短尺化を図りました。
 本クランプを採用することにより、延線時のクランプの変形を防ぐプロテクターを必要とせず、一般の延線車で延線が可能となることから、むつ幹線に全面的に採用し、架線工事費の低減を図りました。

径間防護ネット工法の採用
   従来、既設の送電線上空を横断して電線を延線する場合、仮足場(鉄塔、鉄柱等)を新たに建て、新設鉄塔との間に防護ネットを張って既設送電線を防護していました。
 『径間防護ネット工法』は新設の鉄塔2基に設置した仮アーム間に防護ネットを施設して交差物等を保護する工法であり、本工法の採用により仮足場の設置が不要となることにより、施工の省力化、工事費低減を図りました。

低風音電線の採用
   風により電線から発生する騒音(風音障害)対策は、予測調査に基づき、風音障害が予想される箇所の電線にスパイラルロッド(アルミ製の素線)を巻き付け、風音を低減させる方法が一般的に採用されてきました。
 むつ幹線に導入した『低風音電線』は、電線自体に突起をもたせ、スパイラルロッドを巻き付けた場合と同等の効果が得られるもので、本電線の採用により施工の省力化、工事費低減を図りました。

鉄塔材の低光沢処理
   鉄塔に使用している溶融亜鉛めっきを施した鋼材を、りん酸による化成処理を行うことにより、鋼材表面の亜鉛皮膜にりん酸塩皮膜を形成して光沢を抑え、景観への配慮を図りました。

電線の低反射処理
   電線表面に細かい傷をつける処理を行うことにより、電線表面の反射光を分散させ、一定方向への反射光を減らし、景観への配慮を図りました。

 

以 上