定格熱出力一定運転とは

 従来は、発生する電気が一定になるように原子炉で発生する熱を調整し運転していました。これに対して、原子炉で発生する熱を一定に保つと、海水温度が低い冬季にはより多くの電気を作ることができるので、発生する電気が増加します。このように、原子炉で発生する熱を定格(=100%)付近で一定に保つ運転方法を「定格熱出力一定運転」といいます。この運転を行えば、原子力発電所の安全運転を確保しながら、より多くの電気を作れるので、二酸化炭素排出量を増やすことなく発電電力量を増やすことができます。

定格熱出力一定運転を行った場合、電気出力は下の図のように海水温度に応じて変化します。



2.なぜ冬季に電気出力が増えるのか

原子炉が一定に運転された場合、蒸気発生量が同じでも冬季に海水温度が低下すると、蒸気はより低い温度で効率良く冷やされます。それによって、蒸気タービンの入口と出口の圧力の差が大きくなりますので、蒸気タービンがより強く回転し、多くの電気出力を得ることができます。