第5回「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」の開催結果について

平成15年5月15日

 当社は、本日、「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」の第5回会合を開催いたしましたので、その概要について以下のとおりお知らせいたします。
 標記顧問会議は原子力に関する情報公開のあり方や「女川原子力発電所における自主点検作業の適切性確保に関する総点検調査」に関する調査プロセスの妥当性・公正性、ならびに不正防止策などについて、社外の有識者の方々より助言いただくことを目的に設置したものです。なお、第6回会合につきましては、平成15年7月に開催を予定しております。

【第5回「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」 開催結果の概要】

●開催日時 平成15年5月15日(木)午後2時 〜午後4時
●開催場所 江陽グランドホテル(4階 真珠の間)
●出席者 別紙のとおり
●議事概要

(1)女川原子力発電所の状況と今後の予定について
(2)原子力情報公開のあり方について

 なお、岡田副社長の挨拶要旨および出席委員の方々からの主なご発言は、以下のとおりです。


【岡田副社長挨拶要旨】

  • 「女川原子力発電所における過去の自主点検作業の適切性確保に関する総点検調査の最終報告」について、先月23日、「総点検は適切に行われたものであり、また安全性の観点からも問題がない」、また、不正防止策の確立に向けた取り組みについても「評価できる」との判断を国(原子力安全・保安院)から得ております。

  • 当社といたしましては、「企業倫理相談窓口の設置」(4月1日に設置済)をはじめとする「新たな不正防止策」を一つひとつ着実に実施していくことなどにより、これからも地域社会から安心と信頼が得られるよう努めていく所存です。

  • 地域社会からの信頼は、まさに、当社が存立するための最も大切な基盤であり、企業価値そのものと言うことができます。そして,この信頼関係を形づくる上で、原子力情報の公開は大変重要な要素であると考えています。

  • 当社といたしましては、そのような観点から、より良い情報公開のあり方を目指しておりますので、委員の皆さまには、忌憚ない議論を賜りますようお願い申し上げます。

【出席委員の方々の主なご発言】

  • 情報提供のスピードやタイミング,情報の加工度については,有事と平時をはっきりと分けて考えるべき。一般の方々に原子力に対する潜在的な恐怖感があることを前提とすれば,社会一般に話題となるレベルの事象はすべて有事と考えるべき。有事のときは迅速かつできるだけ加工せずに情報を公開することが信頼につながる。平時の時は要点をまとめた上で,適宜,必要と考えたときに情報提供を行えばよい。

  • 社会一般に話題となるレベルの事象をすべて有事と考える場合,ある事象が発生したとき,早い時点でそれが有事かどうかを見極めることは難しい。有事だったのか,そうではなかったのかは,結果として分かること。無用の混乱を避けるためにも,情報を出す側があらかじめ,ある程度,事象のランク付けをしておくことは必要である。

  • 社会一般に話題となるレベルの事象をすべて有事と捉えるのであれば,国際評価尺度でいう「評価対象外」の事象も有事となり得る。こうした「評価対象外」の事象について,東北電力で独自にランク付けして公表することを考えてはどうか。

  • トラブル時においては,第一報では迅速かつ加工しない情報提供,第二報以降では詳細な分かりやすい情報提供,といった観点での対応が必要である。

  • 情報提供の対象と手段についても,有事と平時に分けて考えるべきである。有事はマスコミ等を通じて,広く伝えていくことに重点を置き,平時には直接,住民に情報を伝達していくという対応で良いのではないか。

  • 有事であろうが,平時であろうが,信頼関係を崩さないためにも,地元への対応は一定のものとすべきである。

  • 公開する情報の範囲について,情報を出す側が,ある程度情報の選別を行うことは必要であるが,これには,情報を受け取る側との間に信頼関係があることが前提である。いろいろと試行錯誤を繰り返しながら,より良い情報公開のあり方を見出していくべき。

  • 「百聞は一見にしかず」というが,施設見学は平時の情報提供の手段として有効である。現地に行って自分の目で確かめ,その後,皆で話し合うことで,原子力の理解へとつながる。

以 上