4月定例社長記者会見概要

平成15年4月24日

○平成14年度電力需給実績の概要について

 本日、私からは、平成14年度の電力需給実績の概要について、需要実績の概要を中心にご説明させていただきます。

 平成14年度の販売電力量は、電灯・電力合計で742億5,500万kWhとなり、対前年比では102.4%の実績となりました。

 年度当初には、ほぼ前年度並みの水準になるものと予想しておりましたが、2年ぶりに前年度を上回る実績となり、年度実績といたしましては、平成12年度の745億1,400万kWhに次いで、2番目に高い水準となりました。

 これを用途別にみますと、電灯・業務用電力につきましては、前年度に比べて、夏場の暑さが厳しかったことや、寒波の到来が早かったうえに、冬場も厳しい寒さが続いたことから、冷暖房需要が増加したことなどにより、それぞれ前年実績を上回りました。

 なお、この冷暖房需要の増加が販売電力量に与えた影響について試算してみますと、前年との比較では6億kWh程度上乗せになり、平成14年度の対前年伸び率2.4%のうち、約1/3程度を占めているものと推定しております。

 次に、産業用需要につきましては、年度当初の見通しでは、需要の低迷が年度の後半まで続くのではないかと見込んでおりましたが、大口電力の実績をみますと、5月にはプラスに転じており、全国合計と比べて、2か月早い立ち上がりを示しました。また、前年割れの期間も、全国の17か月連続に対して、当社では11か月間と6か月も短くなっております。

 このように、予想よりも早く、回復の動きをみせた要因といたしましては、年度初めから鉄鋼の輸出向け生産が増加したことに始まり、これに続いて、非鉄の電子部品向けや化学などの素材型業種での生産が順次立ち上がったことがあげられます。
 また、夏場以降は、東北の主力産業であります電気機械において、操業水準が遅れ馳せながら徐々に上がってきたこともあげられます。

 この結果、大口電力合計としては、対前年比で103.0%となり、こちらも2年ぶりに前年を上回る実績となりました。

 一方、最大電力と日電力量の状況について申し上げますと、最大電力、日電力量ともに、13年度の実績は上回ったものの、12年度に記録いたしました過去最大の更新には至りませんでした。

 電力需要は、気象の変化による冷暖房設備の稼動状況により大きく影響を受けますが、ご参考までに申し上げますと、当社の場合、夏場において気温が1℃変化することに よる最大電力への影響量は40万kW程度となっております。

 以上が、平成14年度の電力需要実績の概要でありますが、東北地域の経済動向をみますと、製造業を中心に設備投資が依然として低迷しており、また、個人消費や住宅投資も厳しい雇用情勢や所得環境を反映し、弱含みで推移している状態は変わっておりません。

 また、産業用需要は、輸出の動向など外需に依存する部分が大きい中で、イラクの戦後処理問題の影響などがあり、海外経済の先行きも不透明なことから、今後の需要動向について、先行きを予想するのは難しい面もありますが、情報収集を行いながら慎重に見極めてまいりたいと考えております。

 

○女川原子力発電所1号機の運転再開について

 最後になりますが、女川原子力発電所1号機の状況について申し上げますと、現在、ひびが確認された原子炉再循環配管を切断し、ひびの実測作業を進めているところであります。切断した個所については、既にお知らせしておりますとおり、すべて新しい配管に交換してまいります。

 この配管の交換作業は順次実施中で順調に進んでおり、6月上旬頃には終了できるのではないかと考えておりますが、その後も、定期検査の最終段階における各種点検や検査を予定しております。こうした今後の工程について、標準的な作業工程を考えてまいりますと、7月下旬には運転再開が可能となる見通しであります。

 当社といたしましては、ぜひとも夏場のピーク前には立ち上げたいと考えており、今後、運転再開に向けて、再循環配管やシュラウドに関する点検内容とともに、信頼回復に向けた取り組み状況等につきまして、地元の皆さまに十分ご説明してまいりたいと考えております。

 本日、私からは以上であります。