国際協力事業団(JICA)開発調査「ベトナム北部地域における再生可能
エネルギーによる地方電化計画フォローアップ調査」の受注について

平成15年3月10日

 当社は、このたび、国際協力事業団(以下「JICA」)がベトナムにおいて実施する開発調査「北部地域における再生可能エネルギーによる地方電化計画フォローアップ調査」を受注しました。
 本件は、当社がコンサルティング会社のプロアクトインターナショナル株式会社(本社:東京都 代表取締役 大瀧 克彦氏)と共同で応募したものです。

 べトナムでは、現在、送配電線網整備による地方電化計画を進めています。しかし、山岳地域などは、電力需要密度が低く送配電線網整備に採算性がないことから、今後とも電化の見通しが立たない地域が残っており、このような地域を電化することが重要な課題のひとつとなっています。

 本調査は、平成13年に実施した「ベトナム北部地域における再生可能エネルギーによる地方電化計画マスタープラン調査」の調査結果に基づき、送配電網整備が困難な北部地域における地方電化促進のため、小水力発電所を現地に建設、運転することにより、技術・ノウハウの支援を行うことを主眼としています。
 本調査では、10kW未満程度の小水力発電所を、全てベトナム国内で調達可能な製品で建設、運転することにより、同国が将来、自らの力で地方電化を進めることが可能となるよう目指しています。
 また、今回の電化事業を通じて、モデルプランとしての実現性及び持続可能性を実証するとともに、電化計画から設備施工、メンテナンスまでの地方電化技術・ノウハウを現地へ移転し、地方電化プロジェクトを促進するための組織制度、資金調達スキームに関する国レベルの政策について提案を行うこととしています。

 なお、当社は、ベトナムにおいて、これまでも当社企業グループの株式会社ユアテック(本社:仙台市 取締役社長 大和田 泰夫氏)、東北発電工業株式会社(本社:仙台市 取締役社長 須藤 義悦氏)とともに、ベトナム電力公社(EVN:Electricity of Vietnam、本社:ハノイ市)との間で「相互交流に関する覚書」を締結し、技術者の派遣・受入や、「太陽光・風力発電ハイブリッドシステム実証試験」共同実施などの事業を展開してきました。

 これらの取り組みを通じて、ベトナムの電気事業の継続的発展に寄与するとともに、海外における分散型電源開発に関するノウハウ等を蓄積し、今後の事業展開に生かしていきたいと考えています。

以 上

 

<参 考>

「ベトナム北部地域における再生可能エネルギーによる地方電化計画フォローアップ調査」概要

1.発注者  国際協力事業団(JICA)

2.受注者  東北電力株式会社とプロアクトインターナショナル株式会社の共同企業体

3.調査の目的
 送配電網の整備が困難なベトナム北部地域における地方電化促進を目指した、小水力発電所の建設、運転を通じた技術・ノウハウの支援

4.調査対象  ベトナム北部17省
        うち1個所で電化事業を実施

5.調査期間 平成15年3月より1年間

6.ベトナムの地方電化率

ベトナムの地域別電化率(2001年度)
地 域
総 数
電化済
電化率
北部山岳部
2,636 1,709 64.8%
紅河デルタ
1,388 1,388 100.0%
中部沿岸(北部)
1,632 1,419 86.9%
中部沿岸(南部)
810 713 88.0%
中部高原
501 389 77.6%
南東部
402 401 99.8%
メコン河デルタ
1,202 1,200 99.8%
合 計
8,571 7,219 84.2%

 

以 上