第2回「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」の開催結果について

平成14年12月20日

 当社は、本日、「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」の第2回会合を開催いたしましたので、その概要について以下のとおりお知らせいたします。
 標記顧問会議は原子力に関する情報公開のあり方や「女川原子力発電所における自主点検作業の適切性確保に関する総点検調査」に関する調査プロセスの妥当性・公正性、ならびに不正防止策などについて、社外の有識者の方々より助言いただくことを目的に設置したものです。なお、第3回会合につきましては、平成15年1月下旬に開催を予定しております。

【第2回「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」 開催結果の概要】

●開催日時
平成14年12月20日(金)午後1時 〜午後4時
●開催場所
女川原子力発電所
●出席者
別紙のとおり
●議事概要

(1)「自主点検作業の適切性に関する総点検調査」の方法とプロセスに関する説明
(2)「自主点検作業の適切性に関する総点検調査」の調査状況の確認
(3)原子力情報公開のあり方についてご意見拝聴

 なお、出席委員の方々には、本会議の議事とは別に、女川原子力発電所1号機において9月8日から実施している定期検査の状況についてもご見学いただきました。
 岡田副社長の挨拶要旨および出席委員の方々からの主なご発言は、以下のとおりです。

【副社長挨拶要旨】

  • (第1回で社長の幕田が申し上げましたように)地域社会からの信頼は、当社存立の最も大切な基盤であり、地域社会との不断の情報の共有をとおした共感の形成によって、より強固なものになると考えています。
  • このほど、宮城県、女川・牡鹿両町等、関係自治体との協議が整い、女川原子力発電所の定期検査・自主点検に係る報告と公表について新たなルールを導入し、その運用を開始しました。
  • 原子力に係る情報は、高度でかつ専門的な技術情報を含むため、どこまで、どのような形でお出しすることが地域社会の求めに適うことになるのか、当社としても試行錯誤を繰り返している現状にあります。
  • 委員の皆さまには、情報の受け手としての立場から、解かり易い情報公開のあり方、あるいは、原子力に係る情報の社会的な理解度を高めていくための情報公開のあり方などについて、忌憚のないご意見・ご助言を賜りたいと考えています。

【出席委員の方々の主なご発言】

  • 原子力発電は巨大なシステムであり、いろいろな不具合が発生するのは当たり前のことである。起こった事を一つひとつ克服して、次に起こらないように努力していることを伝えていくことが大切であり、その積み重ねが「安心感」の醸成につながる。
  • 「分かりやすい説明」と言うが、これは「言うは易い」が、現実は難しい。どういう言い方が分かりやすいのか研究し、説明のプロを育成することも重要である。
  • 「信頼関係」とは、平時のときには決して崩れず、トラブルなど有事の際に崩れるものである。有事のときにどう対応するかという危機管理の対応に重点を置くべき。
  • 情報公開の範囲を広げ、積極的に公開していこうとする姿勢は評価できる。ただ、セキュリティーに関する情報などを除き、原則的に提供を拒まないという姿勢が必要ではないか。
  • 一般論として、原子力が危険なものと受け取られていることを、認識することが必要。
  • 情報公開だけで「安心」は生まれない。「こうなったので、このようにしたから大丈夫」というやり取りの繰り返しが、住民の安心につながると考える。
  • 情報公開の新ルールで、公表範囲と月1回まとめて公表することは妥当である。しかし、月末締めの情報の公表が翌月の中下旬では遅いのではないか。早い公表に向け、努力すべき。
  • 受け手が理解できない情報は、いくら公開されても意味がなく、「安心」や「信頼」にはつながらない。受け手の立場に立ち、受け手に理解される情報とはどのようなものか、電力会社は研究する必要がある。

以 上