女川原子力発電所 定期検査・自主点検に係る情報公開について
〜公開範囲を拡大し、わかりやすさを重視した新方式による情報公開を開始〜

平成14年11月18日

 当社では、原子力発電所の自主点検に係わる一連の事象を踏まえ、現在、原子力に関する情報公開のあり方等について検討をすすめておりますが、女川原子力発電所の定期検査および自主点検について、新たな方式による情報公開を開始することといたしました。

 新方式は、これまでの公開範囲を拡大し、定期検査(国が実施)・自主点検(当社が実施)の過程で見つかった「ひび」や「傷」等の状況や安全評価等の所見も含めて、宮城県、女川町および牡鹿町等の関係自治体(*1)(以下、「関係自治体」)に対し報告するものです。また、報告後には、その内容をプレス発表するとともに当社ホームページや当社原子力情報コーナー(当社本店および女川PRセンター[宮城県牡鹿郡女川町]に設置)においても公開することといたします。

 具体的には、定期検査実施期間中は、定期検査・自主点検の進捗状況のほか、安全上重要な系統・機器(*2)にトラブルには該当しない「ひび」や「傷」等の軽度な事象が見つかった場合には、これらの所見をとりまとめ月1回程度「定期報告」として関係自治体に報告いたします。また、報告後はプレス発表・ホームページでも公開することとしております。
 一方、定期検査終了時には、定期検査・自主点検の実施状況について、その過程で見つかった「ひび」や「傷」等の状況およびこれらの最終的な評価等の所見を含めて「定期検査・自主点検報告書」(以下、「報告書」)を作成します。また、実施状況をより詳しくご理解いただくために、国の最終検査終了後に、発電所において当社から関係自治体に対して、報告書に基づき説明を行うとともに、これにあわせて、発電所の現場において運転状況等をご確認いただくこととしております。さらに報告書の概要については、プレス発表とホームページでの公開を行うこととしており、報告書については、当社原子力情報コーナーにおいても縦覧いたします。なお、原子力情報コーナーでは書面によるご質問についても受け付け、後日ご回答することとしております。

 これらの情報公開にあたっては、専門用語をできるだけ使わずに、わかりやすい表現とするよう努めるとともに、報告書では安全上重要な系統・機器か否か、定期検査か自主点検かの区分をつけるほか、実施状況や所見については、できるだけ平易に記載するように工夫することとしております。

 新方式による情報公開は、9月8日より実施中の1号機の定期検査・自主点検を対象に、今月から運用を始めることとしており、今後、2号機・3号機についても順次適用することとしております。

 また、新方式による情報公開の実施にあたり、現在、宮城県および女川町・牡鹿町との間で締結している安全協定の見直しを進めております。
 具体的には、安全協定書において当社が情報公開を積極的に行う旨の条項を加えることとしており、具体的な手続き等について、今後、関係自治体との間で調整していくことになります。

 当社では、現在、原子力発電に対する信頼がかつてないほど大きく揺らいでいることを重く受け止め、これまで以上に積極的な、かつ、より分かりやすい情報公開に努め、地元の皆さまの安心につなげてまいりたいと考えております。

 新方式による情報公開の概要については別紙のとおりです。

 

以 上

(*1)「関係自治体」

宮城県、女川町、牡鹿町、石巻市、雄勝町、河北町

(*2)「安全上重要な系統・機器」

「安全上重要な系統・機器」とは、原子炉圧力容器や再循環配管等,高温高圧で運転される系統・機器(原子炉冷却材圧力バウンダリ)と原子炉圧力容器に内包されるシュラウド等の炉内構造物,非常用炉心冷却装置です。

(別紙)情報公開概要について

(参考1)報告書記載例

(参考2)協定書見直案