第1回「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」
の開催結果について

平成14年11月12日

 当社は、本日、「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」の第1回会合を開催いたしましたので、その概要について以下のとおりお知らせいたします。

 標記顧問会議は原子力情報公開のあり方や「女川原子力発電所における自主点検作業の適切性に関する総点検調査」に関する調査プロセスの妥当性・公正性、ならびに不正防止策などについて、社外の有識者の方々より助言いただくことを目的に設置したものです。なお、第2回会合につきましては、12月下旬に開催を予定しております。

【原子力の安全と信頼に関する顧問会議 開催結果の概要】

●開催日時
平成14年11月12日(火)午後3時〜5時30分
●開催場所
ホテル仙台プラザ「けやき」
●出席者
別紙のとおり
●概 要

 会議では、当社 幕田社長からの挨拶の後、引き続き当社より、一連の原子力問題をめぐる経緯および当社の対応状況、ならびに女川原子力発電所における自主点検に係る調査の方法とプロセスについて説明を行い、その後、出席委員の方々よりご意見を拝聴いたしました。このうち、「自主点検に係る調査の方法とプロセスについては、原子力部門以外の社員によるけん制も働かせながら、妥当な手順で進められている」との評価をいただいております。
 なお、本会議における社長の挨拶要旨および出席委員の方々からの主なご発言は、以下のとおりです。

【社長挨拶要旨】

  • 電気事業が電力自由化を迎え大きな転換期に直面するなか、地域社会からの信頼は、当社存立の最も大きな基盤と認識しており、地域社会との情報の共有化や共感をとおして信頼関係の強化につなげたいと考えています。
  • 宮城県、女川・牡鹿両町との間で、現在実施中の女川発電所1号機の第15回定期検査に係る報告と公表のあり方について協議を進めており、まもなく、これまでより幅広くかつ解かり易い情報公開の方法が、試行的に実施される予定です。
  • 当社といたしましては、原子力発電所に関しては、このような試行的な取り組みを手始めに、今後、運転中の情報の取扱いについても検討してまいりたいと考えており、委員の皆さまからは、情報の受け手の立場あるいは原子力に関する「社会的な安心」を高めていくとの観点から、忌憚のないご意見・ご助言をいただければと思います。
  • 皆さまからいただくご意見・ご助言については、個別に取り入れさせていただくことは勿論、当社全体の企業革新へのご示唆として受け止め、今後の業務運営に反映してまいりたいと考えております。

【出席委員の方々の主なご発言】

  • 自主点検調査の実施にあたっては、問題があれば、そこから教訓を得て、次へとつなげていくという基本的スタンスを明確にして、調査にあたるべき。

  • 自主点検調査がダブルチェックの体制で行われていることはよく分かったが,「人は嘘をつく」と言う性悪説に立った調査も必要。我々委員としても、現地を見て確認したい。

  • 今回の事象で問題なのは、何が「危険」で何が「危険でない」のかがよく分からないこと。基準がしっかりとしていて、事前に示してもらっていれば何ら問題のなかったこと。基準があいまいなために大騒ぎされると、住民は不安になる。基準づくりをしっかりと進めてほしい。

  • 国民の関心事の一つは「最も恐れていることを電力事業が打ち消してくれること」。ジェイ・シー・オーでは自主判断が横行し、安全無視へエスカレートした結果,大事故につながった。国民のもう一つの関心事は「最も知りたいことを教えてくれること」。シュラウドのひびが安全なのかという安全保証、これが求められている。

  • 安全宣言をしても安心にはつながらない。安全は回復できても、安心はなかなか回復できない。この会議が安全と安心の差を埋め、安心の醸成につなげる役割を担うものとなってほしい。

以 上