オーストラリアにおけるIPP事業への参画について
〜海外投資業務の効率的管理運用を行う子会社も設立〜

平成14年9月25日

 当社は、このたび、オーストラリア・クイーンズランド州で実施しているミルメラン石炭火力IPP事業に出資参画することといたしました。

 今回、当社は、本事業に出資している投資子会社のひとつを丸紅と共同で所有、運営することにより参画するもので、当社としては初めての海外IPP事業への参画となります。

 本事業は、世界有数のデベロッパーである米企業インタジェン、海外で豊富なIPP事業実績のある丸紅他の出資により、クイーンズランド州・ミルメランに石炭火力発電所を建設、運営するものです。ミルメラン発電所は、84万kW(42万kW×2基)の超臨界圧石炭火力で、平成11年8月から建設を開始しており、現在、試運転中であります。

 オーストラリアでは、クイーンズランド州を含む4つの州とひとつの地域により、NEM(National Electricity Market)と呼ばれる電力プール市場が構築されており、この市場を通じてオーストラリア全体で865万の需要家の内770万に対し電力を供給しております。ミルメラン発電所で発電する電力についても、全量をこのプール市場に供給し、売電・取引されます。

 このため、当社にとっては、今回の参画により、自由化市場におけるIPP経営・運営ノウハウ、電力市場取引ノウハウの取得が期待でき、今後、自由化が進展していく国内の電気事業において、このノウハウをフィードバックすることにより、当社の一層の競争力強化につながることから、意義のある事業であると考えております。

 また、事業参画に際しては、現地に当社社員を派遣して技術的な支援を行うこととしており、ミルメラン発電所と同じく、超臨界圧石炭火力である当社原町・能代火力発電所の建設や運転経験にもとづく技術的知見を提供することにより、発電効率の向上を図り、本事業の収益性向上に貢献したいと考えております。
 当社としても、海外のIPP発電所の設備構成や設備建設に関する知見、検査・部品交換の手法など運営・保守に関するノウハウ等を取得できるというメリットが期待できます。さらに、インタジェン他の事業の経営層とIPP経営に関する定期的な情報交換等を通じて、自由化市場での様々なIPPノウハウを蓄積していきたいと考えております。

 一方、当社は、今年10月、海外IPP事業への投資業務を行う会社として、オランダに当社100%出資子会社「トーホク・パワー・インベストメント・カンパニー『TPIC』」を設立いたします。今回は、このTPICを通じて、本事業に出資している丸紅所有の投資子会社のひとつである「MIC−Y(ミック−シックス)」に、当社が約30億円を出資し、丸紅と共同でMIC−Yを所有、運営することによりIPP事業に参画するものです。
 このTPICの設立により、配当金の効率的な管理運用、為替変動リスクの回避が可能になるとともに、海外で会社を設立、運営する際の手法を取得することとしております。

 当社はこれまで、海外コンサルティングの受注など海外事業に関わる検討を積極的に行ってきておりますが、今回の海外IPP事業への参画をモデルケースとして、実際のIPP事業を通じて得られる様々な知見等を生かしつつ、今後の海外事業展開について、さらに検討を深めていきたいと考えております。

 なお、ミルメラン石炭火力IPP事業および当社出資子会社の概要は別紙のとおりです。

以 上