カザフスタン共和国の火力発電設備に省エネ技術を導入 〜NEDO「省エネモデル事業」を通じて、海外事業に係わるノウハウを取得〜 |
平成14年9月12日 当社はこのたび、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)が既にカザフスタン側と基本協定を締結した「国際エネルギー使用合理化対策事業 国際エネルギー消費効率化等モデル事業(以下省エネモデル事業)」を受託し、具体的な取り決めとなる協定付属書の調印を執り行うこととなりました。 「省エネモデル事業」は、日本において既に実用化されている省エネルギーに関わる技術を、開発途上国の設備に導入し、実証試験を通してその技術を定着、普及させることを目的に、NEDOが実施しているものです。 本プロジェクトの具体的内容は、カザフスタン共和国・西カザフ州のウラルスク市にある天然ガスを燃料とする火力発電所において、既設のボイラに代えて、当社が提供する2万5千kW級の高効率ガスタービンとガスタービンからの高温な排熱を利用して蒸気を発生する排熱回収ボイラを新たに導入し、熱効率を約50%から70%程度まで向上させるほか、既設の蒸気タービンと組み合わすことにより、コンバインド化を図り、発電効率を高めるものです。 西カザフ州では、現在、電力の大半を隣国であるロシアからの輸入に頼っておりますが、本事業により発電所の総出力がアップするため、送電網による電力自給率がこれまで20〜30%であったものが、70%程度まで大幅に高まる見通しとなっております。また、燃料消費量が年間にして2万9千トン程度削減でき、CO2の発生量低減にもつながることから、地球環境問題の観点からも、意義深いプロジェクトであると考えております。 また、当社では、具体化調査の中でNEDOからの依頼により、カザフスタン共和国へのCO2排出削減クレジットに関わる申請、提出等に係わる業務を実施したため、排出権移転の手続きに関わるノウハウを獲得することができ、今後の海外事業における新たなプロジェクトに活用できるものと期待しております。 これまで当社は、海外における火力発電設備の建設工事に関するノウハウを取得するため、NEDOが平成12年度に公募した「省エネモデル事業可能性調査」にカザフスタン共和国への省エネ技術の導入について応募し、受託しており、また、平成13年度にも「同実施具体化調査」を引き続き受託し、実現に向けた詳細な調査を実施してきております。 一方、当社におきましては、昭和59年に、国内では初となる大容量高効率コンバインドサイクル発電プラントを東新潟火力発電所3号系列に導入するとともに、東新潟火力発電所4−1号系列においては、世界最高水準の熱効率を達成するなど、ガスタービン技術については、国内外において先駆的な役割を担ってきた実績があります。 本事業は、こうしたコンバインドサイクル発電の計画から建設、運転を通して培った知見や高い技術力、さらには2年間にわたる事前調査での実績が、このたびの受託につながったものと考えております。 本事業の実施期間は、今年度から平成18年3月末までとなっております。今後、平成15年に当社の建設事務所を現地に開設した後、ガスタービンや排熱回収ボイラなどの主要機器をカザフスタン共和国に提供し、平成16年7月から機器の据付工事を開始、平成17年から実証試験を開始していく予定としております。 なお、今月20日には、現地において、本事業の具体的な取り決めとなる協定付属書の調印式が当社とカザフスタン側の実施主体となるジャイクテプロエネルゴ社(JTE社)との間で、執り行われる予定としております。 カザフスタン共和国における、本「省エネモデル事業」の事業概要ならびに関係組織概略図については、別紙のとおりです。 以 上 |