女川原子力発電所2号機 原子炉手動停止の原因と対策について

平成14年6月25日


 すでにお知らせしておりますとおり,当社,女川原子力発電所2号機(沸騰水型軽水炉,定格出力82万5千kW)は,定格出力で運転中のところ,原子炉再循環ポンプ(注1)(A)軸封部(メカニカルシール)(注2)のシール室(シールキャビティ)圧力に低下傾向が認められ監視強化をしておりましたが,6月19日より圧力低下傾向が増大したため,当初予定していた中間停止計画を早めて当該軸封部を取り替えることとし,6月21日に原子炉を停止して調査を行ってまいりました。その結果がまとまりましたのでお知らせいたします。

1. 原因について
 調査の結果,第二段メカニカルシールのシートリングのシール面に微小な傷が認められました。原因は,微細な異物が軸封部に混入したため,シール面に傷がつき,シール室圧力が低下したものと推定されます。

2. 対策について
 当該ポンプの軸封部を新品に取り替えるとともに,作業に当たっては,従来から実施している異物混入防止対策を引き続き実施し,異物混入の防止に努めることといたしました。

 なお,原子力安全・保安院による国際原子力評価尺度(INES)暫定評価では0−(安全に影響を与えない事象)とされております。

今後,原子炉再循環ポンプの復旧および健全性を確認した上で運転を再開する予定です。


以 上


(注1)
原子炉再循環ポンプとは,原子炉内の冷却材を循環させるためのポンプで,回転数を変えることにより冷却材流量を調整し,原子炉出力を増減させます。
(注2)
軸封部(メカニカルシール)とは,ポンプ内部の水が軸を通してポンプ外部に出ないようにするために設けられている部品です。


系統概略図
軸封部拡大図