女川原子力発電所1号機の原子炉設置変更許可を申請
〜残留熱除去系の蒸気凝縮配管を撤去〜

平成14年6月21日

 当社は本日、女川原子力発電所1号機残留熱除去系の蒸気凝縮配管の撤去工事実施にあたり、「女川原子力発電所 原子炉設置変更許可申請書(1号原子炉施設の変更)」を経済産業大臣あてに提出いたしました。

 当社は、平成14年5月13日付で原子力安全・保安院より沸騰水型原子炉を保有する電力会社に指示のありました「中部電力株式会社浜岡原子力発電所1号機の余熱除去系※配管破断に関する再発防止対策について」および「沸騰水型原子炉施設における制御棒駆動機構ハウジングスタブチューブ下部溶接部の点検について」に基づき、女川原子力発電所の再発防止対策等を検討し、その検討結果について6月7日に原子力安全・保安院に報告しました。

 余熱除去系配管破断に関する再発防止対策としては、平成14年9月上旬より実施予定の第 15回定期検査で、類似配管である女川1号機の残留熱除去系蒸気凝縮配管を撤去(蒸気凝縮機能の削除)することとしております。また、残留熱除去系蒸気凝縮配管以外で高濃度の水素が滞留する可能性のある個所(1〜3号機合計で7個所)について、一層の信頼性向上の観点から、水素を抜くための配管の追加など水素滞留を防止するための設備変更を至近の定期検査で実施することとしております。
 一方、制御棒駆動機構ハウジング部からの漏えいについては、女川1号機では、スタブチューブ下部溶接部に浜岡1号機と同一の溶接金属を使用し、同様の溶接施工方法を採用していることから、平成16年3月より実施予定の第16回定期検査で同溶接部のき裂の有無について点検することとしております。

 以上の対策のうち、蒸気凝縮機能を削除することは原子炉施設の基本設計の変更にあたることから、国の許可が必要となります。このため、本日、必要な安全規制上の法手続きの一環として原子炉設置変更許可申請を行ったものであります。

 なお、女川2・3号機では、残留熱除去系蒸気凝縮配管はなく、またスタブチューブ下部溶接部には異なる材質を使用しております。

 申請の概要につきましては、以下のとおりです。

1.申請の概要

(1)申請年月日 平成14年6月21日
(2)変更の項目 女川原子力発電所1号機の残留熱除去系の蒸気凝縮機能を削除する
(3)工  期 女川原子力発電所1号機第15回定期検査(平成14年9月上旬より実施予定)で実施

<女川原子力発電所1号機の概要>

・所在地   宮城県牡鹿郡女川町および牡鹿町
・電気出力  52万4千キロワット
・原子炉形式 沸騰水型軽水炉
・運転開始  昭和59年6月1日

以 上



電力会社によって残留熱除去系、余熱除去系と2つの呼び方がありますが、同じ系統のことです。


残留熱除去系蒸気凝縮機能概要図