女川原子力発電所2号機
復水流量計配管付け根部からの水漏れの
原因と対策について

平成14年3月25日

 当社、女川原子力発電所2号機(沸騰水型:定格出力82万5千キロワット)は定期検査中のところ、3月7日9時42分頃,パトロール中の社員がタービン建屋地下1階の床に水漏れを発見いたしました。確認の結果、復水流量計配管付け根部からの水漏れであることが判明し、10時39分に水漏れは停止しました。
 なお,漏れた水の放射能濃度は検出限界値未満であり,外部への放射能の影響はありませんでした。

(3月7日発表済)

 調査の結果,復水系母管に取り付けられた復水流量計のA側の2本の配管付け根部外周に長さ約8cmの線状のき裂が認められました。また,当該配管付け根部に溶接溶け込み不足があり,割れはこの部分を起点に内表面から外表面に進展し貫通割れに至っていることが確認されました。
 割れの原因は,当該配管付け根部の溶接施工時に溶接溶け込み不足が生じ,当該溶接部の疲労強度が減少したこと,および給復水系の運転に伴って発生する配管振動により当該溶接部に繰り返し応力がかかったことによって生じたものと推定されます。
 以上のことから対策として,当該の復水流量計A側の配管を撤去し,A側に取り付けていた計器を振動影響のより少ないB側の配管から分岐して取り付けることとしました。また,復水流量計にB側の配管を取り付ける溶接作業時には,溶接の健全性を十分確認することとしました。
 さらに,プラントメーカーに対して溶接部の施工に当たっては,初層溶接後の目視点検を実施する等の注意事項を社内基準に反映するとともに周知徹底を行うよう指導することとしました。
 なお,他の類似箇所についても,念のため溶接部の健全性を確認することとしました。

 今回の原因と対策については,本日,経済産業省原子力安全・保安院に対して報告書を提出いたしました。

 なお,原子力安全・保安院による国際原子力評価尺度(INES)暫定評価では0−(安全に影響を与えない事象)とされております。

以 上


女川2号機概略系統図(漏えい個所詳細図)