MARK−T改良型の格納容器を採用
女川原子力発電所3号機では、1号機で採用しているフラスコ型の格納容器である「MARK−T型」に比べ、2号機同様、作業を行うためのスペースをより広くとっている「MARK−T改良型」の格納容器を採用しております。
これにより、定期検査時における格納容器内の作業効率の向上を図ることができます。
タービンの熱効率向上のため、湿分分離加熱方式を採用
発電に利用する蒸気については、タービンの羽根を痛めないよう湿気を除去する必要があり、女川1号機では高圧タービンと低圧タービンの間に湿分分離器を設置し、蒸気の湿気を取り除いております。
これに対し、3号機では、2号機同様、タービンの熱効率を向上させるため、湿分分離器で蒸気の湿気を取り除くとともに、高温の蒸気の一部を利用して、低圧タービンに送る蒸気を加熱する「湿分分離加熱方式」を採用しております。
放射性廃棄物の発生量を低減するため中空糸膜式復水ろ過器を採用
復水ろ過器は、復水に含まれるサビなどの粉末をきれいに除去する装置で、原子炉冷却水が放射能をおびることを防ぐ装置です。女川原子力発電所3号機では、2号機同様、従来の圧力プリコート式に代え、中空糸膜式の復水ろ過器を採用しております。
従来の圧力プリコート式復水ろ過器は、ろ過助材として樹脂を使用しておりましたが、3号機で採用する中空糸膜式の復水ろ過器は、樹脂を使用していないため使用済樹脂の発生はなく、かつ中空糸膜は焼却できることから、放射性廃棄物の発生量を大幅に低減できるものであります。
さらに、女川原子力発電所3号機として新たに採り入れた主な設備は次のとおりです。
保守性向上のため、海水熱交換器建屋を採用
女川原子力発電所3号機では、新たに海水熱交換器建屋を設置し、この中に発電所各機器に供給する冷却水を海水で冷やす装置である海水熱交換器を集中配置しております。これにより、同様の設備を原子炉建屋内およびタービン建屋内に設置している2号機と比較し、海水配管の長さを縮小させ、保守性の向上を図ります。
空間スペース有効活用のため、復水貯蔵槽を採用
女川原子力発電所2号機では、発電所の運転に必要な原子炉水を屋外に設置したタンクに貯蔵しておりますが、3号機については、海水熱交換器建屋の採用による原子炉建屋の空間スペース有効活用のため、原子炉建屋内に復水貯蔵槽を設置しております。
3号機の見学コースに「シースルー方式」を採用
女川原子力発電所3号機の見学コースは、放射線管理区域外から発電所内部を見学できる「シースルー方式」を採用しております。1・2号機の主要設備を見学する際には、放射線管理区域に入るため、必要な服装に着替えていただく必要がありますが、3号機では、ご来所いただいた服装のままで所内をご見学いただけます。
また、見学コース内には4箇所の見学者用ギャラリー*を設置し、ガラス越しに各施設をご覧いただけます。さらに各ギャラリーにはネットワーク化されたプラズマディスプレー(音声付の静止映像機器)を備え付け、原子力発電所の仕組みや安全性等について、静止画像や音声により分かりやすくご説明できるようになっております。
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