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平成13年11月1日
当社は、このたび、日本ガイシ㈱および関係会社の㈱ユアテック、通研電気工業㈱、東北発電工業㈱との共同で、お客さま設置用ナトリウム硫黄電池（ＮＡＳ電池）の実証試験を開始いたしました。
ＮＡＳ電池は、一般に使用されている鉛電池に比べて、エネルギー密度が高く高効率で長期耐久性も優れているなど負荷平準化機器として開発が進んでおり、さらにお客さま設備への設置や非常用電源、瞬時電圧低下対策用設備としての設置など多目的利用について検討が進められております。
今回設置したＮＡＳ電池の容量は２００ｋＷ級（電池容量１，５００ｋ Ｗｈ）で、通研電気工業㈱の本社ビルに屋外設置し、実証試験では、ＮＡＳ電池システムの機能・経済性・負荷平準化効果の検証を行うとともに、瞬時電圧低下時の停止抑制制御方式および遠隔監視制御システムの検証を行い、お客さま設置用としての有効性を検証することとしております。
今回採用した瞬時電圧低下時の停止抑制制御方式は、当社と㈱日立製作所が共同で開発を進めているもので、雷事故時等の瞬時電圧低下発生時、ＮＡＳ電池の停止回数を低減できる新制御方式で、日本で初めて実証試験を行うものであります。
また、遠隔監視制御については、通研電気工業㈱との共同研究により開発したものであり、㈱ユアテック人材開発センターにおいて集中監視制御を行うほか、東北発電工業㈱、当社研究開発センターへ運転状態の情報を配信することとしております。
実証試験は、平成１７年１０月まで行うこととしており、運転研究等のデータを解析・評価し、経済性・信頼性・運用性を検討するとともに、ＮＡＳ電池設置に伴うメリットの評価を行うこととしております。
以 上
お客さま設置用ナトリウム硫黄電池（ＮＡＳ電池）の実証試験概要
１．実証試験期間 平成１３年１０月２６日から平成１７年１０月まで
２．設備設置場所 通研電気工業株式会社 本社ビル（屋外設置）
（仙台市泉区明通三丁目９番）
３．電池仕様
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種 類 ナトリウム硫黄電池 |
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定格出力 ２００ｋＷ |
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電池容量 １,５００ｋＷｈ |
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充放電効率 ８３％
（直流端、１サイクル／日、保温エネルギーを含む） |
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電池構成 ５０ｋＷ／３７５ｋＷｈモジュール×４台 |
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単電池本数 ３２０本×４＝１,２８０本 |
４．研究項目
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お客さま設置用ＮＡＳ電池システムの設計研究 |
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負荷追従運転や最適運転パターンなど負荷平準化に対応したお客さま設置用ＮＡＳ電池システムについて研究する。 |
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ＮＡＳ電池システムの運転研究 |
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基本性能試験 |
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電池の容量、エネルギー効率、待機損失等の試験を行い電池の基本性能を把握する。 |
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a. |
電池容量試験 |
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定期的に充放電試験を行い、電池容量の変化を把握する。 |
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b. |
エネルギー効率試験 |
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基本運転パターンや負荷追従運転による充放電を行い、エネルギー効率を評価するとともに、長期運転特性を評価する。また、試験データからお客さまに合った最適な運転パターンについて評価する。 |
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c. |
待機損失試験 |
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週末停止や夏期・年末の長期休暇等による長期放置による電池補機電力量を測定する。 |
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運用・保守・信頼性の検証 |
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システムの起動停止、各種運転パターンによる充放電試験、停止抑制制御方式の機能検証、保護システム試験を行い、運用・保守・信頼性の検証を行う。 |
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運転・保守技術の確立 |
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運転研究および保守点検の実施により、運転技術（無人運転対応）・保守技術等の運用ノウハウの蓄積を図る。また、遠隔監視技術の確立を行う。 |
| (3) |
ＮＡＳ電池システムの解析・評価研究 |
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運転研究等のデータを解析・評価し、経済性・信頼性・運用性を検討し、お客さま設置用ＮＡＳ電池システムとしての有効性を検証する。また、電力会社およびお客さまのＮＡＳ電池設置に伴うメリットを評価する。 |
５．実証試験スケジュール
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○ＮＡＳ電池の特徴
ＮＡＳ電池は、マイナス極にナトリウムを、プラス極に硫黄を、電解質に「ベータアルミナ」を用いております。
このベータアルミナは、ナトリウムイオン伝導性を持つファインセラミックスで、高性能で耐久性に優れた固体電解質であり、これによってプラス、マイナス両極を隔離しております。
ＮＡＳ電池は、鉛電池とは逆に、両極が液体、電解質が固体の電池です。 充放電反応を円滑に進行させるため、両極が液体となる高温(３００℃程度)に保持して充放電を行います。
ＮＡＳ電池は鉛電池に比べて、
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電池体積あたり約３倍ものエネルギーを蓄えることができ、コンパクト性に優れている。 |
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電解質が固体のため自己放電がない。 |
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電気抵抗の小さなベータアルミナを使用するため電池の充放電効率が高い。 |
などの特徴があります。
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お客さま設置用ＮＡＳ電池システム構成図
停止抑制制御方式の概要
以 上
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