新型耐雷機材「支持ピンがいし」および 「耐張耐雷ホーン」の開発・導入について 〜雷害対策の推進とコストダウンの実現〜 |
平成13年3月29日 当社はこのたび、高圧配電設備の雷害対策工事のコストダウンが可能な新型耐雷機材「支持ピンがいし」および 「耐張耐雷ホーン」を開発し、導入を開始いたしました。 雷は、電力設備を直撃した場合はもちろん、近辺に落雷した場合でも非常に高い電圧を発生することから 電力機材の破損や焼損による停電事故など電力の安定供給に大きな影響を与えるものであります。 当社の高圧配電設備においては、停電事故のおよそ3割が雷によるものであり、被害設備別に見た場合、 「変圧器」(高電圧から一般のお客さまにお使いいただきやすいように低電圧へ切り替えるための装置)と 「開閉器」(高圧配電線の電気の「入」・「切」を行うスイッチ)をあわせると全体の約5割を占めております。 この対策としては、主に耐雷機材の設置等の設備対策を行っておりますが、対象個所数が膨大であるため、 雷害対策のより一層の推進のためには、工事単価の低減が課題となっていました。 この課題解決を目的として、当社では、新たに、変圧器の耐雷機材として「支持ピンがいし」を、 開閉器の耐雷機材として「耐張耐雷ホーン」を開発し、各種性能検証試験を実施してきましたが、 現行の耐雷機材と同等の性能でかつコストダウンと施工性の向上が可能であることを確認しましたので、 このたび導入を開始いたしました。これにより、現行の工事規模などから推定すると年間で約5億円の コストダウンが見込まれております。 新型耐雷機材の概要については別紙のとおりでありますが、どちらも工事の効率化を含んだコストダウンが可能となっております。 具体的には、「支持ピンがいし」については、工事の際に電気を止めないためのバイパス工法を必要としないため 工事費の低減が可能となり、現行の場合と比較し、変圧器1個所あたり約34%(16千円)のコストダウンが 可能となりました。また、「耐張耐雷ホーン」については、接地工事(アース)を必要としないため、 工事費の低減が可能となり、現行の場合と比較し、開閉器1個所あたり約50%(15千円)の コストダウンが可能となりました。 当社ではこれまで設備面での雷害対策のほか、平成3年には、誤差約2kmで落雷位置を標定する 「落雷位置標定システム」を構築、また平成10年には「落雷情報ホームページ」を開設し 「落雷位置標定システム」で得た落雷状況などの情報を工場やオフィスなどのお客さまにリアルタイムで提供するなど、 雷害対策に積極的に取り組んでまいりました。 電力市場の競争環境が進展するなか、当社では、経営効率化計画を策定し、経営全般にわたり効率化・合理化に 取り組んでおります。今回の新型耐雷機材の開発・導入は、こうした取り組みに大きく貢献するとともに、 電力の安定供給に大きく寄与するものと考えております。 以 上 |