平成13年1月30日
当社はこのたび、国際協力事業団(以下「JICA」という)がべトナムにおいて実施する開発調査「北部再生可能エネルギーによる地方電化計画調査」
(マスタープラン調査)を受注いたしましたので、お知らせいたします。
本件は、当社がプロアクトインターナショナル株式会社(東京:新橋)と共同で応募していたものです。
べトナムでは、ほぼ電化が完了した都市部に比べ、農村部・山間部などでは依然として未電化地区が多くみられ、
その生活格差を解消することが同国の重要な課題のひとつとなっております。
本調査は、これらのうちソンラ省など北部17省を調査対象として、今後2年間をかけて、小水力や太陽光
・風力発電などの分散型再生可能エネルギーによる同国北部地方電化を促進する基本計画(マスタープラン)を作成するものです。
当社は、ベトナムにおいて、これまでも当社企業グループの株式会社ユアテック、東北発電工業株式会社とともに、ベトナム電力公社
(EVN:Electricity of Vietnam、本社;ハノイ市)との間で「相互交流に関する覚書」を締結し、技術者の派遣・受入や、
「太陽光・風力発電ハイブリッドシステム実証試験」などの事業を展開し、同国電気事業への貢献に積極的に取組んでいるところであります。
これらの取組みに加えて、本調査を通じて分散型電源開発による地方電化計画立案ノウハウに関する当社技術の移転を図り、
同国電気事業の継続的発展に寄与したいと考えております。
当社は、平成11年8月に海外事業プロジェクトチームを設置し、海外事業分野のひとつとして海外コンサルティングに取組んでおり、
これまでに新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本貿易振興会(JETRO)調査ならびに予備的なJICA開発調査等を受注してまいりましたが、
JICA開発調査のマスタープラン調査は今回が初の受注となります。
以 上
[ 別 紙 ]
ベトナムにおける北部再生可能エネルギーによる 地方電化計画調査について
1.発注者 |
国際協力事業団(JICA) |
2.受注者 |
東北電力株式会社とプロアクトインターナショナル株式会社の共同企業体 |
3.調査の内容 |
本調査は、ベトナム北部地方における地方電化促進のため、小水力、太陽光、風力などの再生可能エネルギーを活用した技術支援を主眼としている。
本調査を通じて、ベトナムが独自にかつ継続的に分散型電源を開発するための地方電化計画立案方法や財務分析手法に基づくファイナンス等、
開発実現を促進するノウハウの技術移転を図るとともに、分散型再生可能エネルギーによる北部全体の地方電化基本方針としてのマスタープランを作成するものである。
|
4.調査対象省 |
ソンラ省などベトナム北部17省 |
5.調査期間 |
平成13年1月より2年間 |
6.ベトナムの電力事情 |
(1)主要指標
|
ベトナム (98年度) |
日本 (98年度) |
当社管内 (98年度) |
発電設備容量(万kW) |
498 |
25,029 |
1,441 |
発電電力量(億kWh) |
216 |
10,462 |
765 |
販売電力量(億kWh) |
177 |
9,346 |
690 |
一人あたり年間電力消費量 (kwh/人・年間) |
231 |
6,317 |
5,603 |
注1)小数点以下四捨五入
注2)日本データには自家発含む
(2)ベトナムの地域別電化率(98年度)
地 域 |
郡 |
町・村 |
総数 |
電化済 |
電化率 |
総数 |
電化済 |
電化率 |
北部山岳部 |
124 |
109 |
88% |
2,621 |
1,193 |
46% |
紅河デルタ |
69 |
68 |
99% |
1,664 |
1,656 |
99% |
中部沿岸(北部) |
70 |
66 |
94% |
1,641 |
1,260 |
77% |
中部沿岸(南部) |
60 |
52 |
87% |
818 |
588 |
72% |
中部高原 |
43 |
38 |
88% |
483 |
229 |
47% |
北東メコン |
34 |
33 |
97% |
441 |
433 |
98% |
メコン河デルタ |
90 |
88 |
98% |
1,192 |
1,056 |
89% |
合 計 |
490 |
454 |
93% |
8,860 |
6,415 |
72% |
(3)主な特徴
- ドイモイ政策による経済成長により電力需給は逼迫。EVNエネルギー研究所がベトナム政府に提出した「長期電源開発計画案
(2000年〜2020年)」では、最大電力は2000年の約500万kWから、2020年には最大で2,500万kWに達すると想定している。
- 都市部では、ほぼ電化が終わっているものの、北部山岳地域や中部高原地域では電化率が50%を下回っており、特に少数民族などが居住する農村部、
山間部などでは、ほとんどが未電化地区となっている。
これら未電化地区への対応は、同国の重要な課題のひとつとなっている。
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以 上
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