「東北グリーン電力基金」の創設について
〜大規模商業目的風力発電からの電力購入に入札制も導入〜

平成12年9月27日

 (財)東北産業活性化センターおよび東北電力(株)はグリーン電力制度「東北グリーン電力基金」を創設し、 10月2日より本基金に参加を希望されるお客さまから寄附金を募り、 自然エネルギーの普及促進のために活用していくこととしました。
 また、東北電力(株)では、これに合わせて、発電事業者への一層のコストダウンインセンティブの促進および、 「東北グリーン電力基金」の効果的な活用をはかるため、大規模風力発電からの電力購入に入札制度を導入することとしました。

 「東北グリーン電力基金」は、環境保全に貢献したいというお客さま(個人・法人を問わず)からの寄附金をもとに、 新たに太陽光発電設備または風力発電設備の設置を計画している助成希望者を募集し、対象設備を選定したうえで助成する制度です。
 (財)東北産業活性化センターは寄附金の出納管理および助成希望者の募集や助成先の決定、 助成金の交付など基金の運営を主体となって行い、東北電力(株)は参加申込の受付や寄附金の収納業務を (財)東北産業活性化センターから委託を受け代行するとともに、自らも基金に対して応分の寄附金を拠出します。
 寄附金は継続的な参加を基本として月額1口あたり500円の定額制としますが、参加者の希望に応じて、 継続的でない任意の一時金についても受領することといたします。参加申込は、東北電力(株)の各営業所窓口および 申込用紙による郵送により受付け、寄附金については、同じく東北電力(株)の各営業所窓口および指定の振込用紙による 金融機関からの振込にて受領します。また、お客さまの指定口座からの自動引き落としについても、 来年以降可能となるよう準備を進めます。
 基金による助成先の選定や助成金額の決定など寄附金の具体的な活用方法については、 (財)東北産業活性化センターの中に新たに経済団体、学識経験者、消費者代表などにより構成する 「グリーン電力基金運営委員会」を設置して検討します。なお、助成対象は、東北地域に新たに設置される 太陽光発電設備(公共用)と風力発電設備(事業用)とし、太陽光については設備建設費に対して助成し、 風力については発電実績に応じてkWhあたりの単価で助成することとしています。
 また、風力発電については地域偏在に配慮し、全国各地域の運営主体の自主的な判断により寄附金の一部を 全国運用に回すことになりますが、「東北グリーン電力基金」に送金していただいた場合は、 東北地域の風力発電に対する助成金として有効に活用します。

 一方、グリーン電力制度の実施に合わせて、東北電力(株)は商業目的の大規模風力発電(2,000kW以上)からの 電力購入に際し、入札制度を導入することとしました。これは、風力発電のコスト低減が予想以上に進んでいるという現状を 踏まえつつ、「東北グリーン電力基金」による助成が、より安価な風力発電設備の建設を促し、 寄附金の有効活用と長期的な普及促進につなげることをねらいとしたものです。 このため、「東北グリーン電力基金」からの風力発電に対する助成先については、東北電力(株)が募集する入札での落札候補者を 対象として助成希望者を募集し、事業者の計画進捗状況を踏まえて決定されることにしております。
 入札募集量については、平成13年度以降の3ヶ年で30万kW程度を予定しており、平成13年度実施分については、 入札募集に先立ち、東北電力(株)の電力系統への連系可否等について事前に技術的検討を行う必要があるため、 本年10月に風力発電事業者を対象に事前説明会を開催し、系統連系に係る事前検討の受付を開始することとしています。 なお、募集枠や上限価格等の入札条件については、東北地域の風力開発計画や電力需給状況などを考慮するとともに、 「東北グリーン電力基金」へのお客さまの参加状況、助成資金の見通し等も踏まえつつ、 来年2月頃に開催を予定している入札募集説明会において公表することとしています。

 東北電力(株)では、これまでも太陽光発電や風力発電の普及促進に可能な限り取り組んできておりますが、 低いエネルギー密度や出力の不安定性という技術的な課題に加え、割高なコストという経済的な課題が依然としてあることから、 現時点では火力、原子力等の既存の主力電源と同じ評価はできない状況にあります。 そのため、電力系統への技術的な影響やコスト評価等についてもきちんと検証しながら、 計画的かつ適切な導入と利用をはかっていく考えです。
 グリーン電力制度については、社会的な実験という位置づけの暫定的な試行措置として実施するもので、 実績を見て3年後に検証することとしておりますが、本制度ならびに大規模風力発電の入札制度が有効に機能し、 自然エネルギーの普及支援策として息長く定着することを期待しております。

 なお、「東北グリーン電力基金」の制度概要および大規模商業目的風力発電からの電力購入への 入札制度の概要については 別紙のとおりです。
以 上