「東北電力・源流の森」構想について
〜福島県只見町「古本と森の交換システム」に参画、森林保全に貢献〜

平成12年7月19日

 当社はこのたび、地域の環境保全に資する新たな取り組みとして、福島県只見町において展開されている 「古本と森の交換システム」に参画し、森林保全に貢献する活動を展開すべく準備を進めております。

 当社は従来より地球環境問題について、発電所等の設備対策から地域社会との共生活動に至るまで幅広く取り組んできております。 その一環として植林運動なども積極的に実施してきており、最近では、地域の皆さまの協力などもいただくことにより、 単に植林を行うにとどまらず、地域の皆さまと自然環境の大切さを共に考える機会として、活動に広がりも出てきております。
 しかし一方では、枝打ちや間伐など植林を行った後の維持・管理等が十分に行われない事例もあり、 植林活動の課題ともなっております。

 こうした中、このたび当社が参画する「古本と森の交換システム」は、福島県只見町において、「たもかく株式会社」 と「只見木材加工協同組合」が共同で、平成6年より展開しているもので、古本などを定価の10%で評価し、 1,670円で只見の森1坪と交換するシステムとなっております。
 森林の維持管理は「只見木材加工協同組合」が主体となって行い、森林の健全な保全を図る一方、 集められた書籍などは只見町内の「たもかく本の街」で一般に販売され、森林と書籍の循環の輪が形成されるというものであります。

 当社は、直接的な植林活動に替わる森林保全活動の一環として、本システムを活用させていただくこととしました。
 具体的には、当社全社員に、各自の所蔵する図書の自主的な提供を呼びかけ、事業所単位で「たもかく株式会社」に送付、 一方、「たもかく株式会社」では、図書を寄贈した当社社員個々に「森の交換証」を発行し、 これを集約する形で同地区に当社の森を設定します。

 当社では、この森に、自然環境に調和するログハウス風の休憩スペースなどを設置するとともに、当社社員のボランティアにより、 下草刈りや遊歩道の整備、草花の植え付けなどを行い、地域の皆さまをはじめ一般の方々に散策などを楽しんでいただける美しい森林として、 維持してまいりたいと考えております。
 また、地域の皆さまの協力をいただきながら、 森のコンサートや子供たちを対象とした木工教室など各種イベントの開催なども検討していくこととしております。

 今後のスケジュールについては、別紙のとおりでありますが、今年10月には、読書週間も意識しながら、 社員に対して古本の寄贈を呼びかける社内キャンペーンを実施し、年内には只見町の「たもかく株式会社」に古本を送付、 来年5月には、現地にて「森の交換式」を実施したいと考えております。

 なお、只見川水域は当社最大の水力発電地帯となっており、只見町はその源に位置する町であります。 当社が創立した昭和26年当時、当社における最大の経営課題は只見川の電源開発でありました。
 現在においても、只見川には合計で7個所87万kW程度の当社発電所が運転を継続しており、 まさに当社の創立期から現在に至るまで、当社電源の重要な部分を支えていただいております。
 こうした歴史を踏まえ、本事業は「東北電力・源流の森」構想と名付けることとしております。

 「東北電力・源流の森」構想の概要および具体的スケジュールなどについては別紙のとおりです。

以 上




別 紙


「東北電力 源流の森」構想について


○福島県只見町における「古本と森の交換システム」

・平成6年から「たもかく株式会社」と「只見木材加工協同組合」が共同で展開。


○東北電力・源流の森構想

  • 全社員に古本の寄贈を呼びかけ、事業所単位で集約し「たもかく株式会社」に送付。
    (事業の目的・意義に賛同した社員からの自主的な提供が原則)
  • 社員個々に発行される「森の交換証」を集約することにより「東北電力・源流の森」を設定。
  • 「源流の森」の維持管理は只見木材加工協同組合が主体となって行うとともに、当社社員がボランティアにより、下草刈りや遊歩道の整備、草花の植え付けなどを行う。
  • 自然環境と調和するログハウス風のトイレ、休憩スペースを設置。
  • 地域の皆さまとの協力により、森のコンサート、子どもたちを対象とした木工教室などのイベントの開催も検討。


地域の方々などに散策を楽しんでいただける美しい森林の維持

○今後のスケジュール

(古本の集約・送付など)
・12年秋〜読書週間(10/27〜11/9)も意識しながら、社員に古本の寄贈を呼びかけ。
・12年中事業所毎に古本を集約し「たもかく株式会社」に送付。
・13年5月現地にて「森の交換式」を実施。
(ログハウスの建設)
・12年9月頃 着手
・12年中完成

○「東北電力・源流の森」の由来

  • 只見川水域は当社最大の水力発電地帯であり、只見町はその源に位置。
  • 当社が創立した昭和26年当時の最大の経営課題は、只見川の電源開発。
  • 只見地域は、当社の創立期から当社電源の重要な部分を支えていただいている地域。
  • 本事業への参画を通して、当社歴史の源流を再認識し、歴史への感謝の気持ちを新たにする。

以 上