当施設の設計から携わり、現在は施設の代表として全体を見ています。当施設は高齢者・障がい者向けサポート賃貸住宅「メイプルナハ一ゼ森合」と小規模多機能型居宅介護事業所「たゆたふ」の2つからなります。いずれも身体の不自由な方が利用されますので、設計段階では火災のリスク軽減を最重要視し、設備を検討しました。また、施設のオーナーさまからはランニングコストの軽減も課題として挙げられていましたので、夜間の電力を活用し、ランニングコストの軽減が期待できるオール電化の導入は必然的な選択だったとも言えるでしょうか。施設の名称にふさわしく、“青空をたゆたふ"雲のように、おだやかにゆったりと笑顔で幸せに過ごせる場所、そうした環境を実現することを念頭にオール電化システムを導入しました。オープンして最初の冬を迎えましたが、光水熱費の実績は設計時の予測を下回っています。
昨今、福祉関係の仕事に携わる方の不足などがニュースとして取り上げられたりもしますが、その一因には労働環境があるようにも思われます。その点、当施設では、利用される方々はもちろん、働いているスタッフにとっても安心・安全・快適な空間です。当施設に関わるすべての人々にとって過ごしやすく、心地よい環境が実現できたと思っています。
「ここは暖かくていいね」と皆さんおっしゃいます。スタッフとしてうれしい感想ですね。室内の温度差が無いので入所者の血圧変動が少なく、健康的に毎日を過ごしています。24時間体制で看護師ほかの職員が施設管理・運営に当たっていますが、空調・給湯ほかの設備の運転や管理を専門とするスタッフはおりません。快適さにはとても満足しています。
施設の名称にちなんで「楓の湯」とネーミングしたお風呂を楽しみしている利用者が多いのですが、湯切れでご迷惑をおかけすることもありません。毎日たっぷりのお湯で心地よいひと時を味わっていただいています。
安全・安心・清潔・快適な電化厨房ですが、私が感じるメリッ卜の第ーは、温度や時間の管理がしやすいことですね。調理スタッフがローテーションで交代しても、誰もが同じような仕上がりに作ることができます。中でもスチームコンベクションオーブンは、毎日の献立に欠かせない一台として大活躍しています。
また、IHは加熱が速く、スピーディーに調理できます。限られた時間の中、お待たせすることなく食事を提供することに役立っています。下ごしらえをした食材の保管などにビニール系の袋を使用するのですが、裸火がなく、燃え移る心配がないのもいいですね。
【ヒートポンプ】 空気中などから集めた熱を利用して、大きな熱エネルギーを作り出す技術のことです。使ったエネルギ一以上の熱エネルギーを得ることができ、省エネに寄与することは勿論、CO2排出量を大幅に削減できるため地球環境保全にも貢献します。また空調機や給湯機などに使用されており、業務用から家庭用まで幅広く利用されています。