約44年にわたり稼動してきた七ヶ浜町の学校給食センターは、東日本大震災により甚大な被害を受けたため、将来の町復興の担い手となる子どもたちに、1日でも早く給食を提供できるよう再建されました。新しい学校給食センターは、町内の小・中学校に最大2,200食を供給できる施設として平成26年2月に完成。子どもたちが「食」に興味を持ち、「食生活」を大切にする気持ちを育むことができるよう、2階に厨房全体が見渡せる見学者通路を設けるなど、食育推進の拠点施設としての役割を担っています。
設備面では、「経済性」「作業環境」「衛生環境」などの面からオール電化を採用。電化厨房機器は直火を使わず、厨房内の温度・湿度の上昇を抑えられるため、HACCP概念を取り入れた衛生管理に最適なシステムです。一度に約1,000人分の汁物を調理できる回転釜、魚の切り身を1回で約420人分調理できるスチームコンベクション等の機器を駆使し、作業効率の良い厨房環境を実現しています。水蒸気やススの発生、油煙の飛散などが少なく汚れにくいため清掃が簡単。そのためドライシステム化が容易にでき、衛生管理がしやすいのも電化厨房の特徴です。また、回収された食器や食缶の洗浄に使用するお湯を大量に供給する給湯設備には、高効率な業務用エコキュートや電気温水器を採用し、ランニングコストの低減を図っています。新しい給食センターでは、約20名の調理員が、快適な施設のもと安全・安心で温かくておいしい給食を提供し、子どもたちはもちろん、先生や父兄からも高い評価を得ています。
給食センターは、成長期にある子どもたちの心身の健全な発達のために、バランスのとれた栄養豊かな食事を安全に提供することを常に求められています。設備の選択にあたっては、経済性や作業環境、そして災害時の復旧の早さなどを総合的に勘案して電化システムを採用しました。電化厨房は、夏場でも快適な室温が維持でき、スタッフからも働きやすいと好評です。食器や食缶などの洗浄には大量のお湯が必要となりますが、エコキュートや電気温水器でランニングコストを抑えることができました。電化システムはCO2の排出を抑制し環境にやさしいので、町が推進する七ヶ浜町地球温暖化防止実行計画の成果となっています。七ヶ浜町では、学校給食の充実を図るため、献立が米飯の時は本町産の米を100%使用するなど地産地消を実施しています。今後も高効率な電化システムを効果的に活用して、子どもたちが喜ぶ安全・安心でおいしい給食を提供し、食育の推進につとめていきたいと考えています。