導入事例紹介

ホテル・旅館

瑞雲の岳温泉・あだたら高原 ホテル光雲閣

高効率ヒートポンプモジュールチラー

排湯熱を利用するとヒートポンプ給油システムを導入。
      灯油67.7キロリットル削減、
      二酸化炭素排出量182トン削減と大きな効果をあげています。
外観
オーナーの視点
効率的な経営、省エネルギーとは…。ホテル・旅館におけるオーナーとして常に考えなければならないテーマ。
ホテル光雲閣 代表取締役 大内正孝  氏

 高村光太郎の『智恵子抄』に詠われた安達太良山麓の高原にある岳温泉。源泉かけ流しと眺望が自慢の宿・ホテル光雲閣さまでは、浴場の排湯熱を給湯や冷暖房に再利用するヒートポンプ給湯システムを導入し、省エネルギーおよび二酸化炭素排出量の削減に大きな効果をあげています。そのシステムを設計したのはオーナーさんご自身。かつて空調設備の設計に携わっていた経験を持つ代表取締役社長の大内正孝さまでした。
 「ホテル・旅館における効率的な経営、省エネルギーとは…。それはオーナーとして常に考えなければならないテーマです。当館では毎分100リットルの源泉をかけ流し、湯船からあふれた排湯(約37℃)はそのまま捨てていました。ヒートポンプによる排湯熱の利用は15年ほど前にも一度検討したのですが、その時は要求に応えられる能力の水熱源ヒートポンプが見当たらず、断念していました。その後、平成20年頃、石油の安値安定は考えられず、二酸化炭素排出量の削減も大きな課題であったことから、再度検討することになり、設計に着手したのです。
 今度は私の要望にあう水熱源ヒートポンプが見つかりました。ですが、問題点が1つありました。熱交換器です。PH2.45と酸性度の高い源泉の影響ですぐに腐蝕してしまうのです。そこで、チタン製を使用することにしました。
 当館のヒートポンプ給湯システムは、給湯に加えて夏期は冷房用冷水、冬期は暖房用温水の製造を兼ね、年間を通して稼動します。平成23年度のエネルギー消費量(平成20年度との比較)で見ますと、灯油は67.7キロリットル削減、二酸化炭素排出量では182トン削減と大きな効果をあげています。」
 自ら設計されたシステムが期待通りの実績をあげていることに、大内さまも大変満足されているようです。

排湯は安定した熱源であり、熱量も多い。今後は排湯熱を利用するヒートポンプ給湯システムが主流に。

 「省エネルギーについては他に劣らないとの自信がある」とも語る大内さま。ヒートポンプ給湯システムの温泉施設への普及について、次のように語っています。
 「排湯は安定した熱源であり、熱量も多い。かけ流しを行っている温泉施設の設備として、今後は排湯熱を利用するヒートポンプ給湯システムが主流になるはずです。ただし、お湯の使われ方、排湯の取り出し方、熱交換で利用する温度差、機器の稼働効率、現状の建物の状況などについて、専門的な知識を持っていないと的確なシステムは選べません。多くのオーナーさんは技術者ではありませんから、設計を担当する方やメーカーさんにしっかりとした現地調査・分析をお願いすることがポイントとなるでしょう。
 同業者のセミナーで当館のシステムを紹介したところ、あるオーナーさんから相談を受けました。皆さん、効率的な経営、省エネルギーには高い関心を寄せています。排湯熱を利用するヒートポンプ給湯システムの普及に、当館のシステムが一例として貢献できることは何よりの喜びです。」

大浴場 ヒートポンプ給湯機
排湯熱を利用する省エネルギーなシステムは、オーナー様が自ら設計した成果。暖房・給湯・冷房とマルチに活躍します。

 源泉かけ流しの浴室の排湯を排湯槽にストック、その熱をプレート式熱交換器で採熱し、冬期は暖房(温水)運転を行います。夏期は熱源として川水熱を利用し、給湯(温水)と冷房(冷水)同時運転あるいは冷房(冷水)単独運転を行います。
 給湯(温水)と冷房(冷水)同時運転の場合、つくられたお湯は貯湯槽を経て大浴場のカラン・シャワーに使用されます。

光雲閣様のシステム(イメージ図)
チタン製の熱交換器が、ヒートポンプ給湯システム導入を可能に。

 岳温泉の源泉はpH2.45と酸性度の高さが特徴です。豊かな効能を持った源泉ですが、その化学的な性質により一般的な材質の熱交換器はすぐに腐蝕してしまいます。そのためチタン製の熱交換器が使用されています。

一般の熱交換器ではpH2.45と酸性度の高い源泉の影響ですぐに腐蝕してしまいますが、チタン製なら対応可能でした。

熱を有効利用し、投入された電気エネルギーの何倍もの加熱能力を発揮、
地球環境にもやさしいヒートポンプに寄せられる期待は大きい。

メーカーさまの声
厳冬期でも高効率な運転、夏期は冷房にも対応。年間を通してマルチな活躍。

 光雲閣さまの排湯熱を利用するヒートポンプ給湯システムの特長について、メーカーであるサイエンス株式会社専務取締役の桑原崇さんは次のように語ります。
 「当社では、パッケージ化された完成品(商品)を納入するのではなく、システムの設計をはじめ利用状況に応じて機器・制御のカスタマイズやプログラムの開発も行うなど、施主様のご要望にお応えすることに努めています。
光雲閣さまの排湯熱を利用するヒートポンプ給湯システムの特長は、年間を通してマルチな活躍ができることです。熱源(排湯熱)が安定しているため、気候の影響を受けず、寒さが厳しい冬期でも高効率な運転ができ、夏期は給湯・冷房(冷水)同時運転で冷房負荷にも対応します。とりわけ給湯・冷房(冷水)同時運転時には冷房単独運転時よりも高い能力を発揮します。本体もコンパクトなため、既設のボイラ室に設置でき、積雪対策も不要でした。
 特長の多い給湯システムですが、熱源となる排湯の温度・熱量、熱交換で利用(採熱)できる温度帯・熱量、熱源水の流量、季節や曜日で変動する給湯使用量などをふまえた熱収支のバランスがうまくいかない場合は、導入が難しくなります。光雲閣さまでは、施主様が導入に先立って熱交換器を自ら設置されて詳細なデータをとられ、機器構成や運用方法を具体的に設計していらっしゃいました。導入可能との確証だけでなく、現実に応じた正確なデータに基づいた設計でしたので、機器の容量選定や制御プログラムの開発もスムースに進めることができたと、施主様に感謝しています。」

ホテル光雲閣 代表取締役 大内正孝  氏
ホテル・旅館、入浴施設、医療・福祉施設、レジャー施設、工場など、ヒートポンプシステムが活躍する場は無限。

 「エネルギーの有効活用、設備の省エネルギー化が強く求められる時代です。少ないエネルギーで多くの熱量(効果)を得られるシステムを誰もが理想とします。熱を有効利用し、投入された電気エネルギーの何倍もの加熱能力を発揮し、地球環境にもやさしいヒートポンプに寄せられる期待は大きいと言えるでしょう。
 熱源は温泉の排湯熱に限りません。地下水や下水、工場の排水などの熱、空調排熱、地熱とあらゆる熱がヒートポンプで利用できます。また、給湯、空調、加工における加熱・冷却工程など、異なる用途に対応できます。ヒートポンプ熱源機1基で加熱・冷却の2つを行うこともできますし、温泉の排熱と地下水熱、下水熱と異なる熱源から採熱して加熱するシステムを構築することもできます。つまり、温泉地のホテル・旅館、入浴施設、医療・福祉施設、レジャー施設、工場など、ヒートポンプシステムが活躍する場は無限に広がっていると捉えています。」
 熱エネルギーを有効活用でき、環境性にも優れたヒートポンプシステムの無限の可能性を語る桑原さま。その見解を裏付けるように、同社の導入実績は全国各地に及んでいます。

DATA
  • 瑞雲の岳温泉・あだたら高原 ホテル光雲閣
  • 所在地:福島県二本松市岳温泉1-85
  • ご採用電化設備概要:
       排湯熱源ヒートポンプ 給湯能力68kW×1台
       排湯熱源ヒートポンプ 給湯能力102kW×1台
       貯湯槽 8,000L×1基
  • HP:http://www.kounkaku.co.jp/

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