プレスリリース

社長人事に関する記者会見概要

2019年12月11日

○原田社長からの説明事項

 本日は、大変お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。

 ただいまより、本日開催の取締役会において決定いたしました東北電力株式会社の社長人事などにつきましてご説明いたします。


 東北電力株式会社の次期取締役社長・社長執行役員には、取締役副社長・副社長執行役員である樋口康二郎氏が、来年4月1日付けで就任することを正式に決定いたしました。


 あわせて、同日付で送配電事業の分社化に伴い事業を開始する東北電力ネットワーク株式会社の取締役社長として、現在、東北電力株式会社の取締役副社長・副社長執行役員である坂本光弘氏を推薦することなどについて決定いたしました。


 私の前任である海輪会長におかれましては、社長として指揮を執られた5年間で、東日本大震災からの復旧に全力で取り組まれ、当社の経営基盤を回復軌道に乗せられました。


 私といたしましては、前任が築かれた経営基盤をより強固なものにするとともに、小売全面自由化、原子力再稼働など、次々と直面する経営課題に対して真正面から立ち向かい、一定の道筋をつけることができたのではないかと思っております。


 そのような中、来年4月には、電力システム改革の最終段階として、送配電部門を担う「東北電力ネットワーク株式会社」が事業を開始するなど、当社グループは、かつて経験したことがない歴史的な転換点を迎えます。


 「新しい酒は新しい革袋に盛れ」という諺がありますが、このような状況に鑑みまして、来年4月を一つの区切りとして新社長にバトンを手渡すベストなタイミングと判断し、新たな経営体制とすることを決断いたしました。新社長には、持ち前のリーダーシップと決断力をもって、様々な課題に対して果敢に取り組んでもらいたいと思います。


 新たに東北電力の社長に就任する樋口康二郎氏は、火力部門において、現場第一線の火力発電所から、本店火力部長まで経験され、技術全般に対して極めて高度な知識や豊富な経験を持っています。
 
 東日本大震災直後には、津波で壊滅的打撃を受けた原町火力発電所の所長として、昼夜を問わず現場で復旧作業の陣頭指揮を取り、社員はもちろん、関係会社、協力会社、メーカーの皆さまの力を一つに結集し、予定の工期を大幅に短縮させて運転再開に漕ぎ着けました。
 また、常務執行役員の時には、発電・販売カンパニー長代理として、発電部門に加えて販売部門の業務にも携わるとともに、今年6月からは副社長に就任し、CSR担当、コンプライアンス推進担当、そして原子力本部長代理も務めるなど、業務全般にわたり幅広い経験を積まれております。


 今日のような大競争時代においては、お客さま、地域との強固な信頼関係を築く力、強いリーダーシップや業務全般にわたるマネジメント力、そして迅速的確な判断力、決断力が求められます。

 樋口氏は、誠実、実直な性格の持ち主であるとともに、これらの能力をも兼ね備えており、遺憾なく能力を発揮してくれるものと期待しております。


 東北電力ネットワーク株式会社の社長に推薦する坂本光弘氏は、私の社長就任と同時に副社長に就かれ、以降4年半にわたり、常に苦楽を共にしてまいりました。
  坂本氏は、これまで人財部門、総務部門を中心に経験を積まれ、また、副社長時代にはコンプライアンス推進担当役員を4年間務めるなど、企業倫理・法令遵守に尽力されてこられました。
  さらに、総務部長、新潟支店長、そして送配電カンパニー長など、大規模な組織のトップを多く経験され、その都度、リーダーシップを的確に発揮してこられました。
 そのような経歴の持ち主である坂本氏は、約7,500人の社員を擁する東北電力ネットワークの舵取りを任せるにふさわしい人物であり、今後の活躍を期待しております。


 私が社長に就任した当時を振り返りますと、「真心」というキーワードを日々の事業活動の基本に据え、社員に対しては、事あるごとに「真心を込めた仕事」に徹するよう、呼びかけてまいりました。あわせて、お客さまや地域に対する当社の想い、あるいは企業姿勢を示すコーポレートスローガン「より、そう、ちから。」を策定しました。


 就任翌年には電力小売全面自由化が始まり、競争が日に日に激しさを増す中、「より、そう、ちから。」の下、お客さまのライフスタイルにあった新料金プランや、会員サービス「よりそうeねっと」を立ち上げるなど、お客さまによりそう取り組みを展開してまいりました。
 また、原子力再稼働につきましては、全社を挙げて審査対応や地域における理解活動を進めてまいりました。先般、女川2号については審査書案が取りまとめられるなど、設置変更許可を得るための道筋をつけることができたものと考えております。


 以上申し上げましたとおり、私としては、これまでの社長在任の4年半で、「成長に向けた変革を具現化する」という思いで全力を尽くし、経営基盤の回復と成長に向け、一定の進捗をはかることができたのではないかと感じております。
 この間、お客さまや、お取引先さま、株主さまなどのご支援、ご協力、そして全社員、企業グループの頑張りがなければ成し得なかったものであり、全ての皆さまにあらためて感謝を申し上げたいと思います。


 最後に、私個人の身の振り方をお話しいたしますと、来年4月に社長職を退いたのち、6月の株主総会以降は、非常勤となる特別顧問に就任することとしております。
  ただいま申し上げましたとおり、皆さまのお力をお借りしながら、数々の経営課題に立ち向かってまいりました。至らない面も多々あったこととは思いますが、私なりに持てる力を出し尽くしたと考えております。
  その上で、今は、体力の衰えを実感しており、今後、対外業務が多い会長職に進むことは、無理であると考えた次第です。
 なお、正式な決定については後日となりますが、私といたしましては、会長職には引き続き海輪会長に務めていただきたいと考えております。


 今後とも、微力ながらも何らかの形で東北および新潟の発展、電気事業の発展に尽くす気持ちは変わりございません。
 特別顧問の立場から、新社長をサポートしてまいりたいと考えております。


 なお、社長以外の役員人事については、来年4月からの新体制発足を前提として、後日お知らせする予定でございます。


○樋口副社長挨拶

 私から、一言ご挨拶申し上げます。

このたび、原田社長の後継として本日の取締役会で決定いただきました樋口でございます。
 先ほど原田社長から話がありましたとおり、来年4月は送配電事業の分社化という、当社企業グループにとって、まさに、創立以来経験したことのない歴史的な転換点となります。


 そのような大切な時期に、当社経営の舵取りを任されることとなり、いかにその重責を全うしていくか、大変身の引き締まる思いであります。


 原田社長は、この4年半、東北電力グループスローガン「より、そう、ちから。」を掲げて、激変する経営環境の荒波の中で、次々と直面する経営課題に対して真摯に向き合い、お客さま、地域との間で信頼関係を築き上げてこられました。


 私の責務は、原田社長が築かれてきた信頼関係をより強固にするとともに、これまで布石を打ってこられた様々な取り組みを成果に繋げることによって、当社企業グループを着実に成長させ、また地域の持続的発展に貢献することである、と認識しております。


 私は、これまで会社人生の多くを火力部門で勤めてまいりました。中でも、原町火力発電所長として、東日本大震災で壊滅的打撃を受けた発電設備の早期復旧を果たしたことが最も印象に残っております。協力会社、メーカーを含む全関係者が一致団結し、思いを強く共有することによって成し得たものであり、一体感がいかに重要か、経験から学んだ次第であります。
 また、発電所および建設所における約14年間の現場勤務で、地域からの信頼なくして事業運営は成し得ないことを肌身で感じております。


 取締役に就任してからは、発電・販売カンパニー長代理として、小売全面自由化に伴い競争が激化する中での販売戦略、料金戦略などについて、また原子力本部長代理として、早期再稼働に向けた対応などについて、火力部門以外の経営課題にも携わってまいりました。
 これまでの会社人生を通じて得たすべての知識と経験を活かし、社長としての責務を果たしてまいりたいと強く決意するところであります。


 さて、東北6県および新潟県においては、人口減少や少子高齢化が他の地域に先駆けて進んでいくことが予想されます。

 さらに、電気事業においては、脱炭素化や分散化、デジタル化の進展により、従来の延長線上では、先行きが非常に厳しいと認識しております。

 当社企業グループとして、このような大きな環境の変化に的確に対応すべく、ビジネスモデルの転換に向けて、果敢にチャレンジしていく必要があると考えております。


 最後になりますが、来年4月、東北電力グループは、まさに、新時代に突入いたします。
 日々の事業運営においては、困難な局面に直面することもあろうかと思いますが、一方、失敗を恐れず挑戦と変革をし続けることにより、従来の電気事業の枠を超えた無限の可能性が広がっていく時代であると考えます。


 原田社長には特別顧問の立場から、引き続き様々な場面でご指導をいただき、企業グループの経営層と社員が一丸となって、経営を進めてまいる決意でございます。
 東北電力記者会の皆さまには、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。


○坂本副社長挨拶

 私から、一言ご挨拶申し上げます。
 本日の取締役会において、来年4月に事業を開始する「東北電力ネットワーク株式会社」取締役社長として推薦いただきました、坂本でございます。


 新たに事業を開始する送配電会社の社長という任を仰せつかり、決意を新たに職務に臨む所存であります。


 私は、これまでの会社人生において、営業所長、支店長、送配電カンパニー長の立場を経験し、それぞれの組織において送配電業務の指揮を執るとともに、総務部門時代においても防災・危機管理面から送配電設備の災害復旧などにも携わってまいりました。


 今後、取締役社長として、約7,500人の社員を束ねていくこととなります。これまでの会社人生で得た知識と経験を総動員し、全力で責務を果たしてまいる所存であります。


 これから当社が組織的に大きな変化を迎える中にあっても、お客さま、地域の皆さまが送配電事業に対して期待することは、日々の電力の安定供給であることに変わりないと認識しております。


 近年、自然災害が激甚化する傾向にありますが、こうした中で電力の安定供給という使命を果たすために、日常の設備点検や工事を的確に行い、また、災害に備えた訓練を積み重ねるなど、日々の業務を全うしていくことが第一と考えております。


 あわせて、再生可能エネルギー導入拡大や、ドローンやタブレットといった新技術、AI・IoT等のデジタルイノベーションの活用による効率的な業務運営についても、他社に先んじて推進していく所存であります。

 

 いずれにいたしましても、送配電事業の分社化いかんにかかわらず、電気事業は、地域の皆さまからの信頼なくして成り立ちません。
 東北電力ネットワークといたしましても「東北の繁栄なくして当社の発展なし」との基本的な考え方を共有し、今まで以上に地域との絆を強固なものにしてまいりたいと考えております。


 改めまして、当社は、国土の2割を占める広範囲な供給エリアと厳しい自然条件の中において、お客さまへ低廉で良質な電気を安定的にお届けすることが最大の使命であります。


 私といたしましては、この使命を全うすべく、社長として、社員一人ひとりの心に秘められている誠実さ、愚直さを大切にしつつ、積極果敢なチャレンジ精神をも引き出しながら、新時代を乗り越えてまいりたいと考えております。


 東北電力記者会の皆さまには、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。


以 上

 

(注) 樋口の「樋」は、一点しんにょう


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