プレスリリース

10月定例社長記者会見概要

2018年10月25日

○原田社長からの説明事項

 本日もお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。

 本日は、「2019年3月期(2018年度)第2四半期決算」に加え、「女川原子力発電所1号機の廃止決定」および「2018年度業績予想の修正」について、ご説明させていただきます。


○女川1号機の廃止決定について

 はじめに、「女川1号機の廃止決定」についてご説明いたします。

 本件については、本日、私が直接、村井宮城県知事にご報告しておりますが、その内容について、あらためて、ご説明させていただきます。


 先月の会見でお知らせしましたとおり、当社は、女川1号機の取り扱いについて、新規制基準への適合等に向けて必要となる対策や、女川2号機および3号機、ならびに東通1号機との設計の違いなども考慮しながら、廃炉も選択肢の一つとして具体的な検討を進めてまいりました。


 この中で、女川1号機の固有の課題として、消火設備や電源設備、代替注水ポンプ等の新たな安全対策設備の追加設置に必要なスペースが、女川2号機などに比べて不足しているため、2号機と同等の安全性向上対策を行うには、技術的な制約が大きいという評価に至りました。


 こうした技術的な評価に加えて、発電機の出力規模や再稼働した場合の運転年数などを総合的に勘案した結果、本日開催した取締役会におきまして、女川1号機の廃止を決定したものです。


 女川1号機は、当社として初めて手掛けた原子力発電所であり、1968年に建設地点として計画を公表して以降、地元の皆さまをはじめとする多くの皆さまに支えられながら、当社における電力の安定供給の一翼を担ってまいりました。


 建設計画の公表から今日に至るまで、半世紀もの長きにわたり、多大なご尽力を賜りました、宮城県や女川町・石巻市をはじめとする関係の皆さま、そしてご理解とご協力をいただきました地域の皆さまに、深く感謝を申し上げます。


 今後、女川1号機については、安全確保を最優先に廃止措置に取り組んでまいります。


 一方で、再稼働を目指す女川2号機などに経営資源を投入し、新規制基準への適合性にとどまらず、さらなる安全レベルの向上に向けた取り組みを着実に進めるとともに、地域の皆さまからのご理解をいただきながら、早期の再稼働に向けて全力で取り組んでまいります。


〇2019年3月期(2018年度)第2四半期決算の概要について

 次に「第2四半期決算の概要」について、ご説明いたします。

 なお、数値については、連結ベースでご説明させていただきます。


 まず、収益面でありますが、当社における販売電力量については、329億キロワットアワーとなり、前年同期に比べ3.1パーセントの減となりました。


 一方で、当四半期は、エリア外への卸売の増加や卸電力取引所の積極的な活用などにより、他社販売電力料が増加したことなどから、売上高は1兆351億円となり、前年同期に比べ538億円の増、率にして5.5パーセント増の増収となりました。


 次に費用面についてですが、引き続き、当社企業グループが一体となって、継続的な効率化の取り組みによる経費全般の削減などに努めたものの、燃料価格の上昇などによる燃料費の増加があったことなどにより、経常費用は増加しました。

 こうしたことから、経常利益は375億円となり、前年同期に比べ154億円の減、率にして29.1パーセント減の減益となりました。


 また、当四半期については、今年の7月にお知らせいたしました、東京電力福島第一原子力発電所事故に起因する原町火力発電所の復旧遅延損害に関わる受取損害賠償金を特別利益に、女川原子力発電所1号機の廃止決定に伴い、関連損失を特別損失に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は、303億円となり、前年同期に比べ42億円の減、率にして12.4パーセントの減となりました。


 ここで経常利益が前年同期に比べて154億円減少した要因について、補足いたします。

 燃料費調整制度のタイムラグによる影響が150億円程度あったことに加えて、水力発電所の稼働減による影響や、省令改正に伴う原子力発電施設解体費の増加などの収支悪化要因が69億円程度あったことから、経常利益が154億円減少する結果となったものです。


<2018年度業績予想>

 「2018年度の業績予想の修正」について、ご説明いたします。


 今年度の通期業績予想について、足元の需給状況等を踏まえ、本年4月26日に公表しました、売上高および利益の見通しについて、修正することといたしました。


 売上高については、当社において、卸売の拡大や燃料費調整制度に基づく燃料費調整額の増加に加え、地域間連系線の利用に関わる制度変更などにより、前回予想から1,000億円増の2兆2,400億円程度となる見通しです。


 次に、経常利益でありますが、競争が激化する中、エリア外への卸売拡大ならびに経費全般の効率化による競争力確保に努めているものの、燃料価格の上昇に伴う燃料費調整制度のタイムラグ影響に加え、渇水による水力発電所の稼働減などにより、前回予想から180億円減の620億円程度となる見通しです。

 また、親会社株主に帰属する当期純利益については、先ほどご説明した特別利益および特別損失の計上などにより、前回予想から70億円減の430億円程度となる見通しです。



<2018年度配当予想>

 中間配当については、本日の取締役会において、「1株当たり20円」とさせていただくことといたしました。また、期末配当についても、本年4月にお知らせした数値からの変更はなく、「1株当たり20円」とさせていただく予定としております。


 以上が、第2四半期決算の概要であります。


 今回、通期の業績予想について下方修正をいたしましたが、今回の修正は、燃料価格の急激な上昇に伴う燃料費調整制度のタイムラグ影響や、渇水による水力発電所の稼働減といった一時的な要因によるものと考えております。

 一方で、当社では、エリア外への卸売の拡大や継続的な経営効率化の取り組みを着実に進めており、その成果も具体的な形で見えてきているところです。


 当社といたしましては、引き続き、最適な電源構成の構築などによりコスト競争力の強化を図りながら、小売・卸売両面からの販売拡大に加えて、中長期的に効果が持続する構造的なコスト低減の更なる深掘りと、安全を最優先に原子力発電所の再稼働に向けてしっかりと取り組むことで、経営基盤の安定に努めてまいります。


 本日、私からは以上です。


以上

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