プレスリリース

1月定例社長記者会見概要

平成28年 1月28日

○原田社長からの説明事項
 本日も、お忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。また、本日は今年最初の会見となります。記者会の皆さまにおかれましては、本年もよろしくお願いいたします。

 本日、私からは、「平成27年度第3四半期決算および平成27年度業績予想」と「新たな財務目標と目標達成に向けた経営の力点」についてご説明いたします。


○平成27年度第3四半期決算および平成27年度業績予想について

 初めに、平成27年度第3四半期決算についてご説明いたします。なお、数値につきましては、連結ベースでご説明させていただきます。

 まず、収益面でありますが、当社において、販売電力量の減少や燃料価格の低下による燃料費調整額の減などにより、電灯・電力料が減少いたしました。

 これにより売上高は、1兆5,222億円となり、前年同期に比べ421億円の減、率にして2.7パーセントの減となりました。

 また、売上高に営業外収益を加えた経常収益は、1兆5,303億円となり、前年同期に比べ391億円の減、率にして2.5パーセントの減となりました。

 続きまして費用面でありますが、安定供給の維持に必要な修繕工事の増加といった費用増の要因はありましたものの、燃料価格の低下などに伴い、燃料費が大幅に減少したことに加え、経費全般にわたる効率化に継続して努めたことなどから、経常費用は1兆4,125億円となり、前年同期に比べ、610億円の減、率にして4.1%の減となりました。

 この結果、経常利益は前年同期に比べ219億円の増となる、1,178億円となりました。

 また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に比べ、84億円の増となる791億円となりました。

 今ほど、経常利益について、前年同期に比べ増加したと申し上げましたが、この要因といたしましては、第2四半期決算と同様に、燃料費調整制度が大きく影響しておりますので、この点について改めて補足いたします。

 まず、燃料費調整制度についてですが、これは、為替レートなどの変化に伴う、輸入燃料の価格変動を、毎月、自動的に電気料金に反映させ、調整する制度です。燃料価格の3カ月平均の値から燃料費調整単価を算定し、それを2カ月後の電気料金に反映させる仕組みとなっております。このため、燃料価格の変動が実際に料金収入に反映されるまで、一定のタイムラグが生じることとなります。

 燃料価格は一昨年12月をピークに、以降、急激に低下しております。燃料価格の低下は、当社にとって費用の削減に繋がりますが、この低下が燃料費調整制度に基づき、電気料金に値下げとして反映されるまでに、タイムラグが生じている状況です。

 今年度の第3四半期ではタイムラグによる影響差が460億円程度となっており、これにより一時的に利益が押し上げられる形となっております。

 以上が第3四半期決算の概要であります。なお、当社個別の決算につきましては、連結と重複いたしますので、説明を割愛させていただきます。

 

<業績予想修正>

 続きまして、平成27年度通期業績予想の修正についてご説明いたします。今年度の通期業績予想につきましては、昨年10月に公表しておりますが、今般、最新の需給状況等を踏まえ、売上高および利益の見通しについて修正することといたしました。

 売上高につきましては、販売電力量の減少を見込んだことから、前回予想と比較して300億円減の2兆800億円程度となる見通しです。
次に、経常利益でありますが、今ほどご説明いたしました燃料費調整制度のタイムラグ影響の拡大が見込まれることなどから、前回予想と比較して250億円増となる1,400億円程度、また、親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の改善により130億円増となる880億円程度となる見通しです。

 以上のように、今年度は、前年度を上回る利益水準を確保できる見通しとなっておりますが、これは、燃料費調整制度のタイムラグ影響という一時的な要因によるところが大きく、当社の収益基盤は安定した状態にはないと考えております。

 こうしたことから、中長期的に効果が継続する構造的なコスト低減のさらなる深掘りを推し進めるなど、収益基盤の安定化に努めてまいりたいと考えております。

 

<配当>
 続きまして、期末配当についてご説明いたします。

 これまで期末配当につきましては、未定としておりましたが、本日の取締役会において、中間配当と比べ5円増配となる、1株当たり15円とさせていただく予定といたしました。

 今年度の業績につきましては、燃料費調整制度のタイムラグ影響といった一時的な要因によるところが大きいものの、経費全般にわたり徹底した経営効率化に継続して取り組んでいるところであり、そうした成果もありまして、昨年度を上回る利益水準を確保できる見通しとなっております。また、震災で毀損した財務体質についても、道半ばではありますが、着実に回復の方向に向かっております。一方で、当社の収益基盤は未だ安定的とは言えない状況であり、今後の自由化による競争の進展を踏まえますと、財務体質の強化をさらに進めていく必要もございます。こうした当社の経営環境を総合的に勘案し、期末配当は15円とさせていただくこととしたものです。

 なお、期末配当は、本年6月開催予定の第92回定時株主総会の決議をもちまして、正式に決定となります。


○新たな財務目標の設定と目標達成に向けた経営の力点について
 次に「新たな財務目標の設定と目標達成に向けた経営の力点」について、説明いたします。

 当社は、今年4月に小売全面自由化を迎えるにあたり、今後さらにお客さまにご満足いただけるサービスをご提供しながら、競争に打ち勝ち、事業をより発展させていくためには、財務体質のさらなる強化が必要と考え、新たな財務目標を設定いたしました。

 

 当社の経営基盤につきましては、5年前の東日本大震災により大きく傷つき、一時は危機的な水準に陥りましたが、その後、グループを挙げてコスト構造改革などに取り組み、現在は回復の道を歩みつつあります。現行の財務目標は、「2018年度末までに15パーセント以上(個別)」となっておりますが、先ほど説明いたしました第3四半期の実績では、14.7パーセントとなっており、現行の目標を前倒しで達成できる見通しとなっております。

 

 一方、先ほども申し上げましたとおり、今年4月から小売全面自由化という大きな転換点を迎えます。今後、ますます競争が激しくなる中で、当社がお客さまに「より沿う」サービスの提供、あるいは開発によりまして、競争に打ち勝ち、事業を発展させていくためには、経営基盤の回復への歩みをより力強いものにしていく必要があると考えております。また、お客さまから当社に信頼をお寄せいただき、安定した事業運営を行っていくためには、事業環境の変化や自然災害などの事業リスクへの対応力を、さらに強化していく必要もあると考えております。

 このため、引き続き、財務体質の改善を最優先課題と位置づけ、新たに、自己資本比率を、「連結ベースで2020年度までに25%以上にすること」を、目標に掲げました。将来的には、30%を目指してまいります。

 

 この新たな財務目標の達成に向けて、当社は「成長に向けた3つの柱」により、さらなる成長を果たしてまいりたいと考えております。

成長に向けた3つの柱の1つ目は、収益拡大施策の展開であります。

 当社の収益の源泉は、私どもがフランチャイズといたします、東北6県と新潟県のお客さまに、当社をお選びいただくことです。そのため、お客さまのご要望に“より沿う”サービスを提供していくことが重要であると考えております。

 先日、当社は、東北6県と新潟県のお客さま向けの新しいサービス、料金プランを発表させていただきました。内容につきましては、お知らせ済みでありますので、詳細は申し上げませんが、当社としては、こうした各種サービスや料金プランを皮切りとして、お客さまのニーズにより沿う、創意工夫を凝らしたサービスの開発・充実に、スピード感をもって取り組んでまいります。

 他方、今回の事業環境の変化を新たな事業機会として、アライアンス等を活用した域外供給による収益拡大にも取り組んでまいります。

 昨年10月に設立いたしましたシナジアパワーにつきましては、当社が東北6県と新潟県のお客さまへの安定供給を全うした上で、当社の限りある供給力を有効活用するものであり、当社の収益拡大に寄与するものと考えおります。

 さらに、卸電力取引を含むエネルギートレーディングの活用など、新たな収益機会の獲得に向けた検討にも取り組んでまいります。

 

 2つ目は、バランスのとれた電源構成とコスト競争力の強化です。当社では震災以降、経費全般にわたり徹底した効率化に継続的に取り組み、資材調達の改革などによる、構造的なコスト低減を推し進めているところでありますが、さらなるコスト競争力の強化のため、これらの取り組みに一層力を入れてまいります。

 原子力につきましては、言うまでもなく安全確保が大前提となりますが、コストのみならず、安定供給、エネルギーセキュリティーの観点からも必要な電源であります。このため、引き続き、全社を挙げて、早期の再稼働に向けた取り組みを着実に展開してまいります。

 同時に、戦略的な電源構成と燃料調達の多様化などにより、コスト競争力を一層強化してまいります。

 当社では、将来の競争力確保の観点から、高効率火力の開発・導入に先見的に取り組んでいるところです。新仙台3号系列、能代3号機、上越1号機などの各計画を着実に進めるとともに、燃料調達の多様化や、柔軟なLNG取引の実現などを通じて、燃料調達コストのさらなる低減を図ってまいります。

 

 3つ目は、「地域の復興・発展への貢献」であります。

 当社は、東北6県と新潟県を事業基盤としており、事業活動を通じて、東北と新潟の発展、成長に貢献していくということが、経営展開の基本であります。また、小売全面自由化を迎え、これまで以上に地域の復興・発展に力を尽くしていくことこそが、今後の競争を勝ち抜く、力の源泉になるものと考えております。

 このような認識のもと、当社は地域の復興、発展に向けて、エネルギーサービス、あるいは地域活性化などの取り組みについて、地域それぞれの状況やニーズなどをしっかりと受け止めさせていただきながら、これまで以上に積極的に関わってまいりたいと考えております。

 

 以上が、新たな財務目標と、達成に向けた経営の力点となります。当社といたしましては、本格的な競争時代においても、新たな環境に柔軟に適応しつつ、引き続き地域の復興・発展に貢献しながら、お客さまから選択され、地域とともに成長する企業グループを目指してまいります。

 

 本日、私からは以上です。

 

以上

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