プレスリリース

5月定例社長記者会見概要

平成27年 5月28日

○海輪社長からの説明事項

 本日、私からは、「当社企業グループにおける再生可能エネルギー発電事業の一層の体制強化」と、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募案件であります「再生可能エネルギー連系拡大対策高度化への応募概要」、それから、「今夏の需給見通しと節電のお願い」と「新潟・福島豪雨で被災した水力発電所の運転再開の見通し」の4点についてご説明いたします。

 

 

○当社企業グループにおける再生可能エネルギー発電事業の一層の体制強化について

 始めに、当社企業グループにおける再生可能エネルギー発電事業の一層の体制強化についてご説明いたします。
 当社企業グループにおける再生可能エネルギー発電事業の再編・統合に関しては、昨年5月の会見の場において一度ご説明しておりますが、今回の取り組みをご紹介する前に、これまでの経緯を簡単にお話させていただきます。

 再生可能エネルギーは、大量導入に関して技術的な課題・制約がありますものの、地球環境問題への対応やエネルギーセキュリティー、地域振興等の観点から重要な電源であります。また、東北地域は、再生可能エネルギーが豊富に賦存しているエリアでもあることから、地元電力会社として、引き続き、再生可能エネルギー発電事業を一層推進していく必要があると考えております。

 こうしたことから、昨年5月、当社の子会社で水力事業を展開している東星興業株式会社と、水力・地熱事業を展開している東北水力地熱株式会社の2社を平成27年7月に合併し、当社企業グループ内に再生可能エネルギー発電事業の中核となる新会社(東北自然エネルギー株式会社)を設立することとしております。

 以上がこれまでにお知らせしていた概要であります。

 

 今回新たにお知らせする取り組みでありますが、再編前、すなわち現状では、今ほど新会社への合併対象として申し上げた東星興業、東北水力地熱のほかに、風力発電事業を担う東北自然エネルギー開発株式会社、それから、太陽光発電事業を担う東北ソーラーパワー株式会社が、それぞれ再生可能エネルギー関係の事業を展開しております。

 これを、再生可能エネルギー発電事業の更なる体制の強化を図る観点から、東星興業と東北水力地熱を合併して設立することとしていた新会社に、東北自然エネルギー開発と、東北ソーラーパワーの2社も追加統合することといたしました。

 新会社の主な事業は、これまで同様、当社への電気および地熱蒸気の安定供給を行うことを基本としておりますが、今後、再生可能エネルギー専門の会社という特徴を生かした事業展開を図っていくこととしております。

 具体的には、再生可能エネルギー発電に係る新規地点の調査から、建設、運転・保守を一貫して行ってまいりますが、特に、再生可能エネルギーの中で比較的安定した電源である、水力、地熱に関する新規地点の調査、開発に積極的に取り組んでいく方針としております。なお、今後の新規開発可能性としては、現在、建設・調査を行っている水力、地熱を中心とした再生可能エネルギー全体で10万kW程度と見込んでおります。

 新会社では、これらの新規開発に取り組んでいくことにより、再生可能エネルギーの一層の導入拡大に貢献してまいりたいと考えております。

 

 

○NEDO公募案件「再生可能エネルギー連系拡大対策高度化」への応募概要について

 次に、NEDOの公募案件であります、「再生可能エネルギー連系拡大対策高度化」への応募概要についてご説明いたします。

 本事業は、再生可能エネルギーの遠隔出力制御システムを構築するための研究開発を行うもので、当社は、東北大学、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、通研電気工業株式会社と4者共同でこれに応募いたしました。

 採択は6月下旬の予定と聞いており、現時点で当社が採択されることが決定したわけではありませんが、再生可能エネルギーの出力制御に係る産学連携の取り組みとなりますことから、今回、この場でご紹介をさせていただくこととしたものです。

 既にご承知のとおり、本年1月に再生可能エネルギー固定価格買取制度の改正省令が施行され、新たに連系を計画している再生可能エネルギー発電事業者の皆さまには、電力供給が需要を上回るおそれが生じた場合、太陽光、風力に関して時間単位でのきめ細かな出力制御にご協力をいただくこととなりました。また、当社は、連系が確定している太陽光の設備容量が接続可能量を既に超えておりますことから、太陽光については、指定電気事業者制度のもと、年間360時間を超える出力制御にも無補償でご協力いただくこととなっております。

 こうしたことから、事業者の皆さまにお願いする出力制御の量を極力少なくし、事業の予見性を確保していただくために、再生可能エネルギーの出力予測技術の精度向上、遠隔出力制御システムの標準化、低コストでの実用化が求められております。これに対して、当社といたしましては、4者共同で本事業に参画し、早期の遠隔出力制御システムの開発ならびに最適な制御手法の確立を目指すこととしたものです。

 本事業は、NEDOの公募要領にも定められておりますが、主に風力発電設備を対象に、「出力予測技術の高度化」、「出力制御装置の標準化・低コスト化」、「出力制御手法の高度化・最適化」、そして「遠隔出力制御システムの開発・実証試験」という大きく分けて4つの分野に取り組んでいくことになります。研究対象は主に風力発電設備となりますものの、気象状況等で出力が変動する風力、太陽光に共通する出力制御システムの構築に資する取り組みとなるよう、本研究では出力制御装置の標準化を目指してまいります。

 なお、本事業の事業期間は、平成27年度から30年度までの4年間となっております。現時点で、当社はまだ出力制御が必要な状況には至っておりませんが、再生可能エネルギー発電設備の導入拡大に伴い、余剰電力の発生は避けられないものと想定しております。電力の安定供給と再生可能エネルギーの導入拡大の両立を図るためにも、出力予測技術の精度向上と遠隔出力制御システムの構築は必須の取り組みであり、当社としては、本事業を通じて、事業者の皆さまの出力制御量の最適化を図り、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大につなげてまいりたいと考えております。

 

 

○今夏の電力需給見通しと節電のお願いについて

 続きまして、この夏の電力需給に関してお話させていただきます。

 先日(5月22日)、皆さまにもお知らせしておりますとおり、今夏の需給見通しにつきましては、平成22年度並みの猛暑となった場合でも、一定の予備率を確保できる見通しとなっております。しかしながら、この予備率は、火力発電所の点検時期が需要のピーク期間に極力重ならないよう調整し、今夏も緊急設置電源の活用を見込むなど、あらゆる対策を積み重ねて確保した供給力が前提となっております。また、需要につきましても、お客さまからご協力いただいている節電の定着分をあらかじめ織り込んだ見通しでありますことから、原子力発電所の停止が継続している中、火力発電所の予期せぬトラブル等による供給力の減少、あるいは、想定を超える高気温による冷房需要の急激な増加など、不測の事態により需給がひっ迫するリスクは依然としてあるものと考えております。

 このため、当社では、昨夏と同様に、政府の節電要請期間である7月1日から9月30日までの間を「夏季需給対策強化期間」に設定し、需給両面から安定供給に向けた取り組みを強化することといたしました。

 供給面の取り組みでありますが、今夏も、設備の重点パトロールの実施や巡視点検を強化し、設備トラブルの未然防止に努めてまいります。また、運転データの管理・監視強化などを通じて不具合の兆候を早期に発見し、長期間の運転停止や出力抑制に進展しないよう、適切に対応していくこととしております。

 需要面では、企業グループ全体で、オフィスにおける空調の抑制や照明の間引きなどの節電対策を引き続き徹底いたします。お客さまには、ホームページのでんき予報などを通じた分かりやすい情報提供のほか、効率的な電気のご使用方法などもあわせてご紹介してまいりたいと考えております。

 

 このように、当社といたしましては、この夏も緊張感を持って設備の運転・保守を行い、安定供給に全力を尽くしてまいりますが、お客さまにおかれましても、引き続き、効率的な電気のご使用や無理のない範囲での節電にご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

 

○新潟・福島豪雨で被災した水力発電所の運転再開の見通しについて

 最後に、平成23年7月の新潟・福島豪雨で被災した水力発電所の運転再開の見通しについて申し上げます。

 この水害により、新潟、福島の両県において、当社水力発電所が29箇所被災いたしましたが、現在までに26箇所が順次運転を再開しております。

 残りの3箇所の発電所のうち、福島県にあります、本名発電所、上田発電所につきましては、設備の復旧が終了し、これまで試運転を継続しておりましたが、このたび、設備の健全性確認が終了する見込みとなったこと等から、6月1日に運転を再開できる見通しとなりました。

 また、新潟県にあります湯之谷発電所については、現在も運転を停止しておりますが、これは、以前より計画していたダムの設備改良工事を実施するためのものであり、水害復旧は既に完了しております。

 従いまして、新潟・福島豪雨で被災した水力発電所の復旧につきましては、今回の本名、上田両発電所の運転再開をもって終了となります。これまで関係の皆さまから賜りましたご指導、ご協力に対しまして、あらためて御礼申し上げます。

 当社といたしましては、今後も安全確保を第一に、発電所の運用に万全を期してまいりたいと考えております。

 

 本日、私からは以上です。

 

 

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