プレスリリース

7月定例社長記者会見概要

平成25年 7月31日

○海輪社長からの説明事項

 本日、私からは、「平成25年度第1四半期決算の概要」と、本日付けで設置することといたしました「調達改革委員会」について、さらに、5月の会見でもお知らせした「大型蓄電システム実証事業」が国から採択されましたので、あわせてご説明いたします。

 

 

○平成26年3月期(平成25年度)第1四半期決算の概要について

 まず初めに、平成25年度第1四半期決算の概要につきまして、ご説明いたします。

 なお、数値につきましては、連結決算ベースでご説明させていただきます。

 

 まず、収益面でありますが、当期の販売電力量は大口電力の稼働減少の影響などにより、前年同期に比べ減少いたしましたが、燃料費調整額などの影響により電灯・電力料が増加いたしました。また、他電力への販売電力料であります地帯間販売電力料が増加したことなどから、売上高は4,326億円となり、前年同期に比べ250億円の増、率にして6.1%の増となりました。

 なお、売上高に営業外収益を加えた経常収益は4,343億円となり、前年同期に比べ252億円の増、率にして6.2%の増となりました。

 

 一方、費用面につきましては、引き続き原子力発電が停止していることなどの影響により、燃料費や購入電力料が増加したことなどから、経常費用は4,402億円となり、前年同期に比べ183億円の増、率にして4.4%の増となりました。

 この結果、経常損益は前年同期に比べ、69億円の損失幅縮小となる58億円の損失となりました。第1四半期において経常損失となりますのは、平成23年度以来3年連続となります。

 また、四半期純利益につきましては、当社の退職給付制度の改定に伴う退職給付債務の減少額として、162億円を特別利益に計上したことなどから、前年同期に比べ、163億円増の42億円となりました。

 

 なお、連結決算の経常損益で損失幅が前年同期に比べ縮小となった主な要因について補足しますと、まず、収支の改善要因として、燃料費の安い石炭火力である原町火力発電所1、2号機の営業運転再開による効果が、185億円程度、燃料のCIF価格が低下したことにより、100億円程度などの収支改善効果がありました。

 一方、収支悪化要因として、円安の進行に伴う燃料費の増加などにより、225億円程度の影響がありましたが、この結果、損失幅が前年同期に比べ69億円縮小したものです。

 当社個別の決算につきましては、「決算の概要」の「個別」に記載しております。

 

 なお、業績見通しにつきましては、電気料金値上げを申請している中であり、現時点において売上高・利益ともに合理的な算定が困難であることから未定としております。今後、一定の条件が整い、合理的な算定が可能となった時点において、速やかにお知らせしてまいりたいと考えております。

 

 

○調達改革委員会の設置について

 次に、調達改革委員会についてご説明いたします。

 

 当社は、これまで、東日本大震災後の厳しい収支状況を踏まえ、緊急的かつ大幅なコスト削減に取り組んでまいりました。

 こうした中で、計画していた工事等について、一時的な取り止めや繰り延べ等による緊急的な支出の抑制に取り組むとともに、工法の見直しや内容の精査による工事費の抑制に努めてまいりました。

 また、資材・役務調達においても、競争発注を含めた様々な発注方式の活用を図るとともに、市場価格を反映した価格検討や価格交渉により、調達価格の低減に取り組んでまいりました。

 

 このように、当社は東日本大震災後の厳しい経営環境を踏まえ、資材・役務調達の面においても様々な努力をしてまいりましたが、さらなる経営効率化に向けて、本日、経営層をトップとする「調達改革委員会」を社内に設置いたしました。

 

 本委員会では、資材・役務調達に係る調達価格の低減と、透明性・公平性の確保を設置の目的とし、具体的な目標は「調達価格の10%低減」「競争発注比率を27年度末までに3割程度まで拡大」としております。

 なお、「調達価格の10%低減」に関しましては、電気料金の値上げ申請時に最大限の効率化として7%の低減を織り込んでおりましたが、当社としてさらなる競争力の強化を図る必要があることから、今般、更に厳しい数値を設定したものです。

 

 本委員会の設置期間は、当面、平成28年5月末までとしており、体制について、委員長は当社の企画担当役員、副委員長には技術系、資材担当の役員が就きますが、委員として外部有識者2名の方にもご参加いただき、当社の資材・役務調達における改善点、調達価格低減のための先進的な知見や競争発注比率の拡大のための実現可能なアイデアの提供などについて、第三者の視点からご助言をいただくこととしております。

 

 運営の流れにつきましては、「調達改革委員会」の下に設置する「検討チーム」から提示のあった課題等に対し、本委員会が的確に助言や指導を行い、実契約に反映させていくというものです。

 さらに、こうした取り組みについては、事務局を通じて社内に水平展開してまいります。

 

 当社としては、本委員会の取り組みを通じて、さらなる効率化に向けた目標の達成に取り組んでまいりたいと考えております。

 

 なお、燃料調達に関しては、震災以降、火力発電量の増大に伴い火力燃料の消費量が大幅に増加している現状や、また、その価格が国際的な需給バランスで決まるという特殊性を踏まえ、今ほどの調達改革委員会のスキームとは別に、コスト削減等の取り組みについて、既に先手・先手の対応を行ってきているところであります。ご参考までに、現在、取り組んでいる事例について紹介させていただきます。

 燃料調達につきましては、電力の安定供給を支える重要な業務であることから、安定性・経済性・弾力性を同時に達成できるよう、燃料需給や市場価格の動向など内外のエネルギー情勢への感度を高めながら、中長期的な視点で取り組んでいく必要があります。

 

 大震災以降は、当社大型石炭火力などが被災し、原子力発電所が停止している状況にある中で、追加で必要となるLNGや燃料油を安定的に確保することを最重要課題としながら、自社専用船の活用や競争入札の実施などにより、できる限り低廉な燃料調達を行ってまいりました。

 

 今後については、当面の短期的な取り組みとして、八戸火力発電所5号機のコンバインドサイクル化により、更なる熱効率の向上を図るとともに、燃料を軽油からLNGに転換し、同プラントの経済性向上を図ることとしております。また、価格優位性のある亜瀝青炭の受け入れの拡大やLNGスポット価格の低減、輸入代行料の削減等を通じてコスト低減に努めてまいります。

 

 さらに、中長期的な取り組みといたしましては、燃料調達における市場の構造変化を捉えたLNGの価格体系の多様化や、米国シェールガスや東アフリカのモザンビークLNGプロジェクトなどの新しい案件について積極的に検討を進めてまいります。

 このほか、すべての燃料において競争原理に基づく調達手法の拡大や実施に努めるなど、あらゆる効率化策について検討を進め、可能な限りの経済性の実現を図ってまいります。

 

 

○平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業公募における当社申請事業の採択について

 最後に、平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業公募における当社申請事業の採択についてご説明いたします。

 

 本事業は、5月の会見の場で皆さまにもお知らせしておりますが、再生可能エネルギーの導入拡大を目指した蓄電池技術の活用策として、変電所に大型蓄電池を設置し、制御および管理することで、系統用大型蓄電池システムの開発・実証を行うものです。

 一般的に、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入量が拡大すると、周波数変動などお客さまにお届けする電力品質に影響を及ぼす可能性があります。このことから、当社では、導入拡大に向けた系統安定化対策についても検討を進めてきており、本事業もその一環として行ってまいります。

 

 この他、東京電力との地域間連系線を活用した風力発電の実証試験なども計画しており、この取り組みも含めて、当社の連系可能量は、現時点におきまして、風力発電については200万kW程度と判断しております。今後、「大型蓄電システム緊急実証事業」といった先駆的な取り組みによるノウハウの蓄積も行いながら、当社で行っている様々な系統安定化対策の検証結果を踏まえて、引き続き、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでまいります。

 

 本日、私からは以上です。

 

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