プレスリリース

10月定例社長記者会見概要

平成24年10月31日

 ○海輪社長からの説明事項

 本日、私からは「平成24年度上半期の販売電力量実績」、「平成25年3月期 第2四半期決算および平成24年度業績予想」について説明いたします。

 

○平成24年度上半期の販売電力量実績について

 はじめに、平成24年度上半期の販売電力量実績について説明いたします。

 平成24年度上半期の販売電力量については、合計で372億2,600万kWhとなり、前年同期の実績との比較では、東日本大震災による昨年の大幅な需要の落ち込みの反動などにより23億kWh程度増加し、106.7%の実績となりました。

 さらにこの内訳を見ますと、電灯など特定規模需要以外では、101.8%、大口電力など特定規模需要では109.5%の伸びとなりました。震災直後の昨年上期から、被災工場等の操業再開に加え、セメント・鉄鋼などの復興需要の増加もあり、産業用需要が大きく伸びたことが特徴です。

 左上のグラフは、月別の販売電力量の推移を表したものです。今年の3月以降は昨年の東日本大震災からの反動などにより、7カ月連続で前年実績を上回っております。

 しかしながら、震災前の前々年と比較すると、10%近くも需要が落ち込んでおり、節電へのご協力を考慮しても、震災の影響が依然として継続している状況がおわかりいただけると存じます。

 

○「平成25年3月期(平成24年度)・第2四半期決算」について

 次に、平成24年度・第2四半期決算についてご説明いたします。なお、数値につきましては連結決算ベースでご説明させていただきます。

 

 まず、収益面につきましては、当期の販売電力量が、先ほどご説明いたしましたとおり、前年同期に比べ増加したことなどから、売上高は8,443億円となり、前年同期に比べ905億円の増、率にして12.0%の増となりました。

 また、売上高に営業外収益を加えた経常収益は8,496億円となり、前年同期に比べ918億円の増、率にして12.1%の増となりました。

 続いて、費用面について申し上げます。

 人件費の削減や、緊急的な支出抑制・繰延等による修繕費および一般経費の減少はあるものの、燃料費や購入電力料の増加などにより経常費用は8,830億円となり、前年同期に比べ523億円の増、率にして6.3%の増となりました。

 この結果、経常損益は前年同期に比べ395億円損失幅縮小の333億円の損失となりました。また、四半期純損益につきましては、先月の会見でも申し上げたとおり、原町火力発電所の早期復旧等に伴う東日本大震災に係る復旧費用として、135億円を特別損失として計上したことなどから、368億円の損失となりましたが、前年同期に比べ714億円損失幅縮小となりました。

 

 第2四半期決算において、経常損益、純損益が損失となりますのは、昨年に続き2年連続となりますが、前年同期に比べ、損失幅が縮小した主な要因といたしましては、個別の特徴点で申し上げますと、

1. 電力需要の増加影響が、30億円程度

2. 石炭火力である相馬共同火力発電や常磐共同火力といった他社火力の

   復旧による影響が、180億円程度

3. 人件費の削減や修繕費などの支出抑制や繰り延べ等により、230億円程度と

   試算しております。

 

○平成25年3月期通期業績予想について

 続きまして、平成25年3月期通期の業績予想について、ご説明いたします。

 先月の会見では、上期の業績予想ならびに中間配当予想についてお知らせいたしましたが、通期の業績予想と期末配当予想については、今冬の電力需要や原子力の再稼働時期などが見通せないことから、引き続き未定としておりました。

 現時点においても、不透明な状況は継続しておりますが、今般、当社原子力発電所が年度内は停止することなどを仮定した場合の通期の業績予想について算定したことから、お知らせするものです。

 以下、連結ベースでお話いたします。

 売上高は前年同期に比べ販売電力量の増加などにより、約1,050億円増の1兆7,900億円程度となる見通しです。

 損益については、火力燃料費や購入電力料の増加がある中で、あらゆる分野において緊急的な支出抑制や繰り延べ等により、各損益とも前年度に比べ改善し、経常損益は1,150億円の損失、当期純損益は1,000億円の損失となりました。しかしながら、前年度より改善したとはいえ、引き続き、多額の損失計上となる見通しです。

 

 次に平成24年度の配当について申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、今期の第2四半期の決算につきましては、あらゆる面でのコスト削減に努めたものの燃料費の増加などに伴い経常損益、純損益ともに損失となりました。また、通期につきましても、大変厳しい決算となる見通しであります。

 こうしたことから、誠に申し訳なく存じますが、中間配当につきましては、本日の取締役会において実施を見送らせていただくことといたしました。

 また、期末配当につきましても、通期の業績見通し等を踏まえると、実施は難しいものと考えております。

 

 東日本大震災以降、当社は、震災による設備被害とその復旧費用や新潟・福島豪雨により被害を受けた水力発電所の復旧費用に加え、震災以降の電力需要の減少による継続的な収益の減少、さらには緊急的に稼働させている高経年化火力・緊急設置電源に係わるコストなどの負担が大きくなっております設備の損失と復旧のための特別損失の累計は2,120億円にも上りました。また、震災以降、原子力が停止している状況が加わり、燃料費が震災前に比べ倍増し、2,800億円もの増加となっております。このように当社の収支環境は非常に厳しく、大幅な損失計上は平成22年度から3期連続となりました。この間、財務体質は著しく悪化し、震災前の21年度と比較すると、自己資本は3,300億円、4割以上減少することが見込まれています。このような状況を踏まえ、昨年度からは、株主さまへの配当も見送っているところであります。

 こうした厳しい経営環境の中、当社はこれまで、緊急的な支出抑制や繰り延べ、人件費の削減や関係会社を含めた効率化などを行うとともに、自己資本の取崩しにより、コストの増加分や収入減少分の吸収に努め、被災地の復興の妨げとならないよう現行料金の維持に努めているところです。

 しかしながら、こうした状況が長く続くことで、事業運営に必要な資金調達が滞るなど、お客さまへの安定した電気の供給に支障をきたすような事態が想定される場合には、料金改定を含めたあらゆる選択肢を検討していかざるを得ないと考えております。

 なお、これについては、足元の決算だけでなく、今後の需給状況、原子力再稼働の見通し、効率化の進捗などをギリギリまで見極めた上で総合的に判断したいと考えております。

 

○今冬の節電へのご協力について

 最後に、昨日、国の需給検証委員会において今冬の電力需給の見通しに係る報告書が取りまとめられましたので、改めて私からお話しさせていただきます。

 皆さまには今月12日に、既にお知らせしておりますが、昨冬なみの厳寒時、これは日平均気温でマイナス4℃ですが、を考慮した場合の今冬の予備力・予備率は、昨冬と同様に、節電への皆さまのご協力として30万kWを見込んだ場合、1月で予備力97万kW、予備率6.9%、2月で予備力85万kW、予備率6.1%を確保できる見通しです。

 このように、今冬は予備率5%以上を確保できる見通しでありますが、いまだ、供給力が万全な状況でないことから、当社といたしましては、緊張感を持って設備の運転・保守にあたり、安定供給に万全を期すことで考えております。

 皆さまにおかれましては、昨年と同様、上手な電気のご使用や無理のない範囲での節電へのご協力をお願いできればと存じます。

 なお、先月の会見において、原町火力発電所の試運転の開始予定について、2号機は11月下旬、1号機は12月下旬を目標に、一日も早い発電再開を目指し、全社一丸となって取り組んでいる旨、説明させていただきました。

 今般、2号機が、一昨日の29日にボイラーに点火することができ、現在、試運転を開始できるか最終的な調整を行っているところであります。このまま順調に進めば、今週3日にも試運転を開始できる見込みとなりました。

 また、1号機につきましても、12月下旬としておりました試運転開始の目標を少しでも前倒しできるよう、引き続き、全力で取り組んでおります。

 実際に試運転による発電を開始いたしましたら、皆さまへ改めてお知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。

 

 本日、私からは以上です。

 

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