プレスリリース

1月定例社長記者会見概要

平成23年 1月28日

○海輪社長からの説明事項
 本日は「当社の創立60周年」、「平成23年3月期第3四半期決算」に関してご説明させていただきますが、その前に、今年最初の記者会見となりますので、今年の経営展開にあたっての力点について、2点申し上げたいと思います。

○今年の経営展開にあたっての力点
 一点目は、低炭素社会実現に向けた取り組みの推進です。
 当社は発電所からのCO2排出削減に向けて様々な取り組みを行っていますが、ガスコンバインドサイクル発電設備の建設や、メガソーラー、木質バイオマス燃料の導入など、今年は様々な計画がそれぞれに重要な時期を迎えています。まずは、これらの計画を確実に推進し、当社の低炭素社会実現に向けた取り組みをさらに加速させていきたいと考えています。
 それと同時に、CO2排出削減の取り組みの中心は何と言っても原子力であります。当社においては、女川3号機でのプルサーマル計画、そして東通1号機での運転期間延長という計画も控えており、こうした計画について地域の皆さまから、一層のご理解をいただいていくためには、女川・東通の両発電所の安全・安定運転に万全を期していくことが重要と考えています。

 一方、低炭素社会の実現には、ただ今申し上げた発電側の取り組みに加え、電気の使用面での取り組みが重要です。こうした中、エコキュートやヒートポンプ暖房などのヒートポンプ機器については、ご案内のとおり、エネルギー消費量が少ないことから、CO2の排出が大幅に抑制され、低炭素社会の実現に寄与するものであります。こうしたことから、ヒートポンプ機器の普及拡大、すなわちヒートポンプ電化の推進に、引き続き、力を入れて取り組んでいきます。

 力点の二点目は、収益基盤強化の取り組みです。
 今後、経済社会の構造変化や低炭素社会実現に向けた取り組みなどによって、経営環境が様々に変化していくことが予想される中、当社が地域と共に持続的な成長を遂げていくためには、中長期的に強靭な収益基盤が必要であり、この構築に向けて、収入の拡大と経営効率化の2つを柱とした取り組みを強化していきます。

 まず、収入拡大の取り組みについては、人口減少時代に向かうことで、電力需要はかつてのように右肩上がりでの大幅な伸びを期待することは難しくなっているため、電力会社自らが積極的に需要の拡大を図っていくことが、これまで以上に重要となっています。当社が推進している「ヒートポンプ電化」については、省エネに優れ、低炭素社会実現という社会的な要請に応え、お客さまにとっても、快適性や使いやすさといったメリットがあるため、こうしたことを訴求しながら進めていきます。この取り組みは社員一人ひとりが営業マンとなり全社体制で推進していきます。また、地域の活性化は電力需要の拡大にもつながっていくものであり、中長期的な電力需要の創造を図っていくために、お客さまと当社がWIN−WINの関係を構築できるような地域活性化の支援策にも積極的に取り組んでいきます。
 他方、経営効率化については、これまでも取り組みを行ってきていますが、今後の経営環境を踏まえると、もう一段踏み込んだ効率化が必要と考えています。安全と安定供給はしっかりと確保しながら、中長期的に持続するような、コスト構造に踏み込んだ効率化について、社内の知恵と創意工夫を結集して取り組んでいきます。

 以上が、今年の経営展開にあたっての力点でありますが、今年の当社のモットーは「両立する知恵と チャレンジする意欲を」としました。当社が対処しなければならない課題は多岐にわたりますが、このモットーの下、様々な課題に対して、両立するための知恵を絞りながら、果敢にチャレンジしていきたいと考えています。

○当社の創立60周年について
 それでは、本日のテーマである「当社の創立60周年」について説明させていただきます。

 当社は昭和26年5月1日が創立記念日であり、今年、60周年を迎えます。
 当社は創立以来、「東北の繁栄なくして当社の発展なし」を基本理念にし、地域の皆さまと共に歩んできました。この間、二度にわたる石油危機をはじめ大規模地震災害など幾多の困難な事態にも直面してきましたが、今日、こうして当社があるのも、地域の皆さまのご支援、ご協力があればこそと考えている次第であります。

 60年は人間で言えば還暦にあたります。当社としましては、創立60周年について、これまでの歩みを振り返り、地域の皆さまへの感謝の思いをあらたにするとともに、新しい時代に向けて、未来を切り拓いていくための一歩を踏み出す節目の年と位置づけたいと考えております。
 こうしたことから、創立60周年を契機として、新しいコーポレートスローガンを設定しました。
 新しいコーポレートスローガンは、「地域とともに未来をひらく」としました。このスローガンには、地域の皆さまへの感謝の思いと、「地域と共に歩む」という当社の創立以来変わらぬDNAを今後も受け継いでいくという意思、そしてまた、当社が積極果敢にチャレンジし、自ら未来を切り拓いていくという決意を込めたものです。
 このスローガンについては、今後、様々な場面で使用し、広く伝えていきたいと考えています。

 次に、60周年を記念した事業、行事などについて、ご説明します。
 まず一つ目は、60周年記念事業として、福島県奥会津地域に「奥会津水力記念館」を建設します。「奥会津水力記念館」の構想については、既に昨年11月にお知らせしていますが、奥会津地域は当社最大の水力発電地帯であり、ここの水力発電所は主に戦後復興期に電力不足が深刻化する中で、当社創業と同時に、経営の最重要施策として開発に取り組んだものであります。爾来、当社の黎明期から今日に至るまで電力の安定供給をはじめ当社事業運営に多大な貢献を果たしてきています。こうした歴史的経緯を踏まえ、長年にわたり発電所の運営にご理解とご協力をいただいてきた地元の皆さまへの感謝の意を込めて、記念館を設置することとしたものです。スケジュールについては、平成23年度に着工し、平成24年度竣工の予定で考えています。

 次は、地域活性化懸賞論文の公募であります。次代を担う若者に、地域の未来についてより強い関心を抱いていただくとともに、可能性に満ちた豊かな着想を東北の活性化に活かしていくことを目的として、当社管内の大学生や大学院生などを対象として、実施するものです。優秀論文については、当社から金一封を贈呈するとともに、論文のテーマ・内容によっては、当社がそのアイデアの実現に向けて取り組んでいく方策も検討していきたいと考えています。また、優秀論文については論文集にして、各大学や自治体などにも提供し、地域活性化に向けた具体的施策として活用いただきたいと考えています。
 この他、暮らしとエネルギーの変遷をたどる写真展を仙台市および新潟市にある当社グリーンプラザで開催するほか、当社の次世代支援プロジェクト「放課後ひろば」の新たな取り組みとして、科学実験教室「スクールサイエンス教室」を管内7県の小・中学校で開催します。その他の各イベントについても、平成23年度は「創立60周年記念事業」と位置づけ、感謝の気持ちをお伝えする工夫を取り入れて実施します。

 創立60周年事業の概要については、以上です。
 当社としましては、創立60周年を契機として、地域の皆さまとの絆をさらに強めていくとともに、東北地域の明るく豊かな未来を願いながら、今後とも、地域に根ざした事業運営に取り組んでいきたいと考えています。

○平成23年3月期第3四半期決算について
 最後に、平成23年3月期第3四半期決算について、説明させていただきます。なお、数値については、連結ベースで申し上げます。

 まず、収益面では、昨年夏の記録的な猛暑の影響や、大口電力において生産回復の動きが続いたことなどにより、販売電力量が増加したことなどから、売上高は1兆2,480億円となり、前年同期に比べ536億円の増、率にして4.5%の増となりました。また、売上高に営業外収益を加えた経常収益は1兆2,549億円となり、前年同期に比べ554億円の増、率にして4.6%の増となりました。

 一方、費用面については、販売電力量は増加したものの、引き続き、原子力発電所の安全・安定運転に努めたことなどにより燃料費が小幅な増加に留まったことに加え、人件費や支払利息が減少したことなどの要因から、経常費用は1兆1,599億円となり、前年同期に比べ19億円の減、率にして0.2%の減となりました。
 この結果、経常利益は前年同期に比べ573億円の増、率にして152.1%増の950億円となり、増収増益の決算となりました。また、四半期純利益は507億円と前年同期に比べ254億円の増、率にして100.3%の増となっています。

 続いて、業績予想でありますが、業績予想については、今回変更はなく、前回公表した数値のとおりとなっています。

 本日、私からは以上です。

以上

「プレスリリース本文のPDFファイルはこちら」印刷用PDF

←← 東北電力トップページ ← 元のページへ戻る