プレスリリース

10月定例社長記者会見概要

平成21年10月29日

○高橋社長からの説明事項
 本日、私からは平成21年度上半期の販売電力量実績と平成22年3月期 第2四半期決算の概要、それから女川原子力発電所における新しい事務本館の建設について説明させていただきます。

○平成21年度上半期の販売電力量実績について
 はじめに、今年度上半期の販売電力量実績についてご説明します。

 平成21年度上半期の販売電力量については、「電灯」契約では、夏場の気温が前年より低めに推移したことにより冷房需要が減少しましたが、当期のオール電化住宅の導入戸数が12,222戸(対前年同期比97.6%)増加したことなどから、前年同期を若干上回る実績(対前年同期比100.4%)となりました。これに「電力」契約を加えた「特定規模需要以外の需要」の合計では、対前年同期比で99.8%とほぼ前年実績並みの実績となりました。

 一方、「特定規模需要」、いわゆる自由化対象の需要については、対前年同期比88.8%となりました。このうち、大口電力(契約電力500kW以上の産業用需要のお客さま)では、景気悪化による企業の減産の影響などにより、対前年同期比83.0%と大幅な前年割れとなりました。

 こうしたことから、販売電力量合計では、対前年同期比で92.3%の実績となり、上半期としては、平成13年度以来、8年ぶりに前年実績を下回りました。また、92.3%という割れ幅は、半期としては過去最大のマイナス幅となります(これまでの過去最大のマイナス幅は、平成20年度下半期の92.7%)。

○平成22年3月期 第2四半期決算について
 次に、平成22年3月期 第2四半期決算の概要について申し上げます。なお、数値については、すべて連結ベースで説明させていただきます。

 まず、収益面では、ただ今申し上げましたとおり、電気事業において当期の販売電力量が前年同期に比べ、大きく減少しました。さらに、その他の事業において受注が減少したことなどによって、売上高は8,042億円となり、前年同期に比べ787億円の減、率にして8.9%の減となりました。

 また、売上高に営業外収益を加えた経常収益は8,077億円となり、前年同期に比べ805億円の減、率にして9.1%減となりました。

 一方、費用面では、燃料価格の低下により燃料費が減少したこと(連結:1,081億円の減、個別:1,047億円の減)や、他社からの購入電力料が減少したことなどから、経常費用は7,663億円となり、前年同期に比べ1,362億円の減、率にして15.1%の減となりました。

 この結果、経常利益は414億円(前年同期に比べ556億円の増)、四半期純利益は276億円(前年同期に比べ358億円の増)となり、「減収増益」の決算となりました。なお、「減収増益」は、第2四半期としては、平成14年度上半期以来7年ぶりとなります。また、第2四半期において「減収」となりましたのは平成15年度上半期以来6年ぶり、「増益」は平成18年度上半期以来3年ぶりとなります。

 次に、当社の中間期の配当については、今中間期の配当は、安定配当の確保を基本的な考え方として、これからの中長期的な経営見通しや、現在の内部留保の状況等を総合的に勘案し、前年同期と同様、1株あたり30円としました。

 続いて、通期の業績予想についてですが、最近の収支動向を踏まえ、今年7月30日に第1四半期決算を発表した際に公表した予想数値から、一部修正を行いました。

 具体的には、平成21年度の販売電力量の見通しについては、景気低迷の影響などを踏まえ、今回見直しを行い、前回の予想(803億kWh)から18億kWh下回る785億kWhとしました。これにより、前回の予想に比べ、連結ベースでは、売上高が300億円、営業利益および経常利益が140億円、当期純利益が80億円、それぞれ減額となる見通しです。なお、個別についても修正を行っていますが、連結と同様の説明となるので割愛させていただきます。

 今年度の収支については、このように前回予想より減額にはなったものの、前期の赤字から黒字に回復する見通しです。しかしながら、今後の電力需要や燃料価格の動向については、依然として不透明な状況にあります。従って、今後も引き続き、経営全般にわたる徹底した効率化に努め、収益を確保してまいりたいと考えています。

 平成22年3月期 第2四半期決算の関係については以上です。

○女川原子力発電所「新事務本館」の建設について
 続いて、女川原子力発電所の新事務本館の建設について説明します。

 発電所では、多くの発電所員が発電所建屋とは別の事務本館と呼ばれる建物の中で業務にあたっています。女川原子力発電所の事務本館は昭和57年に建てたものですが、このたび、この事務本館を新たに建設することとしました。

 その目的は、大きくは2つあります。一つは「発電所員の増員への対応」ということです。女川原子力発電所は、昭和59年に1号機が営業運転を開始して以降、平成7年に2号機、平成14年に3号機とプラントを増設してきました。それに伴い、発電所員についても増員してきており、昭和59年4月時点では約200名、今年7月時点では約400名と、25年間で約200名増員しています。

 また、平成18年に実施した原子力品質保証体制総点検の中で、原子力に関わる新たな業務が増えたことに見合った人員の適正配置が問題となり、発電所員の計画的な増員を図っているところです。
 これまでは、事務本館の増築などにより、こうした人員増への対応を行ってきましたが、今後の増員計画を踏まえますと、これに対応した執務スペースの確保が必要となっています。

 新しい事務本館を建設するもう一つの目的は、地震被災時に現地の対策本部となる「緊急対策室」の機能を確実に確保する、ということです。
 発電所では、大規模地震の発生など有事の際に、災害対策要員が直ちに事務本館内の「緊急対策室」に参集して、ここを拠点として、発電所の設備の状況把握、復旧作業の指示、あるいは国・自治体への通報連絡などの緊急かつ重要な業務にあたることとなっています。このため、「緊急対策室」には、プラントの状況を確認できるシステムや関係各所への迅速な情報提供を行うための機器など、必要な設備が常設されています。したがって、有事の際には、この「緊急対策室」がその機能を十分に発揮できる状態になければなりません。
 平成19年7月に発生した新潟県中越沖地震の際には、東京電力さんの柏崎刈羽原子力発電所で、地震の被害により緊急対策室が一時使用できなくなったということがありました。その後、この件を教訓として、国から、地震発生時に確実にその機能を確保するため、緊急対策室については、建築基準法の1.5倍の地震力で設計するよう求められています。

 この2つが、新しく事務本館を建設する目的と背景です。新しい事務本館の設計にあたっては、想定される宮城県沖地震も踏まえ、事務本館全体の耐震性の向上を図るという見地から、耐震性に優れる「免震構造」を採用することとしました。

 「免震構造」については、建物の基礎の部分に設置される免震装置が、地震の揺れを吸収する仕組みとなっています。このため、地震の揺れが建物に伝わりにくい構造となっています。
 一般的に、大きな地震が発生した場合には、その振動によって書棚などの什器類の倒壊や照明機器の落下などにより、人命に関わる事態が発生する危険があり、また、エレベーターの運転が停止して移動に時間を要するということがあります。しかし、免震構造の建物では、そうしたリスクが小さいため、有事の際に最も重要な初動対応を、迅速かつ確実に行うことができるものと考えています。

 新しい事務本館の概要としては、鉄骨造りの8階建、延床面積は約14,400m2で、現在の事務本館の約1.8倍の広さとなります。
 各フロアの構成は、1階には見学者などの受け入れを行うゲストホールなど、2階には食堂やコミュニティスペースなど、そして3階以上には緊急対策室や会議室、執務室を配置することとしています。このうち、食堂やコミュニティスペースについては、これまでいろいろと要望も多く、当社社員だけでなく協力会社の方にも気軽に利用いただけるようにしたいと考えています。

 次に、今後の予定ですが、12月中旬には本体工事(基礎掘削)を開始する予定としています。竣工は再来年(平成23年)6月の予定で、その後7月に現在の事務本館から機能を移転し、新しい事務本館での業務を開始することとしています。

 なお、現在の事務本館についても、「緊急対策室」の耐震性を建築基準法の1.5倍の地震力に対応するものとするため、来年(平成22年)2月の竣工を目途に耐震補強工事を進めているところです。また、現在の事務本館については、新しい事務本館での業務開始以降は、構内の関係会社の事務室などとして有効活用することを検討しています。

 一般に、原子力発電所の重要な機器や建物などは、考えられる最大の地震に対して十分な耐震性を有するように設計・施工されています。また、女川原子力発電所では、先の定期検査において全3基が重要な配管や電路類に対する耐震裕度向上工事を完了しており、さらなる耐震性の向上が図られています。こうしたなかで、発電所の事務本館の耐震性も向上することにより、発電所で働く従業員の安全が更に高まり、ひいては発電所の一層の安全・安定運転の確保も図られるものと考えています。

 なお、女川原子力発電所におきましては、2号機が10月22日に定期検査を終えました。これにより女川原子力の3基全てが営業運転中となっています。3基揃っての運転(発電)は昨年(平成20年)2月以来、その前となると、平成17年の8.16宮城地震の発生前のこととなりますが、引き続き、安全を最優先に、安定運転に努めてまいりたいと考えています。

 本日、私からは以上です。

以上

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