プレスリリース

1月定例社長記者会見概要

平成20年 1月31日

○高橋社長からの説明事項
 本日、私からは、「今年の経営展開にあたっての『新たな力点』」、「酒田リサイクルセンターの全面運用開始」ならびに「平成20年3月期 第3四半期 財務・業績の概況」と「平成20年3月期 業績予想の修正」について説明させていただきます。

○今年の経営展開にあたっての新たな力点について
 まず初めに、「今年の経営展開にあたっての新たな力点」について説明します。
 当社は昨年、平成19年度から平成23年度までの5カ年を対象期間とする、東北電力グループとしての中期経営方針を策定しました。この中期経営方針において、社会から「信頼される東北電力グループ」、お客さまから「選択される東北電力グループ」、質の高い業務を追求する「エネルギーサービスのプロフェッショナル」の3つを、当社企業グループの目指す姿として掲げ、これに基づき具体的な主要施策を立案、展開しています。
 今年については引き続き、この5カ年を対象とする中期経営方針をベースに経営を展開していくこととしていますが、新潟県中越沖地震の発生など、昨今の経営環境の変化を踏まえ、今年「新たに考慮すべき対応上の力点」を4点定めました。
 まず1点目は「安全確保最優先の徹底と業務品質の更なる向上」です。
 当社では、平成18年度に「原子力品質保証体制の総点検」ならびに「発電設備の点検調査」を行いました。その結果を踏まえ、企業風土・組織文化にまで踏み込んだ徹底した再発防止対策を立案し、全社を挙げて着実に実行してきています。このことで、社員一人ひとりの意識は相当高まってきていると感じていますが、企業風土や組織文化は一朝一夕に改善できるものではなく、繰り返し確認し、注意しあいながら、息の長い取り組みが必要となります。今後とも、更なる定着・充実を図り、業務全般にわたり安全文化と業務品質の向上に努めてまいります。
 2点目は「信頼向上への対応強化」です。
 1点目とも関係しますが、平成18年11月以降に実施した「発電設備の点検調査」において、水力、火力、原子力発電所それぞれで、法令遵守などの面で相当数、不適切な取扱いをしていたことが明らかとなりました。そのようなことなどで、当社に対する地域社会や地元の皆さまの信頼を、相当揺るがしてしまうこととなりました。当社としてはこれまでにも増して、安全最優先で適切に業務を行い、原子力発電所の安全・安定運転の実績を積み重ね、また、地域の皆さまの「安心」につながる、正確、迅速で、かつ分かりやすい情報を提供することなどにより、より一層信頼の向上に努めてまいります。
 3点目は「大規模自然災害への対応強化」です。
 当社ではこれまでも自然災害に備え、被害を最小限に留めるよう設備強化対策を進めてきました。また、停電や設備被害が発生した場合には速やかに復旧できるよう、配電部門や電力流通部門など部門ごとでの訓練や、全社非常災害訓練などを実施してきました。そして昨年11月には、近い将来、高い確率で発生が予想されている宮城県沖地震を想定し、大規模な停電と、女川原子力発電所における設備被害が同時に発生するという想定のもと、全社的な非常災害訓練を実施しました。自然災害に対する備えに「これで十分」ということはありませんので、設備面での強化対策を講ずるとともに、このような訓練を通じて明らかとなった課題を逐次解決することなどにより、自然災害に対する対応力の向上を図ってまいります。
 最後の4点目は、「経営環境の変化に対応した販売活動の継続的な展開」です。
 オール電化住宅が今年度中に累計15万戸を突破する見通しであるなど、これまでの販売活動は着実に成果を挙げてきています。一方、昨年11月には環境配慮契約法が施行されるなど、今後は一般のお客さまも含めて、環境意識がさらに高まっていくものと思われます。これからは、こうした国レベルの動向やお客さまニーズ等を勘案しつつ、環境にも配慮した的確なソリューションを提供してまいります。
 以上が今年の「新たな力点」ですが、この4点を踏まえながら、当社企業グループ全体がベクトルを合わせ、中期経営方針で掲げた3つの「目指す姿」に近づけるよう努めてまいります。

○酒田リサイクルセンターの全面運用開始について
 次に、本日、全面運用を開始した「酒田リサイクルセンター」について説明します。
 PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、絶縁性、不燃性などに優れた油として、変圧器など電気機器用の絶縁油や蛍光灯の安定器などに幅広く使用されていました。しかし、昭和40年代前半に人体への影響が指摘されるようになり、昭和49年には法律により、その製造や新たな使用などが禁止されました。
 当社では元来、柱上変圧器の絶縁油にPCBは使用していませんでしたが、平成元年、再生絶縁油の中にPCBが混入している可能性があるとの情報を得たことから、当社でも分析したところ、ごく微量のPCBが混入していることが判明しました。その当時、PCBが混入した原因を調査しましたが、結局、その原因を特定することはできませんでした。おそらくは、再生絶縁油のメーカーなど、当社の管理が及ばない絶縁油の再生過程で微量のPCBが混入したものと思われます。
 その後、平成13年には「PCB特別措置法」が制定され、平成28年7月までにPCB廃棄物を無害化処理することが義務づけられました。
 こうしたことから当社では、ごく微量のPCBが混入している再生絶縁油約3万klと、それを使用した柱上変圧器約66万台の無害化・リサイクルを行うため、平成16年10月より山形県酒田市に「酒田リサイクルセンター」の建設を進めてきました。
 「酒田リサイクルセンター」は、大きく分けると、絶縁油を処理する「絶縁油リサイクル施設」と、絶縁油を抜き取った後の柱上変圧器本体を処理する「変圧器リサイクル施設」からなります。このうち、「絶縁油リサイクル施設」は、昨年4月に既に運用を開始していましたので、本日、「変圧器リサイクル施設」が運用開始したことで、「酒田リサイクルセンター」は全面的に運用を開始したことになります。
 当社としては、引き続き、地域の皆さまのご理解・ご協力をいただきながら、今後とも安全確保と環境保全に万全を期し、法令に定められた期限までにPCBの無害化処理を確実に進めてまいります。

○平成20年3月期 第3四半期財務・業績の概況、業績予想の修正について
 最後に、「平成20年3月期 第3四半期財務・業績の概況」と「平成20年3月期 業績予想の修正」についてですが、「平成20年3月期 第3四半期財務・業績の概況」については説明を割愛し、私からは「平成20年3月期業績予想の修正」について説明します。
 修正の主な理由としては、販売電力量の増などにより売上高は増加するものの、費用の面では、最近の燃料価格の大幅な高騰に加え、出水率の低下などによる火力発電所の焚き増しなどによって、燃料費が250億円程度増加する見通しとなりました。
 また、原子力発電施設4基の廃止措置費用の見積額が、クリアランスレベル等の変更に伴い増加することから、過年度発電分に対する原子力発電施設解体引当金の積み立て不足分が生じるため、これを特別損失として今期一括計上する見込みとなりました。
 以上の結果、連結ベースで、売上高は1兆7,850億円、営業利益は850億円、経常利益は430億円、当期純利益は210億円となる見込みとなりました。これは前回発表の予想と比較しますと、売上高は400億円の増となりますが、営業利益は150億円の減、経常利益は170億円の減、当期純利益も170億円の減となります。

 本日、私からは以上です。

以上

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