プレスリリース

9月定例社長記者会見概要

平成19年 9月27日

○高橋社長からの説明事項
 本日は、今夏の需給実績ならびに大口電力の動向と地域の経済について説明させていただきます。

○今夏の需給実績について
 まず初めに今夏の需給実績について説明します。

 今年の東北の夏は、梅雨入り後は前線の影響などにより比較的涼しい日が続きましたが、梅雨明け以降は一転して各地で厳しい暑さとなりました。8月における東北7県の各県庁所在地の最高気温の平均は、上旬で約2℃、中旬では2.5℃も平年を上回りました。
 なお、これまでの国内最高気温は、昭和8年7月25日に山形市で記録した40.8℃でしたが、8月16日に、埼玉県の熊谷市と岐阜県の多治見市において40.9℃を記録し、74年ぶりに山形市の記録が更新されました。

 このような中、今夏の当社の最大電力は、8月3日(金)に県庁所在地7都市の最高気温の平均が34.1℃となり、1,505万kWを記録しました。これは、一昨年の8月5日に記録した過去最高記録である1,520万kWには及ばなかったものの、過去2番目の記録となりました。

 これに対し供給力は、出水率が低めに推移したことから水力発電は前年を下回りました。しかし、原子力発電所が順調に稼動するとともに、7月20日に新仙台火力1号機が運転を再開したことなどにより、安定した電力供給を行うことができました。

 また、1日24時間の電気の消費量を表す日電力量については、同じく8月3日(金)に2億8,956万kWhとなり、平成17年8月5日に記録した夏季としての過去最高記録を91万kWh上回りました。

 なお、支店別では、最大電力で秋田、山形、福島の3支店、日電力量については、宮城、山形の2支店において過去最高記録を更新しました。

 一方、販売電力量を見ると、既にお知らせしているとおり、7月分については、低温の影響により冷房需要が減少したものの、大口電力が好調に推移したことなどから、対前年比で101.0%の実績となりました。
 また、8月分の販売電力量については、猛暑の影響による冷房需要の増加や、「機械」や「非鉄」といった業種を中心に、大口電力が引き続き好調を持続したことなどから、合計で71億6,100万kWh、対前年比で102.7%となり、単月としては6カ月連続で前年同月を上回る実績となりました。なお、71億6,100万kWhという販売電力量は、8月の販売電力量としては過去最高の記録となります。

○大口電力の動向と地域の経済について
 それでは次に、好調な伸びを示している大口電力の動向と地域の経済について説明します。

 大口電力は、平成16年12月からこの8月まで33カ月連続で前年実績を上回っています。この要因としては、原油高が背景となり自家発から当社の系統受電へ切り替えるお客さまの影響に加え、生産活動が堅調に推移していることなどによるものと分析しています。至近の動きからは、新潟県中越沖地震による影響が一部にみられたものの、生産の上昇基調は維持されているものと考えています。

 なお、33カ月という対前年比増の連続記録は、「いざなぎ景気」の最中であった昭和40年12月〜昭和45年1月までの50カ月連続、また「バブル景気」の最中であった昭和63年2月〜平成3年11月までの46カ月連続に次いで、過去3番目の記録となります。

 また、東北企業の設備投資については、今年度も引き続き、「非鉄(半導体関連)」業種を中心に積極的な姿勢が示されており、生産活動は今後も高水準で推移することが予想されます。

 このように、生産活動や設備投資に明るい動きが見られることから、こうした動きが、全国に比べて伸び悩んでいる所得や個人消費へと波及し、東北経済全体に力強さが戻ってくることを期待しています。

○WANO(世界原子力発電事業者協会)総会について
 最後になりますが、9月24日と25日に、米国のシカゴで開催されたWANO(世界原子力発電事業者協会)の総会に出席してきましたので、これについて若干触れさせていただきます。

 WANOは、1986年4月26日に発生したチェルノブイリ原子力発電所の事故を契機として、原子力発電の安全性や信頼性の向上に向け、原子力発電事業者が相互に情報交換や技術支援を行うことを目的に、1989年に設立された国際的な民間組織です。日本からは、当社を含む9電力会社のほか、日本原子力発電や日本原子力技術協会など、15の企業・団体が参加しています。

 当社は設立以来参加し、WANOに社員を派遣しているほか、世界から原子力発電所のエキスパートが発電所を訪れる「ピアレビュー」と呼ばれる原子力発電所の相互評価訪問の受け入れなどにより、原子力発電所の安全性や信頼性の向上に向け、連携を図っているところです。

 WANOの総会は2年に1度開催され、全会員が一堂に会してWANOの活動方針を協議するとともに、原子力発電全般について幅広く意見の交換を行っています。9回目となる今回の総会には、世界36の国や団体から415名の関係者が集まりました。日本からも、参加会社社長や理事長などトップ12名を含め約80名が参加し、原子力発電所の安全性と信頼性を最高レベルに高めるための「運転実績格差の解消」などをテーマに、活発な議論が交わされました。

 今回、WANOの総会に参加し、地球環境問題などを背景に世界的に原子力発電が前向きに見直される中、原子力発電所の安全性と信頼性の向上という共通の目標に向け、会員が大変熱心に取り組まれていることを強く感じました。特に、議長が冒頭挨拶の中で、「原子力発電事業者が、相互に情報交換や意見交換を行いながら、世界規模の強力な原子力安全同盟を確立することが重要である」と強調されていたことが印象的でした。そして、トラブルや事故の経験・情報を共有しあう方法や、お互いに原子力発電所の運営について厳しくチェックしあうピアレビューの取り組みが、今後ますます重要になっていくものと感じました。

 また、会議では、原子力発電に携わるにあたり、企業トップの原子力安全に対する意識の高さや、安全性を確保していくための不断の努力がいかに重要であるかが繰り返し話され、私自身としても、原子力については、トップが責任を持ってしっかりと関与していくことが重要であることを、改めて確認した次第です。

 本日、私からは以上です。

以上

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