プレスリリース

「環境調和型変圧器」の開発・実用化について〜絶縁油にナタネ油を採用、電力会社の配電用変圧器では国内初〜

平成21年 9月11日

 当社は、北芝電機株式会社(本社:福島市 取締役社長:服部靖弘氏)と共同で、絶縁油にナタネ油を採用した「環境調和型変圧器」を開発・実用化いたしました。電力会社が使用する配電用変圧器(66,000V)のような大型の変圧器に、ナタネ油などの植物油を絶縁油として採用するのは、国内で初めてのことです。

 当社は、CO2の排出削減をはじめ、地球環境問題への対応を最も重要な経営課題の一つと位置づけ、安全を最優先にした原子力発電所の設備利用率向上や高効率LNGコンバインドサイクル発電の導入拡大、高効率ヒートポンプ機器の普及などに取り組んでおります。「環境調和型変圧器」については、こうした電力供給面・需要面の双方からのCO2排出削減に向けた取り組みに加え、「電力流通分野」における環境負荷の低減をも目指し、開発に取り組んできたものです。

 このたび開発した「環境調和型変圧器」の最大の特徴は、絶縁油として、従来の鉱油(原油を精製)に替え、ナタネ油を採用していることです。これにより、次の効果が得られます。

  • ナタネ油は植物起源の「カーボンニュートラル」(生育時に吸収するCO2量と焼却時に排出するCO2量の相殺)な素材であり、CO2の排出量が大幅に削減される
  • ナタネ油は生分解性が高い(土壌に生息する微生物によって無機物に分解されやすい)ため、地震などで万一土壌に漏洩した場合でも、環境に与える影響が鉱油に比べて小さい
  • ナタネ油は鉱油に比べ引火点が高いため、防火・防災性が向上する
  • ナタネ油は過熱状態においてエタンガスが顕著に発生する特性をもつことから、変圧器の異常兆候を早期に発見することが可能となる

 このように、「環境調和型変圧器」は、従来の変圧器と同等以上の機能を有していながら、環境負荷の低減を実現するとともに、電力の供給安定性の向上にも寄与するものであると考えております。

 今後、この「環境調和型変圧器」については、北芝電機株式会社が製造・販売していく予定です。当社においては、平成22年度中に2台導入する計画としており、その後、同変圧器の運転状況や保守性を実用レベルで確認したうえで、導入拡大について検討していく予定です。

 当社では、低炭素社会の実現に向けて、今後とも地球環境問題に幅広く取り組んで参ります。

以上

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