当社では、東北6県および新潟県の経済や景気動向および生産状況を把握するため、平成8年3月より四半期ごとに「東北地域の景況調査」を実施しておりますが、このたび、平成21年1〜3月期の調査結果がまとまりましたのでお知らせいたします。
(調査実施概要)
1.調査対象 |
当社管内の産業用お客さま |
2.調査時期 |
平成21年4月1日〜平成21年4月27日 |
3.調査方法 |
郵送法 |
4.回収状況 |
(発送)1,000事業所 |
(有効回答数)600件 |
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(有効回答率)60.0% |
(調査結果要旨)
- 1.業況の動向
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「今期の業況判断DIは、調査開始以来の最低値を更新し、東北地域の製造業における業況は極めて深刻な状況になっている。」
○ 各事業所の今期3ヵ月(平成21年1〜3月期)の業況判断DIは▲79.2となり、前回調査(平成20年10〜12月期)に比べ3.4%ポイント低下するとともに、調査開始以来の最低値を更新した。DIは5期連続で低下するとともに、9期連続で業況判断の分かれ目となるゼロ値を下回っている。
○ 来期3ヵ月(平成21年4〜6月期)の業況見通しDIは▲26.3と、今期の業況判断DI(▲79.2)に比べ、52.9%ポイントの大幅な上昇となっている。
○ 原因別にみると、今期3ヵ月の下降理由では「国内需要減による生産減」が93.8%となり、最も多い結果となった。来期見通しについても、「国内需要減による生産減」(92.2%)が最も多い下降理由となった。米国発の経済危機が、日本国内の需要減少という形で、東北の製造業の業況を直撃している様子が鮮明になっている。
○ 業種別にみると、すべての業種でDIが▲40を下回るとともに、<食料品(▲45.5)>と<パルプ・紙(▲57.1)>を除くすべての業種で、業況判断DIが▲70を下回るなど業況の悪化が著しい。特に、<輸送機械(▲94.4)>は、世界的な自動車需要の縮小を背景に、業況が急速に悪化している。しかし、先行きについては、すべての業種において、業況判断DIが今期よりも上昇している。特に、東北地域でウェイトの大きい<電気機械(▲10.5)>の上昇幅(+77.8%ポイント)が最も大きくなっており、やや明るさが感じられる結果となっている。
- 2.国内景気の動向
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「今期の国内景気判断DIは、13期ぶりに上昇したものの、国内景気に対する見方は依然として厳しいものとなっている。」
○ 今期3ヵ月(平成21年1〜3月期)の国内景気判断DIは▲89.1となり、前回調査(平成20年10〜12月期)に比べ5.0%ポイント上昇した。国内景気判断DIが上昇するのは13期ぶりであるものの、8期連続で国内景気判断の分かれ目となるゼロ値を下回っている。
○ 来期3ヵ月(平成21年4〜6月期)の見通しDIは▲34.4と、今期の国内景気判断DI(▲89.1)に比べ、大幅に上昇している。
- 3.生産設備
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「平成20年度下半期の生産設備DIは、調査開始以来の最低値を更新し、東北地域の製造業における設備投資が急速に縮小した様子が浮き彫りとなっている。」
○ 平成20年度下半期の生産設備DI((「新設で増加」+「増設で増加」)−(「撤去で減少」+「休止で減少」))は▲23.8となり、前回調査(平成20年度上半期)の+7.2からは大幅に低下するとともに、(当時は四半期毎の調査だった)平成13年度10〜12月期(▲1.4)を下回り、調査開始以来の最低値を更新した。業種別にみると、<食料品(+7.0)>を除くすべての業種でゼロ値を下回り、設備投資が急速に縮小した様子が浮き彫りとなった。
○ 平成21年度上半期の見通しDIは▲10.6となり、今回調査(平成20年度下半期)の▲23.8からは上昇すると見込んでいる。しかし、見通しDIがゼロ値を上回ったのは、業種別では、<食料品(+11.9)>、<化学(+2.4)>の2業種のみであり、設備投資について当面は慎重な姿勢が続くものとみられる。
- 4.トピックス『生産量・在庫調整の状況について』
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「世界経済の悪化による生産量への影響については、前回調査時(平成20年10〜12月期)よりも減産幅が拡大している。しかし、在庫については、なお過剰感が残っているものの、比較的早い段階での在庫調整が見込まれている。」
○ 平成21年1〜3月期の生産量について、前年同期(平成20年1〜3月期)と比べて「マイナス」と回答した割合は78.1%と、「プラス」の回答(3.7%)よりも圧倒的に高い結果となった。業種別にみると、<食料品(38.0%)>を除くすべての業種で「マイナス」の回答率が70%を上回り、特に、<輸送機械(94.5%)>など外需型の業種において大きな影響が及んでいる様子がうかがえる。
○ 平成21年1〜3月期の生産量が前年同期比「マイナス」と回答した事業所における、生産量への影響度については、「5割マイナス(35.9%)」が最も多く、次いで「3割マイナス(19.6%)」となっている。前回調査時(平成20年10〜12月期)と比較して、「5割マイナス」の回答が14.9%から35.9%へと拡大していることからも、今期の東北製造業が厳しい状況に置かれていたことがうかがえる結果となった。
○ 平成21年3月末時点での製品在庫については、「適正(60.8%)」の回答が最も多い結果となったが、「過剰(35.4%)」が「不足(3.7%)」を大きく上回っており、過剰感が膨らんでいる様子が浮き彫りとなっている。また、製品在庫が「過剰」と回答した事業所における改善の見通しについては、「半年以内(35.3%)」の回答率が最も高く、「四半期以内(18.4%)」と合わせると、過半数において比較的早い段階での在庫調整が見込まれている。
今回の調査結果の詳細は別紙のとおりです。
以上
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