当社では、東北6県および新潟県の経済や景気動向および生産状況を把握するため、平成8年3月より四半期ごとに「東北地域の景況調査」を実施しておりますが、このたび、平成20年7〜9月期の調査結果がまとまりましたのでお知らせいたします。
(調査実施概要)
1.調査対象 |
当社管内の産業用お客さま |
2.調査時期 |
平成20年10月1日〜平成20年10月27日 |
3.調査方法 |
郵送法 |
4.回収状況 |
(発送)1,000事業所 |
(有効回答数)613件 |
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(有効回答率)61.3% |
(調査結果要旨)
- 1.業況の動向
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「今期の業況判断DIは、3期連続での低下となり、東北地域の製造業において、業況感の悪化は更に鮮明になっている。」
○各事業所の今期3ヵ月(平成20年7〜9月期)の業況判断DIは▲49.4となり、前回調査(平成20年4〜6月期)に比べ8.7%ポイント低下している。DIは3期連続で低下するとともに、7期連続で業況判断の分かれ目となるゼロ値を下回っている。
○来期3ヵ月(平成20年10〜12月期)の業況見通しDIは▲45.5と、平成13年10〜12月期(▲43.7)を下回り、調査開始以来の最低値を更新した。
○原因別にみると、今期3ヵ月の下降理由では「国内需要減による生産減」と「原材料調達コストの上昇」が同率(76.4%)で最も多くなった。来期見通しでは、昨今の原油価格の下落傾向を反映し、前回調査で下降理由の1位であった「原材料調達コストの上昇」(63.3%)が2位となり、代わって「国内需要減による生産減」(79.4%)が3期ぶりに最も多くなった。国内経済の減速が、東北地域の製造業の業況に大きな影響を及ぼしはじめている様子が鮮明になっている。
○業種別にみると、<窯業・土石(▲66.7)>、<電気機械(▲58.7)>、<その他製造業(▲56.1)>、<鉄鋼・非鉄金属(▲50.0)>で業況判断DIが▲50を下回るなど業況の悪化が著しい。特に、東北地域でウェイトの大きい<電気機械>は、前回調査に引き続き大幅な下げ幅を 示しており、東北の業況感全体を押し下げている。先行きについても、輸出環境の悪化、特に米国経済の減速が懸念材料となり、<輸送機械(▲68.7)>を中心に厳しい見方が継続している。
- 2.国内景気の動向
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「今期の国内景気判断DIは、前回調査から更に大きく悪化している。DIが11期連続で低下したのは、平成8年の調査開始以来最長であり、国内景気に対する見方は更に厳しさが増している。」
○今期3ヵ月(平成20年7〜9月期)の国内景気判断DIは▲70.8となり、前回調査(平成20年4〜6月期)に比べ14.7%ポイント低下している。DIは11期連続で低下するとともに、6期連続で国内景気判断の分かれ目となるゼロ値を下回っている。
○来期3ヵ月(平成20年10〜12月期)の見通しDIは▲68.6と、平成13年7〜9月期(▲60.4)を下回り、調査開始以来の最低値を更新した。
- 3.生産設備の状況
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「平成20年度上半期の生産設備DIは、ゼロ値を上回りプラスを維持しているものの、平成15年度上半期以来、5年ぶりに2桁を割り込むなど、その勢いは緩やかになっている。」
○平成20年度上半期の生産設備DIは+7.2となり、平成19年度下半期と比べ2.8%ポイント低下した。業種別にみると、<窯業・土石(▲12.8)>を除く全ての業種でゼロ値を上回り、<パルプ・紙(+21.4)>、<輸送機械(+18.0)>等において増加となった。
○平成20年度下半期の生産設備見通しDIは+6.7となり、平成20年度上半期と比べ0.5%ポイント低下すると見込んでいる。業種別では、<化学(+28.9)>、<輸送機械(+18.3)>、<パルプ・紙(+14.3)>、<その他機械(+10.6)>、<食料品(+10.3)>で2桁台のプラスを見込んでいる一方で、<窯業・土石(▲7.7)>、<その他製造業(▲3.0)>、<電気機械(▲1.1)>でゼロ値を下回っている。
- 4.トピックス『米国経済の減速に伴う生産活動への影響について』
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「米国経済の減速は、東北の地域経済に対しても、<輸送機械>など輸出の比率が高い業種を中心として、すでに影響を及ぼしていることが明らかとなっている。」
○米国経済の減速に伴う生産活動への影響について、「すでに影響があらわれている(24.6%)」、「現在は影響ないが今後あらわれる(27.3%)」の回答を合わせると51.9%にも及んでいる。業種別にみると、<輸送機械>では「すでに影響があらわれている(52.0%)」、「現在は影響ないが今後あらわれる(34.0%)」の合計で86.0%となり、他の業種より直接的に米国経済減速の影響を受けている様子がうかがえる。
○懸念される経営環境の変化について、全体では「米国市場の低迷による輸出量(生産量)の減少(37.8%)」と「株式相場の下落や金融市場の混乱による国内需要の縮小、生産減(39.0%)」の回答が拮抗している。業種別にみると、外需型の業種(<輸送機械>、<電気機械>等)では、「米国市場の低迷による輸出量(生産量)の減少」の回答が多くなっている一方で、内需型の業種(<食料品>、<窯業・土石>等)では、「株式相場の下落や金融市場の混乱による国内需要の減少、生産減」の回答が多くなっている。
今回の調査結果の詳細は別紙のとおりです。
以上
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