当社では、東北6県および新潟県の経済や景気動向および生産状況を把握するため、平成8年3月より四半期ごとに「東北地域の景況調査」を実施しておりますが、このたび、平成19年10〜12月期の調査結果がまとまりましたのでお知らせいたします。
(調査実施概要)
1.調査対象 |
当社管内の産業用お客さま |
2.調査時期 |
平成20年1月4日〜平成20年1月18日 |
3.調査方法 |
郵送法 |
4.回収状況 |
(発送)1,000事業所 |
(有効回答数)590件 |
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(有効回答率)59.0% |
(調査結果要旨)
- 1.業況の動向
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「今期判断は、前回調査に比べ若干改善したものの、4期連続でのマイナスとなった。また、今期判断が前回見通しに対し7期連続の下方修正で推移しており、さらに前回調査でゼロ値を割り込んだ来期見通しが今回調査では大幅に悪化、5年ぶりにマイナス20を超え、東北地域の景気の動向に対する先行き不安が鮮明になってきた。」
○各事業所の今期3ヵ月(平成19年10〜12月期)の業況判断(DI)は▲9.5と、前回10月調査(7〜9月期、DI:▲11.3)に比べ僅かながら改善している。
○一方、来期3ヵ月(平成20年1〜3月期)の見通しは、DIが▲21.8と、今期に比べ12.3ポイント減と大幅に悪化する見通しとなっている。
○原因別にみると、今期業況判断における『下降』の主な理由として“原材料調達コストの上昇”の割合が6期ぶりに第1位となり、同時に過去最高を更新した。
○業種別にみると、今期判断は、輸送機械とその他機械の2業種を除く他の8業種はすべてマイナスとなった。来期見通しについても、全体でマイナス20を超えるなど、東北地域の景気の見通しに対する弱気な見方が鮮明になりつつある。
- 2.国内景気の動向
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「国内景気に対する今期判断は3期連続でマイナスとなり、またマイナス幅も2桁となり大幅に悪化した。また、今期判断が5期連続で前回見通しから下方修正で推移している。さらに、来期見通しが30を超えるマイナスとなり、景気全般に対する悲観的な見方が広がっている。」
○今期3ヵ月の国内景気判断は、「上昇」が7.5%、「下降」が26.7%で、DIは▲19.2と、前回10月調査(7〜9月期判断DI:▲2.5) に引き続きマイナスで推移しており、さらに16.7ポイント減と大幅に悪化している。
○来期3ヵ月の国内景気の見通しでは、DIが▲31.7と今期に引き続き2桁台のマイナスとなり、今期より12.5ポイント悪化する見込みである。
○国内景気に対する今期判断と来期見通しが揃って事業所の業況判断を下回っている。このような逆転現象は金融危機(1998年前後)やIT不況(2001年前後)の時期以来であり、国内景気に対する危機感の高まりを示している可能性がある。
- 3.生産設備の動向(※1)
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「東北地方の製造業の設備投資においては、平成19年度上半期は多くの業種で積極的な動きがあった。下半期見通しにおいては金属製品、輸送機械、その他機械でプラス幅が20を超える一方で、半分の5業種で下降傾向にあり、それを映して全体としてもやや下降傾向にあることから、これまで好調であった設備投資においても今後の動向を注視していく必要がある。」
○生産設備の平成19年度上半期の状況は、「新設で増加」が5.9%、「増設で増加」が14.4%で、これらを合わせた『増加』が20.3%となっている。一方、「撤去で減少」が2.1%、「休止で減少」が2.1%で、これらを合わせた『減少』が4.2%となっており、DI(『増加』−『減少』)は+16.1となっている。
○平成19年度下半期の見通しは、『増加』が20.1%、『減少』が5.2%で、DIは+14.9となっており、平成19年度上半期の生産設備DI(+16.1)と比べ1.2ポイント下降するものの、2桁台のプラス幅を維持する見込みである。
(※1)生産設備については、平成15年7〜9月期調査より、四半期調査から半期に1回の調査に変更しております。
- 4.雇用人員の状況、今後の採用計画(※2)
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「雇用DIは、平成17年調査以来、3年連続でマイナス(不足)が続いているが、今回調査ではマイナス幅が2桁となり、東北の製造業において人手不足が進行している状況が窺える。また、今回の採用計画DIは、本調査開始(平成8年)以降で過去最高だった昨年調査値(+29.0)とほぼ同水準の+28.9となった。」
○雇用人員の状況について見ると、「過剰である」が7.8%、「不足している」が18.6%で、雇用DI(「過剰」−「不足」)は▲10.8と、二桁台のマイナスとなっており、前回1年前の調査(雇用DI:▲6.6)と比べさらに人員不足の状態にあることが窺える。なお、雇用人員DIが人員不足(マイナス)となるのは3年連続である。
○今後の採用計画については、「増員の予定」が34.5%、「削減の予定」が5.6%となり、採用計画DI(「増員予定」−「削減予定」)は+28.9と高い水準でのプラス幅となった。前回1年前の調査(採用計画DI:+29.0)と比べるとほぼ同水準となっている。
(※2)雇用人員の状況、今後の採用計画については、平成15年10〜12月期調査より、四半期調査から年に1回の調査に変更しております。
今回の調査結果の詳細は別紙のとおりです。
以上