平成30年2月2日15時29分頃、東通原子力発電所1号機(平成23年2月6日から第4回定期検査中)の原子炉建屋地上2階(管理区域:燃料プール冷却浄化系プリコートタンク・ポンプ室※1)において、排水用の溜め升から水が約93リットル漏えいしていることを確認しました。
本漏えいは、燃料プール冷却浄化系※2(以下、「当該系統」という。)の点検終了に伴い、当社社員が当該系統に再度水を満たす作業を行った際に、本来閉じるべき弁(以下、「当該弁」という。)を閉じなかったため、排水しきれなくなった水が溜め升より溢れ出たもので、当該弁を閉めたことにより、水の漏えいは停止しました。
漏えいした水は、復水補給水系※3の水であり、放射能濃度は検出限界未満であることを確認しました。
また、本事象による発電所周辺環境への影響はありません。
(平成30年2月5日お知らせ済み)
その後、作業に関わった社員2人(現場で弁操作をしていた社員、中央制御室で作業を指揮していた社員)への聞き取り調査を進め、本事象の発生原因を推定するとともに再発防止対策を取り纏めましたので、以下のとおりお知らせいたします。
【調査結果】
聞き取り調査の結果、現場で弁操作をしていた社員が当該系統へ水を満たすための一連の弁操作を行っていたところ、水を満たす作業とは別の作業が行われていることを示す札が付いている弁があり、別の作業の担当個所との調整のため、札の付いている弁の操作を中断し、次の弁操作を実施していたことが分かりました。
当該社員は中央制御室の社員に確認後、中断していた弁操作を再開しましたが、当該弁については、閉じたものと誤認したことに加え、当該弁を直接回して開閉状態を確認していなかったことが分かりました。
【事象発生の推定原因】
本調査結果から、作業の一部中断といった、通常とは異なる対応に意識が向いてしまったことで、当該弁を閉じたものと誤認したことに加え、当該弁を直接回して、開閉状態の確認を行わなかったことから、本来閉じるべき弁が開いたままとなり、漏えいにつながったものと推定しました。
【再発防止対策】
上記の原因に対する再発防止対策として、以下の内容を手順化いたしました。
・操作しようとしている弁に、別の作業が行われていることを示す札が付いていた場合や、手順書等の記載内容と弁の開閉状態に相違がある場合は一旦立ち止まり、次の作業へは進まないこと。
・管理区域内の系統へ水を満たす作業時における弁の操作忘れを防止するため、弁の操作結果を1弁操作するごとに現場から中央制御室へ報告するとともに、さらに中央制御室からの指示に基づき、弁を直接回すことで閉め忘れがないか再度確認すること。
また、上記内容について、弁等の機器を操作する社員に周知徹底し、作業時における集中力低下の防止を図ることとしました。
当社としては、今回策定した再発防止対策を徹底していくことで、同様の事象が発生しないよう努めてまいります。
※1 燃料プール冷却浄化系プリコートタンク・ポンプ室:
使用済燃料プール内の水を浄化するための機器(ろ過脱塩器)に、浄化に必要な樹脂材を供給するための設備(タンク、ポンプ等)を設置している部屋。
※2 燃料プール冷却浄化系:
使用済燃料プールに貯蔵する使用済燃料からの崩壊熱の除去およびプール水中の不純物を除去することを目的に設けられた系統。
※3 復水補給水系:
液体廃棄物処理系で処理された水等を貯留した復水貯蔵槽を水源とし、各建屋に設置されている機器等への補給水の供給を目的とした系統。
以上
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