原子力情報 The information of Nuclear Power

女川原子力発電所1号機における非常用ディーゼル発電機(A)の自動停止に係る運転上の制限内への復帰について

平成25年 3月15日

【発生場所】 女川原子力発電所1号機

 

【運転状態】 定期検査中

 

【概 要】

 3月14日、非常用ディーゼル発電機(A)は、定期運転試験における停止に向けた操作中、12時32分に自動停止しました。非常用ディーゼル発電機(B)は点検で停止中であったことから、女川1号機の非常用ディーゼル発電機が、発電所の運転の際に実施すべき事項などを定めた保安規定で定める動作可能な状態ではなくなったため、12時32分に運転上の制限※1を満足しないと判断しました。

 

 なお、所内の電源は、外部電源※2が確保されていることから、原子炉や使用済燃料プールの冷却に問題なく、発電所は安全な停止状態を維持しております。

 また、他号機の非常用ディーゼル発電機からの電力供給が可能であります。

 

 本事象による、排気筒モニタ、放水口モニタ、モニタリングポストの値に有意な変化はなく、発電所周辺への放射能の影響はありません。

(平成25年3月14日お知らせ済み)

 

【対応結果】

 原因について調査を行ったところ、非常用ディーゼル発電機(A)に異常はないことを確認するとともに、所内電源における周波数のゆらぎの影響で発電機出力が変動していることが確認されました。

 このことから、今回の事象は、非常用ディーゼル発電機(A)の定期運転試験における停止に向けた操作中に発電機出力を降下させた際に、所内電源における周波数のゆらぎの影響で発電機出力が低下方向に変動し、逆電力リレー※3が動作したため自動停止したものと推定しました。

 その後、非常用ディーゼル発電機(A)の定期運転試験を実施し、非常用ディーゼル発電機の機能を確認したうえで、3月15日4時30分に保安規定に定める運転上の制限内へ復帰しました。

 今後、非常用ディーゼル発電機の運転手順について、所内電源における周波数のゆらぎの影響を考慮し、出力降下後速やかに解列するなどの見直しを行ってまいります。

 

以  上

 

※1 運転上の制限は、安全機能を確保するため、予備も含めて動作可能な機器(ポンプ等)の必要台数や、原子炉の状態毎に遵守すべき温度や圧力の制限を定めているもの。保安規定第62条には、当該の非常用ディーゼル発電機を含め2台の非常用発電設備が動作可能であることなどが定められている。

 

※2 外部電源には、松島幹線2回線、牡鹿幹線2回線、塚浜支線1回線の計5回線がある。

 

※3 通常はディーゼル発電機から所内の電源系に電力を送り出しているが、逆に所内電源系から電力がディーゼル発電機に流れ込んでくることを検出した際にディーゼル発電機を保護するために自動停止させるリレー。

 

<参考>女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町、石巻市)の状況

1号機 平成23年 9月10日より第20回定期検査中

2号機 平成22年11月 6日より第11回定期検査中

3号機 平成23年 9月10日より第 7回定期検査中

 

 

「プレスリリース本文のPDFファイルはこちら」印刷用PDF