【発生日時】 平成24年1月17日(火) 16時 9分頃
平成24年4月 3日(火) 21時49分頃
【運転状態】 第20回定期検査中
【事象の概要】
1月17日16時9分頃、他社の電力系統事故の影響により、当社管内の広い地域において瞬間的に電圧が低下する事象(以下、「瞬時電圧低下」という。)が発生し、女川原子力発電所1号機の使用済燃料プールを冷却する燃料プール冷却浄化系ポンプ(以下、「当該ポンプ」という。)が停止しました。
また、4月3日21時49分頃、大型の低気圧の影響により、当社管内の電力系統事故の影響により瞬時電圧低下が発生し、当該ポンプが停止しました。
両日とも事象発生後、設備に異常がないことを確認し、当該ポンプを手動で再起動(復旧)しており、停止前後で使用済燃料プールの水温に変化はありませんでした。
(平成24年1月17日、4月4日お知らせ済み)
【原 因】
両日とも当該ポンプが停止した原因は、電力系統事故の影響による瞬時電圧低下に伴い、燃料プールへの供給水の水質を保つろ過脱塩装置の制御電源の電圧が低下したことにより、ろ過脱塩装置の緊急停止信号が発信され、ろ過脱塩装置が停止したことで、当該ポンプが停止したものです。
ろ過脱塩装置の緊急停止信号は、計器電源回路または制御電源回路のいずれかで停電を検知した場合に発生するものであり、計器電源回路においては、停電の検知を遅らせる遅延タイマが設置されていないことから、瞬時電圧低下を停電として検知したことにより、ろ過脱塩装置が停止したものと推定しております。
【対 策】
当該ポンプは、瞬時電圧低下により停止しても直ちに系統機能への影響はなく、手動で再起動することにより瞬時電圧低下前の状態に復旧することから、現状の機能でも十分であるものと考えております。
しかしながら、東京電力福島第一原子力発電所における事故および今回の事象を契機として、より信頼性を向上させる観点から、今後、瞬時電圧低下を停電として検知することによって不必要に自動停止することがないよう、ろ過脱塩装置の計器電源回路に遅延タイマを設置しました。
また、ろ過脱塩装置の制御電源回路に設置されている遅延タイマについても、瞬時電圧低下対策として、停電を検知する時間を1秒から3秒へ変更しました。
なお、4月4日6時44分頃、東通原子力発電所1号機において、所内電源の瞬時電圧低下に伴い、当該ポンプ等への電源供給設備の制御回路の電圧が低下し、当該ポンプ等の動力回路のスイッチ接点が「開」になり、当該ポンプ等への電源供給が停止したと推定する事象が発生しております。
女川原子力発電所1〜3号機においても、今後、瞬時電圧低下によって当該ポンプが不必要に自動停止することがないよう、当該ポンプの制御回路の一部を改造します。
以 上
(参考)
女川原子力発電所1号機 燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置の計器回路および制御回路における遅延タイマの状況
|
変更前 |
変更後 |
計器電源回路 |
遅延タイマなし |
遅延タイマあり(3秒) |
制御電源回路 |
遅延タイマあり(1秒) |
遅延タイマあり(3秒) |
※女川原子力発電所2、3号機においては、計器電源回路および制御電源回路に遅延タイマ(3秒)が設置されている
「プレスリリース本文のPDFファイルはこちら」