当社は、経済産業省原子力安全・保安院の指示文書「独立行政法人日本原子力研究開発機構高速増殖原型炉もんじゅの非常用ディーゼル発電機で確認されたシリンダライナの傷を踏まえた確認等について(平成23年6月3日)」に基づき、本日、非常用ディーゼル発電機の点検作業手順の整備状況等について、報告しました。
もんじゅでは、非常用ディーゼル発電機の運転試験中に、異音および排ガスの漏えいを確認するとともに、シリンダライナに傷が確認され、この原因は、シリンダライナを取り外す際に使用する油圧ジャッキの適切な油圧管理が行われなかったことから、過大な圧力により損傷したものと推定されております。
当社においては、女川原子力発電所1号機および2号機にもんじゅと同様の構造の非常用ディーゼル発電機を計4台設置しており、月1回の定期試験等により同様な異常が無いことを確認しておりますが、シリンダライナの取り外しに係る手順が明確でないことから、適切な油圧管理を含む点検作業手順の整備等が求められたものです。
このため、シリンダライナの取り外し作業の手順書に、圧力計の取付けと規定油圧値を記載するとともに、作業時の油圧値を記入することとし、適切な油圧管理を行うこととしました。
また、シリンダライナの取り付け作業についても、これまで作業手順書に規定油圧値で締め付けることを記載しておりましたが、取り外し作業の手順と同様に圧力計の取付け等を記載し、整合を図ることとしました。
なお、非常用ディーゼル発電機については、月1回の定期試験やこれまでの定期検査により、本事象と同様な異常が無いことを確認しております。しかしながら、念のため、対象となる非常用ディーゼル発電機のシリンダについて、計画的に分解点検を実施し、シリンダライナの健全性を確認することといたしました。
以 上
※シリンダライナ:ディーゼル機関の燃焼室を形成する筒状の部品