当社女川原子力発電所1号機(沸騰水型、定格電気出力52万4千kW:宮城県牡鹿郡女川町、石巻市)は、第19回定期検査中であり、7月6日に原子炉を起動し、発電再開に向けて各機器の確認を行っているところでありますが、本日7月9日、午前4時48分頃、原子炉建屋地下2階で、当社社員が、高圧注水系※2の蒸気タービンを回すための蒸気配管に設置された弁(高圧注水系タービン主蒸気止め弁)付近から床面に水が滴下していることを確認しました。
水の滴下を止めるために、高圧注水系の隔離を行う必要があることから、高圧注水系が動作不能となるため、午前5時10分に、保安規定第39条に定める運転上の制限を満足しないと判断いたしました。
その後、高圧注水系の隔離を行ったところ、午前6時12分に、水の滴下は止まりました。
滴下した水の量は、微量(1ミリリットル未満)で、放射性物質は検出されませんでした。
なお、高圧注水系の代わりに原子炉を「冷やす」機能である「原子炉隔離時冷却系が動作可能であること」、「自動減圧系の窒素ガス供給圧力が規定圧力以上であること」のいずれの機能も正常であることを確認しております。
今後、準備が整い次第、点検を行ってまいります。
本事象による発電所周辺への放射能の影響はありません。
以 上
※1 運転上の制限
運転上の制限とは、安全機能を確保するため、予備も含めて動作可能な機器(ポンプ等)の必要台数や、原子炉の状態毎に遵守すべき温度や圧力の制限を定めているものであり、保安規定第39条は、非常用炉心冷却系への要求事項について定めたもの。
高圧注水系が動作不能となった場合には、代わりに原子炉を「冷やす」機能の健全性を速やかに確認するとともに、10日以内に動作可能な状態に復旧することと定めている。
※2 高圧注水系