女川原子力発電所1号機は、平成22年2月23日午前1時25分に発電を停止し、予定どおり第19回定期検査に入りましたのでお知らせいたします。
定期検査の期間は、約6カ月の予定です。
なお、発電停止後の原子炉停止操作過程において、原子炉内の中性子の量を測定している中間領域モニタ(IRM)*1および中性子源領域モニタ(SRM)*2の各々1チャンネルに動作不良が発生しました。
IRMおよびSRMの各々1チャンネルが動作可能であることが確認できなかったことから、保安規定第27条に定める運転上の制限*3を満足していないと判断いたしました。
IRMは6チャンネル、SRMは4チャンネルで測定しており、IRMは最大で2チャンネル、SRMは1チャンネルをスイッチで制御回路から切り離しても原子炉内の中性子量の測定に支障のない設計となっていることから、保安規定に基づき、当該チャンネルを制御回路から切り離し、速やかに運転上の制限内へ復帰しました。
その後、原子炉停止操作を再開し、午前5時22分に原子炉を停止いたしました。
本事象による環境への放射能の影響はありません。
また、本事象は、保安規定違反に該当するものではありません。
以 上
【参考】
<女川原子力発電所1号機の概要>
・所在地 宮城県牡鹿郡女川町および石巻市
・定格電気出力 52万4千キロワット
・原子炉型式 沸騰水型軽水炉(BWR)
・運転開始 昭和59年6月1日
<当社原子力発電所の現況>
○女川原子力発電所
1号機(定格電気出力52万4千キロワット)本日より第19回定期検査開始
2号機(定格電気出力82万5千キロワット)運転中
3号機(定格電気出力82万5千キロワット)運転中
○東通原子力発電所
1号機(定格電気出力110万キロワット) 運転中
*1 中間領域モニタ(IRM)
IRMは、原子炉起動・停止時などの原子炉低出力状態において、原子炉内の中性子の量を計測する設備。過大な中性子量を検知した場合、原子炉スクラム信号などを発信する機能を有している。女川1号機の原子炉内には全6チャンネル(A〜Fチャンネル)を有し、1系列3チャンネルずつで2系列に分かれている。
本モニタは1系ごとに1チャンネルを制御回路から切り離すこと(バイパス)が可能となっている。
*2 中性子源領域モニタ(SRM)
SRMは、原子炉起動・停止時などの原子炉低出力状態(IRMよりも更に低出力状態)において、原子炉内の中性子の量を計測する設備。過大な中性子量を検知した場合、警報を発信する機能を有している。原子炉内には全4チャンネル(A〜Dチャンネル)を有している。
本モニタは1チャンネルを制御回路から切り離すこと(バイパス)が可能となっている。
*3 運転上の制限
保安規定では原子炉の運転状態に応じ、「運転上の制限」などが定められており、運転上の制限を満足しない場合には、要求される措置に基づき対応することとなっている。この場合、定められた時間内に当該機器を復旧させるか、または予め定められた措置を講ずれば、保安規定違反に該当するものではない。
このうち、保安規定第27条は原子炉停止信号の発信機能などに必要な計測・制御装置の運転上の制限を定めたもの。