当社女川原子力発電所1号機(沸騰水型、定格電気出力52万4千kW:宮城県牡鹿郡女川町、石巻市)については、定格熱出力にて運転中でありますが、本日、原子炉運転中に定期的(1回/月)に実施する高圧注水系※2手動起動試験において、高圧注水系(以下、「HPCI」という。)を起動したところ、11時26分頃「HPCIタービン自動停止」および「HPCIポンプ流量低」の警報が発生しました。
高圧注水系が動作可能であることが確認できなかったことから、同時刻に保安規定第39条に定める運転上の制限を満足しないと判断いたしました。
警報が発生した原因は、HPCIタービン主蒸気止め弁(以下、「当該弁」という。)が起動信号にて全開となるべきところ、開動作しなかったことによるものです。
高圧注水系が動作不能の場合には、代わりに原子炉を「冷やす」機能が確保されていることを確認するため、原子炉隔離時冷却系が動作可能であること、自動減圧系の窒素ガス供給圧力が規定圧力以上であることを確認しておりますが、いずれの機能も正常であることを確認済みです。
今後、当該弁が開動作しなかった原因を調査してまいります。
本事象による発電所周辺への放射能の影響はありません。
以 上
※1 運転上の制限
※2 高圧注水系
非常用炉心冷却系の一部で、原子炉冷却材喪失事故時に原子炉に給水するための設備。高圧注水系は原子炉で発生した蒸気の一部を使用してHPCIタービンを回し、連結するポンプを動かすことにより原子炉内に給水する。
なお、非常用炉心冷却系としては、他に「炉心スプレイ系」「低圧注水系」がある。