東通原子力発電所1号機(定格電気出力で運転中)は、原子炉再循環ポンプ*1(B)軸封部(メカニカルシール)*2の第二段シール室圧力に上昇傾向が確認され、これが継続していることから、シール機能の確認をするため、関連パラメータ*3の監視を強化しております。(3月30日お知らせ済み)
その後も圧力はゆるやかに上昇を続けており、今後、第二段シール室圧力が高いことを知らせる「PLRポンプ(B)第二段シールキャビティ*4圧力 高」警報が発生する可能性がありますが、シール機能は二段階に多重化されていることから、当該警報が発生した場合でも、軸封部のシール機能は確保されているため、直ちに原子炉再循環ポンプの運転に支障を与えるものではありません。
なお、当該警報の発生は、法令に基づく報告事象および「東通原子力発電所におけるトラブル等対応要領」に定める事象ではありません。
今後も、原子炉再循環ポンプ軸封部の関連パラメータについて監視強化を引続き行ってまいります。
以 上
*1 原子炉再循環ポンプ(PLRポンプ)とは、原子炉内の冷却水を強制的に循環させるためのポンプで、ポンプの回転数(スピード)を変えることにより、冷却水流量を調整し、原子炉の出力を増減させます。このポンプは2台設置されています。
*2 軸封部(メカニカルシール)とは、ポンプ内部を流れる冷却水が回転軸の隙間を通してポンプ外部に出ないようにするために設けられている部品です。
原子炉再循環ポンプの軸封部は、シール機能が二段階に多重化されており、仮にどちらか一段のシール機能が損なわれた場合でも、軸封部自体のシール機能は確保される仕組みになっております。
*3 関連パラメータとは、原子炉再循環ポンプ(B)軸封部のシール室圧力および温度。
*4 シールキャビティとは、軸封部内のシール室を指します。