プレスリリース

第9回「原子力のあり方に関する有識者会議」の開催結果について

2019年 3月 6日

 当社は、本日、第9回「原子力のあり方に関する有識者会議」を開催しました。

 本会議は、原子力全般にわたる課題に関して、社外の有識者の方々から幅広くご意見・ご助言をいただくことを目的に、2011年10月に設置したものです。

 本日の会議では「技術力の維持・向上に向けた取り組み」をテーマに、委員の方々からご意見・ご助言を頂戴しております。

 当社といたしましては、本会議におけるご意見・ご助言の内容を踏まえ、技術力の維持・向上に向けた各種取り組みの充実・強化を図ってまいります。


【第9回「原子力のあり方に関する有識者会議」開催結果の概要】
●開催日時 2019年3月6日(水)10時00分〜12時10分
●開催場所 東北電力本店ビル
●出席者 別紙のとおり
●テーマ  「技術力の維持・向上に向けた取り組み」
●概要

 会議では、原田社長からの挨拶の後、当社より「技術力の維持・向上に向けた取り組み」について説明し、出席委員の方々よりご意見・ご助言をいただいた。

 本会議における社長の挨拶要旨および出席委員の方々からの主なご発言は以下のとおり。
 
【社長挨拶要旨】
・女川原子力発電所2号機および東通原子力発電所1号機については、原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査に継続して取り組んでいるところです。

・女川2号機については、「地震・津波」に関わる審査に対し概ねご理解をいただいており、現在は、「設備」に関わる審査が加速化している状況にあります。当社としては、本年7月中には、審査における説明を終えることを目指して、日々対応していくこととしております。

・東通1号機については、敷地内断層の活動性評価が課題となっておりますが、原子炉建屋などの重要な施設の直下にある断層が「将来活動する可能性のある断層等ではない」との当社の評価に対し、概ねご理解をいただいており、現在は、その他の断層などに係る審査中です。

・また、当社は、審査と並行して、様々な安全対策工事や各種訓練などにより、設備・運用両面から、安全性の向上に取り組んでおります。

・ 一方、東日本大震災以降、当社原子力発電所は長期間停止しており、この影響により、実務経験の機会が減少していることから、プラントを実際に運営していくために必要な技術力の維持・向上に、一層取り組んでいく必要があると認識しています。

・例えば、新たに設置した安全対策設備や原子炉の起動・運転に係る操作などについては、十分な訓練を重ね、技術力を確実に身に着け対応していく必要があると考えており、そのために、教育訓練の強化・充実化を図っているところです。

・本日の会議においては、当社のこうした技術力を維持・向上させていくための各種取り組みについてご説明し、幅広い視点からご意見やご助言を頂戴したいと存じます。
 
【出席委員の方々の主なご発言】
・企業で求められる人材は、一般的に「T字型」に例えられることがある。縦棒は知識の深さを表現しており、その点についてはしっかりと対応がなされている印象を受けた。横棒は経験から得られる知識の幅を表現しているが、例えば、発電所が稼働していないからこそ経験できることとして、他部門や協力企業、地域の皆さまとの相互交流等で視野を広げていく取り組みも重要である。

・技術継承を図っていくためには、知識・技術力を整理するだけではなく、様々な経験値や組織風土も踏まえることが重要。

・関連企業における技術力の維持・向上に向けた取り組みについて、元請企業はある程度対応していると思うが、その下請企業も含めて、しっかりと目配りをする必要がある。

・原子力防災に関する社会的関心は高く、有事の際への備えについて、各組織内ではしっかり対応できていると思うが、組織間の連携に関してコミュニケーション不足がないかしっかり対応していただきたい。

・発電所の現場における技術力だけではなく、例えば地域住民との対話活動において、技術系の社員自身がしっかり説明することができるという技術力(コミュニケーション力)も重要であり、その重要性もしっかり認識して欲しい。

・技術継承における社員OBの活用は非常に良好な事例であり、更なる活用に取り組んでいただきたい。

・若年層に対して適切に指導するためには、その指導者への教育のあり方が重要である。

・若年層が、発電所の起動・運転に関わる経験がないことをネガティブに受け止めない様な工夫が必要。発電所の停止期間中における取り組みは、再稼働に向けた一歩になると前向きに受け止めてもらうことが必要。

・万一の重大事故の際には、緊迫した状況下で対応するため、過大なストレスがかかることから、こうした点についてもトレーニングが必要。


以上



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