プレスリリース

東通原子力発電所1号機炉心スプレイ系配管等の耐震評価の解析誤りに係る原因と対策について

2018年12月 3日

 当社は、東通原子力発電所1号機の建設時の工事計画認可申請書※1において、炉心スプレイ系配管※2および炉心スプレイノズル※3の耐震評価の解析に誤りがあることを確認いたしました。

 改めて解析したところ、当該配管等の応力発生値※4は、技術基準に基づくそれぞれの許容値を満足しており、設備の健全性は確保されていることを確認しております。

2018年9月5日お知らせ済み


 当社は、本解析誤りの原因調査を進め、原因および再発防止対策を取りまとめ、本日、原子力規制庁へ報告いたしました。


 原因および再発防止対策の概要は以下のとおりです。

【原因】
・プラントメーカーは、他社プラントにおける類似の耐震評価の計算式を流用し、当該解析を実施したが、本来であれば、耐震構造の違いを踏まえ、計算式を見直した上で解析する必要があった。しかしながら、計算式に関する認識が不足していたことから、計算式の妥当性の確認をせず、他社プラントの計算式をそのまま流用するとともに、解析結果についても十分検証していなかった。
・当該解析を行った当時、計算式の妥当性の確認方法や解析結果の検証方法についてのルールが明確化されておらず、プラントメーカーおよび当社における確認や検証が不十分だった。


【再発防止対策】

 現在は、解析業務の品質向上のため、計算式の妥当性の確認方法や解析結果の検証方法のルールについて、当社およびプラントメーカーの社内文書に明文化されておりますが、他社プラントにおいても同様の解析誤りがあったことから、検証方法を充実させるなど、更に以下の再発防止対策を実施いたします。


(プラントメーカー)
・他社プラントの計算式をそのまま流用せず、計算式の妥当性等を詳細に確認すること、および解析結果は、解析内容に応じて検証の比較対象をこれまで以上に充実させることを社内文書に明記する。
・本解析誤りを踏まえた再発防止の教育を実施する。


(当社)
・本解析誤りの事象・原因等について社内文書に明記することに加え、解析業務毎に計算式の妥当性の確認方法や解析結果の検証方法を検討することの重要性を社内に周知徹底し、注意喚起を図る。


 なお、当社原子力発電所において、同様の解析手法を用いている耐震評価について調査した結果、当該解析以外には誤りがないことを確認しております。


 今後、本事象を踏まえて策定した対策を確実に実施することで、再発防止に努めてまいります。



以上



※1:原子炉設置変更許可申請書に記載された基本設計に従って実施する設備の詳細設計が、技術基準を満足していることについて審査を受けるもの。
※2:原子炉冷却材喪失事故時に炉心を冷却するための冷却水を注水する役割を持つ系統(高圧炉心スプレイ系および低圧炉心スプレイ系)の配管。
※3:原子炉圧力容器と炉心スプレイ系配管の接続部(高圧炉心スプレイノズルおよび低圧炉心スプレイノズル)。
※4:地震等の力が作用した際に各部位に生じる力の大きさ。


(参考)炉心スプレイ系配管概要図




「プレスリリース本文のPDFファイルはこちら」印刷用PDF

←← 東北電力トップページ ← 元のページへ戻る