プレスリリース

第7回「原子力のあり方に関する有識者会議」の開催結果について

平成29年 2月28日

 当社は、本日、第7回「原子力のあり方に関する有識者会議」を開催しました。
 本会議は、原子力全般にわたる課題に関して、社外の有識者の方々から幅広くご意見・ご助言をいただくことを目的に、平成23年10月に設置したものです。
 本日の会議では「地域とのコミュニケーション活動について」をテーマに、委員の方々からご意見・ご助言を頂戴しております。
 当社といたしましては、本会議におけるご意見・ご助言の内容を踏まえ、地域の皆さまとのコミュニケーション活動の充実・強化を図ってまいります。


 【第7回「原子力のあり方に関する有識者会議」開催結果の概要】
●開催日時 平成29年2月28日(火)13時00分〜15時30分
●開催場所 東北電力本店ビル
●出席者 別紙のとおり
●テーマ  「地域とのコミュニケーション活動について」
●概要
 会議では、原田社長からの挨拶の後、当社より「地域とのコミュニケーション活動について」説明し、出席委員の方々よりご意見・ご助言をいただいた。
 本会議における社長の挨拶要旨および出席委員の方々からの主なご発言は以下のとおり。
 
【社長挨拶要旨】
・ 昨年4月より、電力の小売全面自由化がスタートし、平成32年4月には、送配電部門の法的分離が予定されているなど、電気事業を取り巻く環境は、大きく変化している状況にあります。
電力の小売全面自由化につきましては、家庭用をはじめとする低圧分野のみならず、高圧以上の分野においても競争が一層激化しており、いよいよ本格的な競争時代に突入していくことを改めて実感しているところです。
一方、東日本大震災から間もなく6年が経過しようとしておりますが、地域の復興は未だ道半ばの状況です。地元の電力会社として、地域の復興・発展にこれまで以上に貢献していく所存です。
・ 当社の原子力発電所に係る状況について申し上げますと、現在は、原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査に鋭意取り組んでいるところでありますが、女川2号機、東通1号機ともに、審査の終了には今後も時間を要するものと考えております。
また、審査と並行して鋭意取り組んでおります安全対策工事については、審査の過程で得られた知見や、評価を適宜反映しながら、設計や工事を進めていくことが必要な状況となっており、こうした審査の影響も考慮すると女川2号機、東通1号機の安全対策工事の完了には時間を要するものと見込んでおります。
・ こうしたことから、これまで平成29年4月としてきた工事完了時期の目標を、女川2号機を平成30年度後半、東通1号機を平成31年度に見直し、先般公表させていただいたところです。
当社としましては、工事完了後、準備が整った段階で、地域の皆さまからのご理解を得ながら再稼働を目指していくこととしております。
・ こうした再稼働に向けた取り組みを含め、日頃の原子力発電所の運営にあたっては、地域の皆さまとの相互理解や信頼関係の構築が必要不可欠です。
・ このため、社員一人ひとりが「地域の皆さまにとって何が最善か」「そのために我々は何をすべきか」を常に考え、皆さまの声を聴き、「真心」を込めた対応を行うことが重要であるとの考えの下、当社では、日頃より双方向を基本とした地域の皆さまとのコミュニケーション活動に取り組んでいるところです。
こうした取り組みを充実・強化していくため、本日の会議におきましては、当社における地域の皆さまとのコミュニケーション活動に係る考え方や取り組み状況、課題等について、皆さまから幅広い視点でご意見やご助言を頂戴したいと存じます。
・ 当社は、今後とも原子力発電所の安全性と業務品質の向上に取り組むとともに、お客さまや地域の皆さまが、どのような気持ちで当社をご覧になっているのかということを常に意識し、地域の皆さまに寄り添った取り組みの強化・改善に努めてまいる所存です。
 
【出席委員の方々の主なご発言】
・ 技術の世界では、長年、コミュニケーションは第一義的には扱われてこなかったが、今はそういう時代ではない。原子力事業を進めていくには地域とのコミュニケーションが大切である。
・ 例えば、防潮堤の説明に関して、住民は高いからといって安心する訳ではない。高さに加えて、津波が防潮堤を越えてきた時の対策を取っていることも併せて説明することが安心に繋がるのではないか。
・ 分かりやすい情報発信にあたっては、結果だけではなく、例えば、事象の背景や対策の前後の違い等を対比して見せると分かりやすいのではないか。
・ 情報発信する上では、「正確性」と「分かりやすさ」に加えて、「スピード感」が大切。タイミングを逃すと情報の価値がなくなってしまう。
・ 説明内容について、技術者自身が、社会的に分かりやすいかどうかを考えていく意識を持つ必要があるのではないか。
・ 専門用語はできるだけ使わずに、一般的な用語に置き換えることが必要である。しかしながら、専門用語を全て排除する必要もなく、これからも頻繁に使う専門用語については、括弧書きの説明を加える等して、覚えてもらうことも必要なのではないか。
・ 地域との信頼関係を築くためには、自分自身が生き生きと仕事に取り組む様子を地域に見せることが重要である。何か特別なことをするよりも、普段の行動(挨拶や交通マナーの遵守等)が信頼獲得に繋がるのではないか。
・ 安全は「結果」、安心は「プロセス」であり、安心を醸成していくためには、地域の方々と価値観を共有していくプロセスが大事である。それによって地域の方々とWin−Winの関係を築くことが信頼関係の構築につながるのではないか。
・ 信頼関係は簡単に築けるものではない。長い年月を掛けて醸成していくものであり、東日本大震災の際に、地域住民が女川原子力発電所に避難したのは、その信頼関係の現れである。今後も地域住民とはより良い関係を維持してもらいたい。
・ コミュニケーションにはこれといった正解はなく、多様性があるもの。コミュニケーションの対象を性別・年代で一括りにせず、相手の立場に合わせた丁寧なコミュニケーションに努めて欲しい。

 

以上


 

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